好きな女の子と童貞のまま同棲する事になったんだが色々カオスだった
act.1 「素晴らしく楽しい日々の始まり」
act.2 「夏だねえ」
こんばんわ、お待たせしました。そして保守ありがとうございます
とにかく書き上げた分だけ投下します
八月が終わると、どこか物悲しさを感じた。
海には人が疎らになりサーファー以外は居なくなる。
それでも暑い日にはイモトの提案で海に行ったが台風が近づいているからか波が高い。
まあ、それでも波に揉まれて楽しかったんだが…
台風が来た時は大変だった。古い家だからか家が吹き飛ばされそうだった。
だが、流石は先人の知恵だ。以外に丈夫だった。
秋も深まると俺達は秋の味覚を得るが為に色々したよ。
近くに栗の木が有るの見つけると栗を取りに行く
てかこのスレよんでたら1/3の純情な感情の歌詞を思い出した。
「ヒロさん、もっと揺らさなきゃ落ちないよ!」
イモトが叫ぶ。
「結構揺らしてるんだけどね」
ヒロさんが木の上から言う。
「蹴ったら?蹴って揺らそう?」
マリコ嬉しそう。
「つーか、勝手に採って良いのかな?」
俺の一言は全員にスルーされていた。最終的にホウキで一個、一個を落とした。
お陰でその日から栗ご飯三昧だった。
また、ヒロさんが近くに芋が有る、と話を持って来た。
「芋ー!芋掘る!」
イモトが俄然ヤル気だった。
「焼き芋食べたーい♪」
マリコは又もや嬉しそう。
「芋粥でも作りましょうかね」
係長の腕も鳴る様だ。
「あ、いや、それって誰が植えてるんじゃないの?」と俺が至極まっとうな意見を言うが又もやスルー
「流石に…栗と違って昼間は難しいな…」
「夜に、黒い服を着て行くべきじゃない?」
ヒロさんとイモトが話す。いや、やっぱり誰かの物って理解してんじゃん…
「仕方がない、精鋭でチームを組んで突入するか」
「特殊芋掘りチーム…SITの出動だね」
何、そのカッコイイ特殊部隊。大体、こう言った悪巧みをするのはヒロさん、イモトの仕事だった。
マリコは単純に楽しそうなだけ。係長は後方支援。俺は全力で全員を現実に引き戻す役目だった。
「いや、不味いって…絶対、誰かのものなんだって!」
「ええー、ナオト、ノリ悪いー」
イモトが非難する。俺は少しムッとして言った
「良いか?山田さんは市内の中心で働くサラリーマンだった」
「え?誰、それ」
イモトが首を傾げる。
「良いから聞け…彼は真面目に働き続けていたんだ。毎日上司に怒られ、客に怒られ…たが、彼は愛する家族の為に頑張る。勿論、奥さんも一生懸命彼をサポートし続けてきた。暮らし向きは豪華では無いが、それでも奥さんと子供、家族四人が質素に暮らしていた」
「山田さん夫婦がんばったね」
マリコが感想を言う。
「そう、頑張った彼らの子供達は独立して、各々結婚して子供をもうけたんだ。山田夫妻に孫が出来た。そして、彼も遂にその日を迎える…定年退職だった」
「感慨深いでしょうな」
係長が染々と言うが笑えない
「彼は退職金を遣い郊外に土地を買った。そこで家庭菜園をするためだ。そう、遊びに来る孫のために美味しい野菜を孫と共に収穫したかったんだよ…だが、彼等は農業に関してはドシロウトだった。色々失敗をした。雨の日や、熱い太陽の下、寒い日、そして台風の日にも彼等は頑張って家庭菜園を続けて行く。全ては孫のために…そうして、やっと今年の秋に収穫を迎えるだけの芋を作る事が出来たんだ!」
そう言って俺はイモト、ヒロさんを指差す。
「その苦労をお前らが、盗むとどうなる!楽しみにしていた孫は泣いてしまう!そして、それを見た山田夫妻は茫然としてしまうんだぞ!」
イモトが焦りながら呟く。
「え…だ、だって、わ、私…その芋が知恵ちゃんのって…知らなかったもん」
知恵って誰だよ。勝手に孫に名前を付けるんじゃねーよ。
「ダメ!絶対、ダメ!知恵ちゃん可哀想!山田さん達も可哀想!」
マリコが鼻をすすりながら言う。いや、感情移入し過ぎだろ。
「やはり…素人の家庭菜園は難しいんですかね・・・」
食いつく所、そこかよ。
「…でも」
黙っていたヒロさんが口を開いた。
「孫の分を置いといたら良くね?」
アンタは鬼かああああ!!!!
