その① その② その③ その④ その⑤
その⑥ その⑦ その⑧ その⑨ その⑩
その⑪ その⑫
843:(仮)大江千里 ◆Cx2R79r56A :2011/06/26(日) 11:07:05.59 ID:hQzf5aNl0
午前の部
5分ほど歩いてマクドにつくと、意外と人が多い。
待ち合わせの時間まであと30分はある。
中で待つには人が多くて姉貴が俺を探すのが大変そうだし・・。
マクドの前にあるベンチに座って待つことにしよう。
ベンチに座って一服。
家族の前でははっきり言ってないけども、もう完全な喫煙者になっている。
親父の武勇伝で、親父は中学生から喫煙しているらしいから、
気づいていても俺には注意できないでいるのだろう。
もう俺の部屋はタバコ臭いし、気づいてない訳がない。
ただし姉貴は別。逐一、俺の喫煙にはひとこと言ってくる。
適当にはぐらかして入るのだけど。
一服しながら人の流れを眺めていた。
やがて背中を叩かれる。
姉「またタバコ吸ってる。だめだよ?」
俺「あ、ああ。ごめん」
ポイ捨てをするとさらに姉貴の機嫌が悪くなるだろう。
靴の裏で火を揉み消し、吸殻をタバコの箱に放り込む。
俺「お待たせ。どうしようか、今から」
姉「そうだなぁ。おなか減ったね。何か食べよ?」
ここで少し困る。今日の予定を何も考えていない。
プレゼントとアリバイ工作で手一杯だったのと、うれしさでそこまで考えている余裕が無かった。
友達の女の子と遊びに行くときは何も考えず、適当に食事を摂ったりするんだけど。
844:(仮)大江千里 ◆Cx2R79r56A :2011/06/26(日) 11:07:33.87 ID:hQzf5aNl0
俺「なにか食べたいものある?」
姉「そうだなぁ・・・。千里くんの好きなものでいいよ?」
俺「え~と・・・・」
ちょうどマクドの反対側に喫茶店がある。
あまり流行っている様子ではないけれども、客は少ないほうが静かでいい。
俺「あの店に行こうか?」
姉「うん、いいよ」
その店のドアを開けると・・・。
カントリー風の店内は少し薄暗い間接照明で客があまりいない。
カウンター席に3人くらい、ボックスシートに1組のカップルがいるだけで、
マスターの趣味でやっているような店だ。
マスター「いらっしゃい。空いている席、どこでもいいよ」
無垢の板張りの床は足音が響く。
一番奥のボックスシートに向かい合わせに座る。
すぐにマスターが水を持ってきた。
マスター「いらっしゃい。初めてのお客さんかな?
ウチのルールでカップルでいらっしゃったお客さんのリクエストでBGMを流してるんだ。
ちょうど今、あちらのお客さんのリクエストアルバムが2曲くらいで終わるから。
オーダー聞きにくるからそのときにリクエストもどうぞ。それからウチの店はCDじゃなくてLPだから」
そう言ってマスターがカウンターに戻る。
今の曲は・・・エリック・クラプトンかな?
845:(仮)大江千里 ◆Cx2R79r56A :2011/06/26(日) 11:08:31.97 ID:hQzf5aNl0
姉「何を食べよっか?」
俺「定食メニューもあるみたいだね。俺は定食ものかな」
姉「私は・・。ハンバーグ定食がいいかな?」
俺「じゃ、俺も」
少ししてマスターがオーダーを取りに来た。
俺「ハンバーグ定食を2つお願いします。それからリクエストは・・・洋楽がいいですよね」
マ「そうだね。店の雰囲気がこうだから洋楽をリクエストするお客さんが多いね。
邦楽もあるけど。何がいいかな?」
この店で邦楽をリクエストするのは他のお客さんに迷惑を掛ける気がした。
俺「洋楽でいいです。クイーンのグレイテストヒッツありますか?できればB面で」
マスターが少し意外そうな顔をする。
マ「へぇ。ありがとう、気を遣わしちゃったかな。」
クラプトンの曲が終わりリクエストアルバムが掛かる。
We Will Lock Youが始まるころ食事が来た。
ボリューム感のあるハンバーグにサラダとコーンスープ。
ライスの量が俺と姉貴で明らかに違う。
姉「千里君のご飯、大盛り?頼んだっけ?」
俺「いいや、頼んでないよ。多分俺が男の子だからかな?」
姉「あはは、そうかも」
BGMのB面が終わったあとはA面に変わった。
お互いの近況を報告しながら食事が進む。
姉貴は生徒会のことに興味があるらしい。
2年目に会長ではなくて副会長になった理由、男女比等々。
848:(仮)大江千里 ◆Cx2R79r56A :2011/06/26(日) 14:29:04.56 ID:hQzf5aNl0
食事が終わるとコーヒーをマスターが持ってきた。
机の上が片付いたところで姉貴が俺の持っている紙袋のことを聞いてきた。
姉「ジーンズショップ行くって言ってたけど、何を買ったの?
