キャンプへ行った妻 vol.9

ノンジャンル体験小説スレより
46: 投稿者:不甲斐ない夫 投稿日:2011/08/31 20:56:46

とんとん、と階段を上がってくる足音を聞いて、我に返った。
慌てて床に散らばっていた小さな下着を拾い上げ、引き出しの中に戻した。
「いいか!?今見たことは、絶対誰にも言うな!お母さんにもだ!
妹たちにも、絶対にしゃべっちゃだめだぞ!」
鬼気迫る迫力に圧倒されたのか、娘は、私に両肩を掴まれたまま、脅えた目で
「う、うん・・・。」と、頷くだけだった。

「あら、パパ、やっぱり帰ってたの?どうしたの、急に2階に上がってきたりして?」
すぐに妻の顔が、扉の向こうに現れた。
「あ、ああ・・・、こ、こいつに頼まれたものを買ってきたんで、渡しに来たんだ。」
「あっそう。何頼んだの?」
妻の目は、娘に向けられていた。
「た、たいしたものじゃないよ。しゃ、シャーペンの芯さ。なあ?」
机に上に、たまたまシャーペンの芯が出ていた。
娘は、俯いているだけだった。
「あ、そう・・なの?まあ、だったら、いいけど・・・。そろそろご飯ができるから、
二人とも早く降りてきてね。」
妻は、私たちにそう告げると、また階段を下りていった。
妻がいなくなった後に、娘に訊ねた。
「なあ、最近お前の周りに、変なやつが現れてないか?」
「変なやつ?」
娘は、怪訝そうな目を向けるだけで、要領を得ないといった顔をしている。
「いや、そんな奴らが居なければ、別にいいんだ・・・。」
娘は、じっと私を見上げているだけだった。
つぶらな瞳で睨むように見つめている。
そっと、後ろを振り返った。
小さなベッドが置いてあった。
女の子らしく、ベッドカバーは華やいだ色に彩られていた。
眺めているうちに、胸を突き上げるものがあった。
「さあ、ご飯だって言うから、降りていこう・・。」
娘の肩を掴んで、部屋を出て行こうとした。
不意に、袖を掴まれた。
娘は、立ち止まったまま、じっと私を見つめていた。
何かを言いたそうな顔だった。
ひどく不安になった。
「ねえ、パパ・・。」
「なんだ?やっぱり、何かあったのか?」
「ポケットに入れた私のパンツ、返して。」
小さな手のひらが、私に向けられていた。


「あの子たちは、ゲームをしてるのよ・・・。」
ママ友の奥さんは、重い口調で語り始めた。
「ゲーム?」
「そう・・・ゲームよ・・。」
「ゲームって、どんな?」
「色々あるわ・・。自白ゲームに、ドレーンゲーム。
マッハっていうのもあって、この間、初めてマンションに行った時に、私がされたのがそれよ・・・。」
「マッハ?」
「誰が一番早く出せるかを競うのよ。
バカみたいよね。我慢するんじゃなくて、早く逝きたがるなんて・・・。」
自嘲気味に笑っていた。
力のない笑いだった。
「つまり、一番早く逝けた奴が勝ちってこと?」
「そうよ・・。それを2回もされたわ。
負けたらお金を取られちゃうから、最初に負けたサトシが怒っちゃって、もう一度しようって
言いだしたのよ。いつも、あの子が一番遅いのよ。遅漏みたいでなかなか逝けないの。
でも、それが良くて、奥さんは付き合ってるのかもね・・・。
結局2回目なんて、まともにできもしないで、隣で奥さんが一生懸命おしゃぶりして、
おっきくしてあげてたわ。できないなら、最初から言わなければいいのに・・・・。」
いかにも苦渋に満ちた顔になっていた。
話を聞きながら、サトシが足首を掴んで、目の前の奥さんを犯している姿が目に浮かんだ。
そして、隣で裸になって眺めている妻の姿も・・・。
胸の奥に、おりのようなものが沈んでいった。
「負けたらお金を取られるって、金を賭けて、そういうことをしてるの?」
「そうよ。だって、そのためのゲームだもの。
ゲームによって金額はまちまちだけど、マッハなんて、一回負けても千円よ。
サトシは、そんなお金さえ借しいの。でも、そりゃそうよね。
あの子、ゲームでお小遣いを稼がないと、学費も払えない貧乏な家の子なんだもの。」
サトシは、金がないと妻は言っていた。
だから、テッペイの部屋に行ったのだと。
「稼ぐって、そんなに金になるの?」
「お小遣い程度だから、たいしたお金ではないと思うけど。
ゲームをやる子は、みんな参加料を払うのね。
どのゲームも、参加料は、だいたい千円くらいよ。
それを一番勝った人が総取りできるの。
だから、あの日に、勝った子は2万円くらいもらえたんじゃない?
学生のお小遣いにしたら、いい方と思うけど。・・・」
「ちょっと待った。計算が合わない気がするけど。
居たのは5人だろ?それが千円で2回だったら、多くても1万円じゃないの?」
妻は、5人だと言っていた。
サトシ、シュン、テッペイ、そして奥さんの若いカレ氏と知らない誰かだ。
「違うわよ。サトシたちの他に、10人くらいは居たわ。」
「他に10人だって!?・・・だって、うちの奴は・・・。」
「嘘をついたのに決まってるじゃない!多くなんて言うわけないでしょ?
10人以上としてきました、なんて言ったら、愛想尽かされて、あっと言う間に離婚されちゃうわよ。」
5入でも、十分多いと思うが・・。
「いつも、それくらい居るの?」
「そうね。いつだって10人くらいは居るわよ。ゲームを面白くするために、わざわざ集めるみたい。
サトシなんか、ほんとは、もっと入れたがってるくらいだもの。その方がお金になるから。
でも、あんまり多すぎると部屋も狭くなるから、テッペイ君が嫌がって許してないの。
そうじゃなかったら、サトシは、20人でも30人でも入れるつもりみたいよ。」
「そんな・・・。」
妻が、股間に精液を溜めて帰ってきた日を思い出した。
確かにおびただしい量だった。
下着に溶けきらない精液が、ゲル状の固まりになって、はっきりと残っていた。
その残滓は、妻の下着の中に、幾つもあった。
かなりの量を注ぎ込まれたのは、明白だった。
10人すべてとは言わないが、相当な数の人間が注ぎ込んだものと考えれば、あの惨状も頷ける。
それが、もしかしたら20人になり、30人になるのかもしれない。
それ以上言葉が続かなかった。
「ショックかも知れないけれど、ほんとにショックを受けるのは、これからよ。」
奥さんが、その時だけ、私の目を見た。