その一言でイモトがヒロさんに乗っかる。
だが、俺達で全力で止めて何とか普通に金を払って芋掘りに行く事で手を打つ事が出来たのだった…
ある、秋の三連休の事だった。
「この、三連休…私、少しお暇を頂きたいのですが…」
そう、係長がみつゆびをつきながら言って来た。古風な嫁かよ。
「何?どうしたの?係長」
マリコがリンゴを食べながら聞く。
「あ、いや、古くからの友人から家に招かれまして」
「俺もその時に会社の旅行があるな…」
ヒロさんも、そう言う。
「あれ?三連休?私も居ないや、実家に帰るんだけど」
マリコもカレンダーを見ながら言った。
マジか!んじゃ、イモトと二人じゃねーか!!
俺は焦る…が、取り越し苦労だった。
「親がうるさくてさあ…私、三連休に一回、実家に帰るわ」
そう言って膨れっ面のイモトを見た時はホッとしたよ。
結局、三連休は俺だけが、この家に残る事になった。
俺も実家に帰ろうか?と思ったが距離が有るのとバイトのシフトを入れていたので無理と判断し一人で残る事に決定。
三連休の最初の土曜日、俺はバイトに入っていて夕方まで仕事をして帰路につく。
俺は少し一人での生活にワクワクしていた。
この数ヵ月ずっと騒がしい生活をしていたので一人に少し憧れを感じていたんだよ。
俺がやりたい事は一つだけ…それは…
エロいDVD を観る事…!
そう、この家での生活は楽しかったのだが、とんとエロに関しては恵まれなかったんだ。
勿論、エロDVD を観る事は出来ないし、ネット環境も無い。
そして当時の俺はスマホじゃなかったのでエロの情報も少なかった。
お陰で携帯のエロ画像やエロ体験談をオカズにしていた毎日。
だから動くエロを観たい!それを楽しみに三連休を迎えたのだ
帰り道に遠回りだがレンタルショップによりお目当てのモノをゲットする。
それも五枚も。そして、その日は帰宅スピード最速の記録を更新した日でもあったのだ…
帰宅する途中に誰かまだ居るかな?と思う。今日ばかりは誰も居て欲しくない。
そう思いながら家に到着すると家は真っ暗であった。
俺はホッとしながら家に入り、カバンを置くと直ぐに風呂の用意をして風呂に入ろうと思ったが性欲の鬼と化している俺は我慢が出来ずに居間に有るデッキでDVDを再生した。
いや、何だろうな…俺はあの瞬間、神に一番近い存在となったかもしれない。
全てが終わるまで20分の時間を要しなかった。
満足感が半端無かったのか終わったら「ごちそうさまでした」と呟いた程だった
そしてDVDを取りだし、しっかりと後片付けをした後に、ふと我に返る。
シーンと音の無い空間が広がっていた。
あれ?この家、こんなに静かだったけ?
そしてやたらと広く感じる。この家だけ丘の上なので車の音すら聞こえない。
俺は少し恐くなったので歌を歌いながら風呂場に向かう。
普段は気にしない洗面台の鏡も今日はチラチラ見てしまう。
とにかく、何か不気味だった。
風呂場で頭を洗っていても振り替えってはいけない、と言う思いだけが強くて全然落ち着かない。
さっきから思いきりミスチルのメドレー大会となっているが、ソロソロ持ち歌が尽きてきた。
おまけに洗顔もしながら歌っていたので口に泡が入りまくっている。
取り敢えず素早く風呂を上がった俺は気を紛らせる為に再びDVDを手に取り観るが全く集中出来ない…
何なら何故、さっきはこのDVDに興奮していたのかさえ理解出来なくなる。
このDVDを借りた時の俺にどこが良いのか解説をして欲しい位だった。
俺はDVDを観るのを辞めてテレビを見る。下らない深夜番組を観て少し落ち着いて来た。
このまま寝てしまおうと思い布団を部屋から持って来てテレビの前に敷く。
時折、雨戸がガタガタと言う音がするのは風のせいだと自分に言い聞かせた。
淋しい…そして、怖い…
つーか、マリコは俺達がここに住むまで1人でここに居たのか…
何それ?ただの肝試しじゃん …
風がガタガタと雨戸を鳴らす。
風だよな?変なデカイ生物が雨戸を揺らしている、って事は無いよな?…
…と、言うかマリコは恐く無かったんだろうか?
いや、怖かった筈だ。当初、一緒に住もうとマリコが言った時、怖い…と言う理由を言っていた。
それなのに、よく一人で住んだもんだな。
俺の眼球にテレビの明かりを映し出している。
マリコはそもそも…何でここに1人で住んでいたんだろう?
祖母の家だったから…家賃がないから…空き家の管理も兼ねる事が出来るから…
違う。俺が知りたいのは、そんな結果的な理由じゃない。
ワザワザ独り暮らしをする理由だ。
マリコはどうして独り暮らしをしたんだろうか?そして、何故この家を選んだのだろうか?