俺「あ、ああ。え~っと。ジーンズ」
姉「わかってるよ、ジーンズショップだもん。新しいの買った?」
俺「うん・・・・。姉ちゃんの買った」
姉「私の?なんで?」
俺「・・卒業祝い」
多分、俺の顔は真っ赤になっていたと思う。
恥ずかしさでどんな話をするか、どんな表情をすればいいか分からなかった。
姉「ほんと?見せてよ」
俺「ここで?それはちょっと・・・。泊まるとこで見ようよ」
姉「え~っ。早く見たいのになあ」
俺「恥ずかしいって、俺。で・・あの・・もう一つ聞いていい?」
姉「なに?」
俺「とまるとこって・・・。ホテルだよね?」
姉「もう~。千里君、女の子に言わしちゃだめだよ?」
俺「うん・・・ここの近くにも結構あるけど、川向こうの方がいいよね。
この近くだと知り合いに会いそうだし」
姉「そうだね。私も行った事無いからよく分からないんだ」
俺「そっか。行けば何とかなるよ、多分」
姉「そうそう」
ここでラボに行って写真を取ってきた事を思い出した。
俺「写真の現像すんだよ」
姉「見よう見よう」
849:(仮)大江千里 ◆Cx2R79r56A :2011/06/26(日) 14:31:42.26 ID:hQzf5aNl0
テーブルの上に写真を並べる。
Lサイズで頼んだダイレクトプリント。
殆どが姉貴の写真ばっかりだ。
そして・・・5枚だけ二人のツーショット。
マスターがコーヒーカップを下げ、代わりに緑茶を持ってきてくれた。
マ「へぇ。お兄さんは写真やってるんだ。リバーサルで撮ったんだよね、この写真」
俺「はい。普通のネガと発色が全く違いますよね、リバーサル」
マ「そうだね。でも露出にシビアだから難しいよね。お兄さん詳しいね、カメラは何使ってるの?」
俺「EOSです」
マ「そうか、最新機種だね。私はF1使ってるんだよ」
少しだけカメラ談義。
《ヤベッ姉貴のことほったらかしてた》
姉貴は1枚1枚写真を見ている。少し恥ずかしそうだ。
マ「私も写真を見ていいかな?」
俺「え?あの素人の写真なんで・・・」
マスターは最後まで俺の話を聞かず、テーブルの上の写真を手に取った。
マ「彼女の写真ばっかりだね、ふんふん・・」
マスターも一枚一枚写真を手にしていく。
姉「この写真、私の一番のお気に入りなんですけど、どう思いますか?」
姉貴が口を開いた。そしてマスターに写真を手渡す。
マ「よく撮れてると思うよ。バウンスも上手くいってるね。でも・・・」
俺「でも?何ですか?」
ダメだしをされると思い、少し不安になる。どうせ素人写真だ。
マ「私が見て一番いいと思うのはこれかな?」
そう言って一枚の写真をテーブルにおく。
俺・姉「あ・・・」
850: 忍法帖【Lv=17,xxxPT】 :2011/06/26(日) 14:46:33.44 ID:tdjukVTh0
俺・姉「あ・・・あんぁああんああんイクもうイクいっちゃううぅぅ~~あん」
851:(仮)大江千里 ◆Cx2R79r56A :2011/06/26(日) 14:49:08.43 ID:hQzf5aNl0
>>850
まだはやい
852: 忍法帖【Lv=15,xxxPT】 :2011/06/26(日) 15:09:25.60 ID:IzacP/3D0
>>850
ワロタ
853: 忍法帖【Lv=12,xxxPT】 :2011/06/26(日) 16:38:00.36 ID:aNITEeHQ0
>>850
イクなwww
854:(仮)大江千里 ◆Cx2R79r56A :2011/06/26(日) 17:04:55.59 ID:hQzf5aNl0
今日はこれ以上無理かな。
