好きな女の子と童貞のまま同棲する事になったんだが色々カオスだった
act.1 「素晴らしく楽しい日々の始まり」
act.2 「夏だねえ」
act.3 「秋の三連休」
act.4 「秋には色々あった」
act.5 「クリスマスパーチーをしませう!」
おつかれっす
すみません、遅くなりました。年度末で尚且つ4月からの消費税の関係で、かなり遅くなりました
すみません、言い訳を先に書きました、つまり…余りたくさん書けなかった、つー事です
しかも、明日もいつも通りの仕事なんで、その…まあ、これも言い訳っすね
取り合えず話を進めます、どうぞー
空間が広く感じる、って有るじゃない?
イモトが出て行ってから正にそれを感じた。何かポッカリ穴が開いた気がするんだ。
それは恐らく全員に感じていた事だと思う。全員がイモトが帰ってくるのを待っていた。
と、同時に…全員が予感していたのかも知れない。
この家での生活に…終わりが近付いている事も…
そんな嫌な予感がしている日々に更に終わりを感じさせる話がまいこんで来る。
「…就職が決まるかもしれません…」
そう係長が言ったのは夕食の後だった。
「え?マジ?良かったじゃん!」
「おめでとうー♪」
「何?何の仕事?」
俺達がそう言うと係長は照れているのか、困っているのか分からない表情で俺達を見た。
「ですが…この地じゃ無いんですよ…」
え?
係長は下を向いた。
「名古屋で…旧友が小さな町工場をしてまして…もし良かったら働かないかって…下宿先も世話をしてくれて」
名古屋は遠い…
「え?…いつから…?」
マリコの声が小さい。
「4月から…どうかって…」
係長はそう言って俯く。全員が下を見た。
そうか…係長も旅立ちを迎えたんだな…
胸に悲しさなのか寂しさなのか、よく分からない物が込み上げて来た。
それは全員が思っていた事だろう
「まあ…良かったじゃん!めでたい事だよ!」
ヒロさんが、その雰囲気を打ち破る様に言った。
「うん…良かったよ係長。ホントにおめでとう…!」
マリコもそう言って笑う。
「イモトさんが出て行って…更に私がこんな事になって…申し訳ない」
「何、言ってんだよ!めでたい事なんだ!俺らの事は心配すんじゃねーよ」
「うん…係長…係長のカレーが食べられなくなるのは残念だけど…でも、私も嬉しいよ」
「申し訳ない…休みが有れば、その時は帰って来ても…大丈夫ですか?」
「勿論!来て、絶対に来て!」
「ありがとうございます…」
係長は深々と頭を下げていた。そして、マリコとヒロさんは口々に励ましの言葉を並べていた。
だけど…俺は無理だった。
勿論、係長の幸せは嬉しい。
だけど…それ以上に係長が出て行ってしまうのが嫌だった。
だから俺は何も言えなかったんだ。
逆に二人が何故、係長を祝福出来るのか疑問であると同時に…
自分のその心の狭さ、と言うかガキの気持ちが嫌で更に歯痒くて係長を祝福出来ないで居たんだ…
春が近付くと旅立ちは増えるんだろうか?
旅立ちの人物は更に増えて行く…
ある日、俺が学校に居るとメールが届いた。
相手はヒロさんだった。
『何時に終わる?』と入っていた。
俺は学校の終わりの時間を返信すると『その時間に学校の前で』と入った。
何事だろう?そう思いながら学校が終わり外に出るとヒロさんが待っていた。
「ちょっと押しながら歩かないか?」
ヒロさんは、そう言って原付を押す。
俺も自転車を押した。
「どうしたんすか?今日、早いっすね」
「いや、今日は仕事休んだんだ」
え?