「自白ゲームっていうのがあるの・・・。」
「自白ゲーム?」
「そう、マンションに遊びに来る男の子たちが、私たちに、家の住所や電話番号を言わせようとする
ゲーム・・。」
「そんなもん聞いてどうするの?」
「わかってないわね。
いい?サトシたちは別にして、他の子たちは、私たちのことを知らないのよ。
その子たちに、住所や電話番号を教えるってことは、私たちの生活のすべてを知られてしまうことに
なるの・・・。つまり、あのマンションの中のことだけじゃ済まなくなって、自分や家族の生活まで
脅かされる危険性があるってことよ。実際、それが目的で言わせるわけだし・・・。」
「なに?つまり、君たちに危害を加える目的で、自白させようとするわけ?」
「そうよ。ただ危害と言っても、どれも、たいしたことではないの・・・。
でも、学校帰りの子供に、お前の母親は淫乱だ、って言ってやるとか、突然、夫の前に現れて挨拶して
やる、とか言われたら、ほんとにしかねないことばかりだから、返って怖くて、何も言えなくなるわ。
告白タイムっていうのがあって、家族とか周囲に何をしたいのか、みんなの前で言ってから、
私たちに聞いてくるのよ。」
「セックスの最中に・・だね?」
「そ、そうよ・・・。言わなきや、い、言うまで責められるの・・・。
時間が決まっていて、その時間内にどこまで聞けたかで、ランク分けされたお金が、その子たちに
払われるの。だから、向こうも必死になっちゃって・・。」
「ランク分けされたお金?」
「うん。AからEまでのランクがあって、それぞれにお金も違うの。
例えば、自分の名前や、仕事先ならFランクで、千円とかね・・・。」
「ふ-ん、それで、何を答えたらAランクになるの?」
「貯金通帳のありかとか、あと、旦那さんがお風呂に入る時間とか。
それを聞き出せたら、1万円になるわ。」
思わず、笑ってしまいそうになった。
「貯金通帳は、わかるけど、なんでご主人のお風呂タイムがAランクなの?」
緩んだ私の顔を見て、軽く見てると思ったらしい。
きつい目で、睨んできた。

「その時間に、私たちを犯しに来るからよ。」
「えっ!?」
「それも、外で隠れてなんかじゃない。家の中のどこかでするのよ。
だから、どこなら見つからないか、それも言わされるの・・・。」
言葉が出なかった。
家の中でって・・・。
これはゲームなんて生易しいものじゃない。
まったく関係のない赤の他人が、家の中にズカズカ上がって来て、そこの主婦を犯そうというのだ。
彼女には、子供だっている。
足の悪い義母も一緒に住んでいる。
家族の団らんがあり、絆がある。
それらを一切無視して、たかが自分の欲望を満たすために、ガキどもは、その家に押し入り、
亭主の目を盗んで、彼女を抱こうとする。
それはゲームなどという簡単な言葉で、済ませられる内容ではなかった。
その時、ハッとなった。
不意に頭の中に浮かんでしまった。
と言うことは、うちの妻も・・・。
考え込むように黙り込んでしまった私を見て、すぐに彼女は察したらしかった。
「ご想像のとおりよ。これは、あなたにだって、他人事じゃないのよ。」
「あ、あいつも・・・同じことを?・・・。」
彼女は、答えを返さなかった。
しかし、私の目を見つめて、大きく頷きはした。