マリコは以前俺に独り暮らしをしてみたかった、と言う理由を言った。
その時は俺も納得した。俺もその気持ちが分かったからだ。
だが、俺自身にしても理由はそれだけでは無かったじゃないか。
俺の目的は『逃げる』事。色んな事から逃げたかったから独り暮らしを選んだ。
マリコは何なんだ?
そもそも俺は最初にマリコから、独り暮らしをしたかった、と言う理由を聞いて少し違和感も感じた筈だ。
普通に聞いてれば年頃の女の子が独り暮らしをしたい、と言う理由は納得出来る。
だが…もしもそんなミーハーな理由なら、こんな辺鄙な場所は選ばない。
マリコは違う。
パソコンはおろか、携帯すら持っていない女の子が、そんなミーハーな理由な筈がない。
違う。マリコはそんな理由で独り暮らしをしない。
いつの間にかテレビは深夜放送を終えてクラッシックな曲と共に夜の風景を映すだけの画像に変わっていた。
マリコは…本当に存在するのかな…?
何故か急にそんな突飛な事を考え始めた。
この数ヵ月…俺はマリコの傍に居たが、彼女の事を俺は何も知らない
俺は凄く不安になってきた。
下らない想像は止めよう。
だが、俺の想像は止まらない…全てが夢なんじゃないか…そんな思いすら浮かんでくる。
本当はマリコもイモトもヒロさんも係長も存在せずに俺は独り暮らしをしているんじゃないのか?
それだったら本当に怖い。
雨戸を叩く風の音は更に強くなる。
誰でも良い。イモトでも係長でも良い。今すぐに現れて欲しい。
寂しくて堪らない。俺は何故か涙が溢れていたんだ…
翌朝、俺が目が覚めたのは張本さんの「喝!」の一言だった。
一瞬、どこに居るのか分からなかったが居間でテレビをつけたまま眠った事を思い出した。
ノソノソと起き上がり雨戸を開ける。
外は良い天気だった。余り寝ていないのに眠くなかった。
縁側に座り庭をボーッと眺める。
鳥のさえずりが聞こえるが、それ以外は何の音も無い。
昨夜の下らない妄想が広がり再び悲しくなって来た。
係長の朝飯が食べたかった。
イモトの騒がしい声が聞きたかった。
ヒロさんのタバコの匂いが嗅ぎたかった。
そして、何よりも…マリコの笑顔が見たかった…
俺は又もや涙が浮かんでくる。
自分でも気持ち悪いと思うが止まらない。
皆が恋しい。皆に会いたい。
まだ一日しか経っていないのに、こんなに寂しい…
何なんだよこれ…
そう思った時だった…
「…何してんの?ナオト」
その聞き覚えのある声を聞いて顔を上げた。
そこには…マリコが立っていた…
「…マリコ?」
一瞬、夢かと思う。
マリコが帰って来るのは明日の筈だからだ。
「…ただいま?ああ、電車疲れた?」
そう言って縁側に腰を下ろす。
「え…いや、どうしたの…?」
俺の質問にマリコは何故か答えずに下を向く。
「…マリコ…」
俺がそう言うとマリコは顔を上げていつもの笑顔を俺に向ける。
「もうさあ、実家が騒がしくてさあ…さ、リンゴでも食べましょうかね♪」
少しいつもと違うマリコに不安を感じたが、それ以上に俺はマリコが帰って来てくれた事が泣きそうになる位、嬉しかった。
そして、マリコが実在している事に幸せを感じる。
「おう、じゃあ俺がリンゴ剥いてあげよう!」
俺がそう言って立ち上がり台所に向かおうとした時だった。
急に体が重くなった。それは俺の体が重くなったのではなく、マリコが俺の体を掴んだからだ…
いや、正確に言うと掴んだ、と言うよりも…
俺を後ろから抱き締めていた…
え?何?え?
俺は焦る。
そして一通り焦った後に急激に心拍数が上がり始めていた
「…え?ま、マリコ…?」
俺の声が掠れているのが分かった。
「…ちょい」
「え?」
「ちょい、疲れたから…このまま…」
こう言う時、どうすれば良いのか分からない俺。
よく聞くのは頭を撫でてやったら喜ぶ、と言う事だが…
だけど、全く体が動かない。後ろからしっかりと抱きつかれているので動けない。
取り敢えず俺は心拍数が高いまま、その状態でいるしか無かったのだった。
鳥のさえずりはまだ聞こえていた。
それ以外の音は聞こえない。まあ、俺の体内の心臓の音だけは聞こえていたが…
ごめんなさい、書き溜めはまだ有るんだけど
俺の眠気が限界っす
毎朝五時起きなもんで
いつもは寝ている時間なんすよ
なんで中途半端で申し訳ないが寝ます
gみんなさい
続き楽しみにしてます