「ナオト君に先に言った方が良いかもって…いや、マリコには、まだ伏せておいて欲しいんだが…」
「え?」
「ケンジと…ヨリが戻るかもしれん…」
「え??!!マジっすか!!」
「ああ…ケンジが、見合いを断って…会社を辞めて…って」
凄い。ケンジは凄い決断をしたんだな…
「俺的にはケンジには辞めて欲しくない気持ちと、ケンジの俺への気持ちが嬉しいって言う気持ちが有ってさ…」
「良いじゃないっすか!そこは気持ちを受け入れましょうよ!」
俺の一言にヒロさんは笑う
「ありがとう…でもさ…たから…」
ヒロさんの言葉尻の鈍さで俺は察知した。
そうか…
「まあ、いつかは分からないけど、そしてどうなるか分からないけどさ…俺も…家を出る事になるかもな…」
そう言った時のヒロさんの横顔が少し切なかった…
皆、旅立って行く。それは良い事なんだろう。
でも、俺は喜べない。皆と離れ離れになるのが嫌だからだ。
最初にヒロさんが家に住む事になった時は早く出て行って欲しいと思っていた。
そして、イモト、係長が増えた時も迷惑だった。
だけど…今は嫌だ。皆と離れたくない。
ずっと一緒にいて欲しい。ずっとずっと一緒に暮らして行きたい。
そんなの無理だって分かってる。だけど…
皆がいなくなって俺はマリコと二人で暮らせる。
それは良い事じゃないか。俺が望んでいた生活じゃないか。
マリコとの楽しい日々が送れるじゃないか…
なのに何故、俺はこんなに嫌なんだ
何で俺は悲しくて寂しいんだ?
俺は分かっていた。
分かっていたが当時の俺は、その気持ちを全否定していたんだ。
俺は…嫉妬していたんだ…
イモトに、ヒロさんに、係長に…皆、自分の道を決めて巣だって行く事に…
人生を足掻いて生きて行く事を決めた事に俺は嫉妬していたんだ。
俺は漬かったままだった。このぬるま湯に漬かったままだった。
辛く苦しい事から目を背けて、このぬるま湯に漬かって居続けたかったんだ。
結局、俺は逃げてばかりいた。
この一年で全く成長していなかった。
…いや、逆に後退したのかも知れない。
この暖かなぬるま湯で…
イモトが大学を諦めれば良い…
係長の仕事がダメになれば良い…
ヒロさんが振られれば良い…
それでもう一度皆で暮らせば良い…
そんな酷い思いも頭によぎる。
そして、そんな事を思っている自分に自己嫌悪して泣きそうになっていたんだ…
俺が人の不幸を望んでいたからか、どうかは分からない。
若しくは予め決められていた運命なのかも知れないが…
最後の事件はこんな状況で始まって行くのだった…
それは寒いとても寒い日の夕方であった。
俺は学校から家路に着く。学校は全く面白くなかった。
元々面白くは無かったがイモトがいた頃は、二人で馬鹿話で盛り上がり楽しかったんだ。
だけど今はイモトが居ない。そして、もうすぐ係長もヒロさんも居なくなる。
イライラしていた。
そして、とてつもなく焦りに似た感情を覚えていたんだ…
家に帰ると既にヒロさんの原付が止まっていた。
まあ、それは良い。
一つ気になったのは家の前に黒塗りの高級車が停まっていた事だ。
ヒロさんの会社の人かな?
そう思いながら家に入ると、えらくシンとしている
人の気配は有るが押し黙っている感じ。
不思議に思いながら居間に行くと見知らぬ人が二人居た。
一人はスーツを着た真面目そうな男。彼はキチンと正座をしていた。
もう一人は少し年配の身綺麗な女性だった。
テーブルを挟んでマリコが下を向いて座っている。
そして、少し離れた場所でヒロさんがいつもの様に壁にもたれて座っていた。
係長は隅っこで正座をしている。
誰だ、この人達?
そう思いながらも挨拶をしようと居間に入ると女性が俺を見た。
少し非難している様な目で俺を見るなり溜め息をついた
そしてマリコを見て呟く。
「…また、男…何人ここに男が居るの?」
は?
マリコは何も言わずに下唇を噛み締めていた。
「まあ、良いわとにかく早く支度をして」
その女性はマリコにそう言う。
誰だ?この人。
「…嫌です…行かない…」
マリコは消え入りそうな声でそう言った。
「良いから来なさい」
女性は立ち上がってマリコの元に行くと腕を掴んだ。
「いや!!行かない!!」
マリコは激しく抵抗する。
俺は慌ててマリコの元に行く、と同時にヒロさんと係長も立ち上がった。
「ちょっと、何なんですか!!」
俺がそう言って女性を止めようとすると、正座をしていた男が素早く俺を遮った。
「奥様に触れると、貴方を訴える事になります」
そう早口では有るがシッカリ聞き取れる声で俺に言う。
「は?!何なんですか?!」
俺はその男に言うが彼は無表情で俺を見ているだけだ。
俺はヒロさんを見るとヒロさんは軽く首を振った。
何なんだ?
そして女性が「マリコ!良い加減にしなさい!」と言った時に、その顔をマジマジと見る。
その瞬間に何となく理解が出来た…
ひょっとして…マリコのお母さん…?
