606:(仮)大江千里 ◆Cx2R79r56A :2011/06/19(日) 19:36:54.93 ID:zCsN0YFK0
なんの前触れもなく投下
SHRの時は出席番号順に並ぶ。
俺の前の席は碇シンジだった。
こいつはお調子者で、クラスの中でもひときわ明るい。
誰とでもわけ隔てなく話しをするし、いろんな奴を笑わせている。
俺の隣の中学校出身ということで近所ということもあり、話がよく会う。
ある日SHRが終わった後、彼に呼び止められた。
碇「帰りにゲーセン寄って帰ろうぜ?」
俺「いいね。なんか勝負すっか?」
碇「ファイナルラップ?」
俺「・・・それ苦手なんだわ、俺。じゃテトリスもやろうぜ?」
碇「いいねぇ」
二人の通学路の共通部分の最後の位置に、あるゲームセンターがある。
ボーリング、ビリヤード、ゲームセンター、パチンコ屋が一つの建物に同居した複合施設だ。
そこで財布の中が空になるまで、ひたすらゲームをした。
碇「お前、テトリス強えな。完敗じゃねぇかよ」
俺「お前こそファイナルラップ、得意中の得意じゃん。手加減しろっての」
ゲームで興奮した体をゲームセンター入り口のベンチに座り、缶ジュースを飲みながら一休みさせる。
碇「絶対、矢沢だろ?」
俺「尾崎だっての」
なかなか意見が合わない。彼は”矢沢永吉”党、俺は”尾崎豊”党だった。
お互いの意見を力説し、お互いの意見を全く聞かない。
碇「・・・おまえも頑固なやっちゃ」
俺「その言葉、ノシつけて返しちゃるわ」
碇「ま、いいけどさw。さてと・・・ここじゃまずいんだわ」
俺「何がよ?」
碇「ちょっと地下室。付き合いなって」
そう言って碇が立ち上がった。
607:(仮)大江千里 ◆Cx2R79r56A :2011/06/19(日) 19:37:45.34 ID:zCsN0YFK0
碇の言うがまま、彼の後を追う。
そこは正確には地下室に通じる通路で、普段誰も来ないところらしい。
少し埃をかぶった置きっ放しの机の上に座る。
碇「いる?」
俺「・・・俺吸ったこと無いんだわ」
碇の手にはセブンスターの箱。
今まで特別吸う機会が無かったから吸わなかっただけで、
タバコに嫌悪感を抱いているわけではない。
親父は家の中のどこでもタバコを吸うわけだし。
セブンスターの箱を手に取り、一本取り出す。
碇がジッポに火をつける。
碇「いきなり吸ったら目が回っから、吹かすだけにしとけよ」
初めてタバコを吸った。
俺「ゲホッ」
俺はむせ返し涙目だ。
碇「ほれみろ。吹かすだけだって。金魚金魚」
碇がニヤニヤしている。
碇「そのうち慣れる」
608:(仮)大江千里 ◆Cx2R79r56A :2011/06/19(日) 19:38:42.11 ID:zCsN0YFK0
そして碇が少し真面目な顔になった。
碇「なぁ、聞きづらいんだけど聞いてもいいか?」
俺「なに?」
碇「ジャイ子のこと」
俺「お前も知ってるの?」
碇「ん~なんっつか、お前ひどい奴だってクラス中に言って回ってるぜ?」
やっぱりそうか。。
同じ中学出身の連中や碇は何も変わらなかったが、最近クラスの連中の態度が明らかに変わった
特にジャイ子を中心とした女子の最大派閥と、そいつらとつるんでいる男子連中の態度が明らかに違う。
明らかに敵視した態度・行動をとられている。
碇「何があったん?」
俺は姉貴に対する思いを除いて、1週間前にあったことを話した。
碇「あ~なるほどね~。ジャイ子の話しと違うんだけど、まぁそういうことか」
俺「俺のせいだなぁ」
碇「うん、ジャイ子もお前も悪い。女の子振るなら優しく振ってやれ」
俺「難しいな、それ」
碇「女性経験の無いやつには難しいな」
俺「・・・・お前はどうなのよ?お前の性格ならモテたんじゃねぇの?」
碇「モテたっつうか、告白は何度もあるけどさぁ、付き合ったらすぐ振られるんだわ」
俺「何で?」
碇「思った人と違うとか言われたわ。お友達がいいとかって。だ~っ女の子のおっぱい揉みてぇ~~っ」
俺「お前、声でかい。恥ずかしいから俺のいないとこで叫べ」
碇「いいや。俺の魂の叫び。お前も叫べ」
俺「勘弁しろよ・・・・」
碇と話をしているうちに少し気が晴れた気がした。
ただ碇に本当の事を話したからといって、俺に対するクラスの雰囲気が変わるわけじゃない。
碇はよく学校をサボるし、クラスで一緒にすごせる級友は少ない。
気が重い毎日が続いた。
今日は以上ですだ。
また後で来ますですだ。
引用元:
867が語る
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1307795876/
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