なんてことだ・・・。
まさか、そんなことが・・・。
「自白ゲームにはね、必ず検証があって、嘘を言ってないか確かめるために記録を残すの。」
「検証の記録?・・・。」
「そう、ビデオを撮ったりするのよ。そして、あなたの奥さんは、たくさん自白してるわ。
サトシたちがノートを持っていてね、誰に何を自白したのか記録しているの。
誤魔化しができないようにね。
そのノートには、あなたの奥さんが、たくさんの男たちに自白した記録が残されているのよ。
つまり、それだけ検証されて、そして、おそらくあなたの家には、たくさんの人が入ってる。」
「まさか・・・。」
「嘘じゃないわ。私、見せてもらったもの。」
「なにを?・・・」
「あなたの家で、奥さんと全然知らない子が、セックスしてるビデオを。」
「えっ!?なんで、そんなものを!?」
「あの子たちの玩具にされてから、すぐに自白ゲームをさせられたの。
もう怖くて仕方なくて、私、ずっと泣いてたわ。
ほんとに怖くて、どうしていいかもわからなくて、あの子たちに何回も打たれた。
その時、あなたの奥さんが近づいてきて、つぶやいたのよ。
全然大変なことじゃないから、大丈夫よ、って。
簡単なことだから、早く喋ってしまいなさい、って。
そして、手に持っていたビデオカメラを見せてくれたの。
それが、奥さんの検証記録用のビデオだったわけ。
あなたのうちに、白い小さなタンスがあるでしょ?
たぶん、子供部屋だと思うけど、そんなタンスない?」
「あ、ある・・・。」
長女の部屋だ・・・。
わずかに足が震えだした。
「その部屋に、柵のある小さなベッドってある?」
「あ、ああ、あるよ・・・。」
次女と使っていた2段ベッドを分割したもので、あのベッドには転落防止用の柵が付いている・・・。
「その小さなベッドの上で、奥さんとその男がセックスしていたわ。」
声を失っていた。
「途中で、男がタンスの中を漁りだしてね、その中にあった下着を奥さんに穿かせて、またやり始めたの。
すごく小さな下着で、窮屈そうだったけど、それを穿いたまましたのよ。
そして、終わったら、また、その下着を丸めてダンスに中に戻していたわ。」
戻した?
「そ、それは・・・いつのこと?・・・。」
声が震えていた。
「ビデオの目付は新しかったわ。○月×日よ。」
つい、この間じゃないか!
「なんで・・・子供たちの部屋になんか?・・・。」
「聞きたい?」
「ああ・・・是非、聞きたいね・・・。」
「聞いたら、あなた奥さんを殺すかもしれないわよ・・・。」
喉がカラカラに渇いていた。
ひどく意地悪そうな目で、奥さんは私を見つめていた。
「かまわないから、教えてくれ・・・。」
「そう、じゃあ、教えてあげる・・・。」
なぜか、笑っているようだった。
「奥さんに聞いたの。これ、子供部屋でしょ?って。あの子たちの部屋よね?って。」
この奥さんの子供と、長女は、年少さんから知っている友達同士だ。
だから、うちの子供も知っている。
「どうして、そんなところに連れて行くことになっちゃったのか、不思議で聞いてみたのね。
そしたら、奥さん、なんて答えたと思う?」
「わからないね・・・いいから、早く教えてくれ。・・・」
「ほんとにいいの?」
「ああ・・。」
「じゃあ、教えてあげる。
告白タイムに、その子が、あなたのお嬢さんとHがしたいって言ったんですって。
そして、奥さんは、娘さんの名前と学校名をあっさり白状しちゃったわけ。
それを確かめるために子供部屋に行ったのよ。
だから、奥さんとしていた子は、ちゃんと勉強机にあったノートで、お嬢さんの名前と学校名も
確かめていたわ。
奥さん、こう言ってたわよ。
『だって、気持ちよくて我慢できなかったんだもん。』ですって。すごい人よね。
これでわかったでしょ?あなたの奥さんがどんなにひどい女か。
気持ちよくなりたい一心で、自分の子供さえも売ってしまうような人なのよ。
それが、あなたの奥さんってわけよ・・・。」

最後の方は、何も聞こえていなかった。
ただ、耳の奥で、ジィーっと何かが鳴っていた・・・。




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