「辞めて!!嫌だ!!」
マリコは尚も拒否をしている。俺はマリコを助ける事が出来ないでた。
確かに母親が、この状況を見たら…三人の男と一緒に住んでいる娘…そりゃ怒る。
だから、俺は上手く動けない。
だが、誤解は解かなければならない。
「あ、あの…ち、違うんです!」
俺は上ずった声でそう言う。
だが、マリコの母親は聞いていない。
「あの、誤解なんです!!僕らは、そんな変な関係では無くて!!…違うんです!!」
俺のありったけの声で叫ぶと、やっと母親は俺を見た。
「僕らは、ただ単にルームシェアをしているだけなんです!!!だから変な関係では無いんです!!!」
まあ、俺は恋心を抱いているが…と、言いたい所だったが今、それを言うと非常にややこしくなってしまう。
母親は俺の言葉を聞くと「ハア…」と溜め息をついた。
そして「当たり前でしょ!そんな事は分かってるの!貴方達がマリコに何か出来る訳が無いでしょ!」
え、何その言い方。誤解は無い事を理解してくれている様だが、軽く傷付くんだけど。
「マリコ!早く立ちなさい!」
「でも、約束が違う!四年の約束じゃない!」
マリコが少し涙ぐみながら叫んだ。
「こんな状況を知られたら、どうするの!!私は独り暮らしの約束をしただけ!こんな男達と暮らす約束はしていない!」
マリコは涙を堪えながら母親を睨んだ。
俺は何も言えなかった。そして非常に混乱をしていた
「良いわ!安田さん、強引に連れて行って」
「え、良いんですか?」
安田と呼ばれた男は少し迷っている感じだった。
それに何か違和感を感じる。
そして、その言葉を聞いてマリコが急に怯えだす様な表情を浮かべた。
「…いや…」
小さく呟くマリコ。
母親はここぞとばかりにマリコに言った。
「どうするの?!安田さんに連れて行かれたいの?!それとも自分で立つの?!」
その言葉を聞いてマリコは泣き出すと…自ら立ち上がったのだった…
「…マリコ」
俺の言葉にマリコは無理に笑顔を浮かべた。
そして…
「ごめんね…」
それだけ呟いたのだった
「それでは、皆さん先程のご説明の様に速やかにお願いします」
安田と呼ばれた男が最後にそう言うと、マリコは車に乗せられたのだった…
俺は外に出て車を見続けていた。何が何だか分からずに頭が酷く混乱している。
状況的に母親に俺達の事が見つかった、と言う事だけは理解出来た。
俺が外で茫然自失になっていると坂道をイモトが自転車を漕ぎながら上がってきた。
「…イモト」
「どうしたの??何があったの??」
え?何が??
俺はイモトがここに来た理由も分からないし、イモトが何を知っているのかもわからない。
とにかく全てが混乱していた。
「俺が呼んだ」
そう後ろからヒロさんが言う。
「一緒に住んでいる中に男だけよりも、女が居たという事実があった方が良いと思ってな」
ヒロさんは、そう言うと俺を中に促す。
「一体、何がどうなってるんすか??」
「俺も…はっきりとは分からないが…」
ヒロさんは俺とイモトを見る。
「…この家は取り潰される…」
え??…
居間に四人で座るとヒロさんが話を始めた。
要約すると、マリコの母親が突然現れた。そして、マリコを連れて帰ろうとする。
どうやら事前に調べてここに俺達も住んでいると言う事を調査済みだったらしい。
そして、俺達に出て行けと言ってきたらしい。この家は取り潰す。
そして、俺達の宿泊先ないし、新しい下宿先は面倒をみてやる。
何なら金もくれてやる。そう言ってきたそうだった。
ここまで、聞いても俺は混乱していた。言っている概要は分かった。
だけど、結局の所…
「マリコは?マリコはどうなんの??」
イモトが俺の聞きたい事を聞いてくれた。
そうだ、家、云々より先にマリコはどうなるんだ?「…
「正直、俺も…よく分かっていないんだ…」
ヒロさんが力なくそう言う。
「て、言うか…マリコって…ひょっとして金持ちなんすか…?」
立退き料や、新しい下宿先を世話するなんて金持ち以外に出来ない。
と言うか、あの秘書みたいな男を連れている時点で金持ちだろ。俺の親、秘書連れてないもん。
「ああ…あいつの親父は結構な会社の社長みたいだな…」
そうか…だが、益々分からない。
その結構な会社の社長令嬢が何故、こんな所で一人暮らしをしているんだ?