とりあえずまた夜に来ます。
855:名も無き被検体774号+:2011/06/26(日) 17:49:46.14 ID:csQRqKXo0
続きが気になる引き際に惚れた
マスターになら掘られてもいい
856:名も無き被検体774号+:2011/06/26(日) 18:02:21.22 ID:udt1YYhH0
ちゅーだなっ?ちゅーなんだなっ?(*´Д`*)
858:名も無き被検体774号+:2011/06/26(日) 18:38:52.28 ID:B6/IVcgZO
千里くん焦らすのうまい…
860:(仮)大江千里 ◆Cx2R79r56A :2011/06/26(日) 20:12:49.64 ID:hQzf5aNl0
写真引っ張ったのって、実はあまり意味がなかったりして・・。
少しだけ投下。
姉貴が俺の頬に口付けしている写真だ。
マスターがニヤニヤして言う。
マ「二人の表情が一番いいのはこれだよ。二人の関係がよく伝わる写真だね」
《恥ずかしい~》
姉貴の顔も真っ赤だ。
マ「ご馳走様」
そう言ってマスターは入り口に行った。
外の電気を消しているらしい。もう閉店時間みたいだ。
何も言わないところを見ると、俺たちに気を使ってくれているのだろう。
俺「行こうか」
姉「うん」
会計をすまし店を出る。
本当は早くホテルに行きたい。当然なんだけど。
なかなかホテルに行くことを言い出せずに閉店までその店にいた。
外はもう暗い。
繁華街とはいえ飲み屋街ではないから、もう人もまばらになっている。
姉貴とゆっくりと歩く。繁華街を抜けて対岸へ向かう。
なにか話をしたほうがいいのだろうけど、何を話していいのかわからない。
少しうつむき加減で、黙々と歩く。
川にかかる橋の真ん中あたりで姉貴が手を繋いできた。
指を絡めるように手を繋ぐ。
861:(仮)大江千里 ◆Cx2R79r56A :2011/06/26(日) 20:13:59.42 ID:hQzf5aNl0
姉貴の顔を見てみる。
肩より少し長いくらいのセミロング。サラサラのストレートヘア。
川面に反射したネオンの明かりが姉貴の顔を照らしている。
姉「ん?どうかしたの?」
俺「なんでもない・・・」
綺麗だった。恥ずかしくてとても言えないけど。
言葉を捜すけど見つからない。
橋をわたり終わったところで姉貴が口を開いた。
姉「”君に会うまでは”だっけ?こんな雰囲気なのかな?」
俺「そうだね、多分」
また無言に戻る。無理をして会話を続ける必要はないんだろうけど。
そうしているうちにホテル街についた。
5軒くらいホテルが並んでいる。派手なネオンはないけれども一目でそれだとわかる。
俺「どこにしようか・・・」
姉「・・千里くんが決めて・・」
どのホテルもそう違いはないと思う。一番落ち着いた雰囲気のホテルにしよう。
俺「あそこでいいかな?」
姉「・・うん・・・・」
姉貴の声が小さい。姉貴も恥ずかしいんだろう。
でもホテルに入室するシステムがよくわからない。
クラスや生徒会でそういう話をする連中はいたけど、
俺には現実感がなくて気にしていなかった。
《行けば何とかなる》
少し不安はある。フロントで18歳未満はどうこうと言われても困るんだけど。
でも行かなければ何も始まらない。
意を決してホテルの入り口に入った。
また後来ます
引用元:
867が語る
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1307795876/
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