そして、何故…
俺は一番引っかかっている疑問を聞く。
「一つ…不思議に思った事があるんですけど…」
「うん?」
「マリコを連れて行く時に、あの安田って人がマリコを連れて行くってなった時に…マリコ、急に怯えましたよね…?ひょっとして…何か酷い虐待とかされてるんじゃないんすか…?」
虐待って言葉はおかしいかもしれない。だけど何か怯える様なことを…
俺が引っかかって、そして一番心配な所がそこだったんだ。
俺の言葉にヒロさんが頭をかく。そして何故か係長も眼鏡を拭き出した。
イモトが不思議そうに俺に聞いた。
「何?何かあったの?」
俺は先ほどの情景をイモトに説明をする
イモトも心配をするかと思いきや…
「あ…」と声をだして、そして黙ってしまった。
え?何?何だ?何を皆気が付いているの?
それとも何かを隠してるの?
俺はヒロさんを見た。
「ヒロさん…何か分かってるんすか…?」
俺の言葉にヒロさんは係長とイモトを見る。
「…お前らも…知ってるのか…?」
ヒロさんは二人に確認を取ると二人は頷いた。
「え??何??何だよ??」
俺は三人を順番に見ていく。
何だ??何を隠している??
「言ってくださいよ!!俺だけ除け者っすか??」
「…分かった、いや別に除け者って訳じゃない」
ヒロさんは少し斜め下を見ながら俺に言った…
「マリコは…男性恐怖症なんだ」
え?
「男に触れられたりされたら、気分が悪くなって、酷い時には吐いたりとかもするらしい…」
え???
「だが、全員が無理って訳ではなくて…たまに触れても問題が無い場合があるそうなんだ…」
ヒロさんは軽く頭を掻く。
「俺とか…みたいな人間は大丈夫な場合が多いみたいだ…」
つまり、同性愛者って事か…
と、後に冷静になった俺は思っていた。
その話を聞いた俺は口がポカンと開いたまま混乱しまっくていたんだ
「私も…一緒に住む条件で…体には絶対に触れないで欲しい…そう言われました」
係長がそう言う。
「自分は病気だから、アナタが悪いんじゃなくて、私が悪いんだって…そう言って私に気遣いを見せながらね…」
係長は少し涙ぐんだ。
ヒロさんが話を続ける。
「マリコは昔からよく、男にボディタッチをしたりする様な女だった。高校時代、それで男に思わせぶりな態度をとってるって、他の女から嫌われていたりしていた。だけど違うんだ。マリコは探していたんだよ、自分が触れる事の出来る男を…でも、触れて大丈夫なのは…俺みたいな奴とかな…」
ヒロさんが悲しそうにそう言って拳を握り締めていた。
俺は下を見て口を開けたままだった。
ようやく、混乱が治まる少し頭が回り始めてやっと俺は気が付くんだ…
「え…でも…俺は…?」
俺の言葉にヒロさんが頷く。
「お前は…特別…だったんだろうな…だから、一緒に住んだだろうな」
俺の心臓がドキンと大きな音を立てた気がした。
「…それか、お前も俺と同類なのかな?」
そうとも言って少し笑う。勘弁してくれ。
…そう言えば、俺に男が好きか、聞いてきた…
客のオッサンの手に触れてから気分を悪くしていた…
俺の様々なマリコの記憶が蘇る。
俺は…全く気が付いてやれなかった…そ
んな心の病が有るって事に全く気が付いてやれなかった…
だって、マリコはいつも笑顔で…
いつも…明るくて…
そんな自分の傷を…全く感じさせなかった…
「ナオトに…知られたくなかったんだよ…」
イモトがそう呟く。
「え?」
「よく分からないけど…自分にとって特別なナオトには知られたくなかったって思う…自分を普通の女として見て欲しかったと思う…」
急に俺の目の前にマリコの笑顔が浮かんで来た。
あの飛び切りのキラキラの笑顔…
それで、俺は急に怖くなった。
それは混乱が終わりやっと平静になったから、それともマリコの心の傷を知ったからかは分からない。
ただ…このままマリコと離れ離れになってしまうかもしれない事を…凄く怖くなってしまったんだ
すみません
今日は以上です
眠気が限界ですので
寝ます
おyしみ
明日も仕事頑張って!
おやすみ
たのむからハッピーエンドになってほしい。
嫁、子寝静まった後、楽しみに見てます。
がんば。
明日も楽しみに待ってるよー!
お疲れ様!
頼むから幸せになってくれよ…