兄弟姉妹と気持ちいいことしてる人集まれぇ~!スレより
前回:姉と大冒険した話 【壱】
俺も「うん」とは返事をしたものの、ちょっとだけその場にとどまった。
すぐそばに俺がいると知っているのに、それにもかかわらず姉がドアを開けてくれたのが、なんだかやけに嬉しかった。
この時の感情はなんだかすごく子供っぽい感情だったなって思う。
それが当時の素のままの俺であったはずなのだ。
でも、俺の心の中には、まるで別人格であるかのような天才犯罪者の俺がいて。
たった今抱いた姉に対するホンワカした感情も、すぐにドス黒いモノへと姿を変える。
それも同時に素のままの俺であるとは、認めたくなかったが。
たぶん、見えてはいなかった、または見逃したのだろうと、今となっては思う。
もし見えていたとすれば、距離的にも角度的にも、おっぱいが俺のすぐ目の前にあったはずだし。
それが記憶に残らないはずはない。
それに、そんなもん見てしまったら、それこそすぐにオナニーしてた気もするんだ。
そして脱衣カゴに、数分前には姉が身に着けていたと思われる下着を発見。
それがそこにあるってことが、尚更俺に、今の姉が一糸まとわぬ姿であるということを、強く印象づけてしまう。
姉の裸はもう何度も見ていたが、それは「覗き」という当たり前ではない行為でのこと。
俺には、たった今ここで姉が服を脱いで裸になった、っていうそんな当たり前の行為ほうが、逆にやけにリアルで生々しかった。
むしろ、姉の裸を見逃したことが、俺にはアレを簡単に見ることができる手段があるのだ、ってことの価値を高めてしまうことになる。
(隠したって無駄。俺はもう何回も姉ちゃんの裸なんて見てるし、なんなら今すぐにでも覗いてやろうか!)
俺はすげー危ないやつに変わり果てていた。
覗くことに罪悪感を感じなくなっていたし、姉の裸を覗ける俺だけの秘密の場所がある、ってことに優越感すら感じてた。
このままだととんでもないモンスターに育ってしまうところだったのだが、俺の覗き生活ももうすぐ終わることになる。
もう何度も往復したせいか、手馴れたもので、ケンケンパぐらいの勢いで、浴室裏手へと回り込む。
いつも通りにシャワーの音が聞こえる。
俺は姉の髪の毛がまだ濡れていなかったことを見逃してはいなかった。、まず間違いなくこれから髪の毛を洗うはずであり、姉がこの先30分以上は浴室に滞在することは安易に想像できた。
それはつまり、俺が安らぎのスペースに居られる時間も長いってことで、覗き放題であるってことを意味する。
だからこそ俺は、こうしてこの場へ来ることを即決した。
もし仮に、姉が髪も体も洗い終わりましたよー的な感じであったなら、たかだか数分、あるいはもっと短いかもしれないチャンスのためにわざわざ覗きに行かなかった。
いや、きっと行ってたかもなぁ。
その夜は何かに導かれてたような、そんな気もする。
俺はやけに興奮してて、シャワー音が聞こえた時点で、(おお、髪の毛洗ってるとこかなー 今まさに姉ちゃんのおっぱい揺れてるとこかもなー ぶひーぶひひー)みたいな状態。
思い出すと恥ずかしい。
昼寝が長引いたせいで、今までで一番遅い時間帯での出撃。
真夜中であるってことも、何かしら俺の心理に働いていたのかもしれない。
周囲の暗闇はいつもよりも濃く、それはまるで俺の心の闇を映し出しているかのよう。
そしてやはり、いつもと何かが違ってた。
椅子に腰かけた姉の髪の毛がまだ濡れていないのを確認。
(おー おっぱい劇場は今からかー)
当時の俺は、姉のシャンプータイムを評して、おっぱい劇場と呼んでた。
自分を「客」、姉を「主役」に見立てて。
姉がまだ髪の毛を洗っていないことが、モノ凄い興奮を伴う安心感を俺に与えてくれた。
なんといっても髪を洗ってる最中が一番興奮する。
揺れるおっぱい見れるし、見つかりにくいし。
見つかりにくいってことは、長時間ガン見してられるし。
長時間ガン見できるってことは、揺れるおっぱい見放題だし。
永遠とそのループ。
そこで揺れてるおっぱいの、その持ち主が姉であるってことが、俺の興奮のツボであったことは言うまでもない。
裸の姉の全体像をしっかりと把握し、「単なるおっぱい」ではなく、もう永遠に「姉のおっぱい」として俺の脳に記憶されるように、今日はマジでガン見する!
そう決意し、俺はもう一度立ち上がった。
いつもより湯気の量が心なしか多い。
鏡の曇り方もハンパない。横乳しか見えない。
まぁ、いい。
いずれ姉がシャワーを鏡に向けて曇りを取り払ってくれるだろう。
いつも姉がやるその行為は、まるでおっぱいを見えやすくしてくれたかのようで、俺はとても好きだった。
でもその夜の姉はじっとしたまま動かなかった。
シャワーの湯が流れる音が聞こえる。
いやむしろその音しか聞こえない。さっきからずっとそう。
この湯気の多さはシャワー出しっぱなしだからなのか、と気付き俺は目をじっと凝らす。
姉の頭部、背中、横乳はさほど気にせず、柔らかなラインを描くウエスト周りからお尻の方へと俺の視線は注がれる。
その先はちょうど浴槽の淵に隠れるようにして見ることができないのだが。
そこで違和感。
そのいつもと違う何かを確かめようと、俺はちょっと背伸びをする。
相変わらず斜め後ろから見下ろすような角度。
背伸びをすることでやや視界が広がり、姉の足元も見えるように… ならなかった…。
天才犯罪者なのに、そんな原始的な方法しか思いつかなかった。
細心の注意を払ってその上に乗ると、いきなり2メートル超の変態が誕生した。
その視界の先では、姉がいつも通りに腰掛けていた。
ただ、大胆に脚を広げて、その開いた股の中心にシャワーを当てている姿は、俺の知らない女のヒトだった。
顔を見たら確かに姉だった。
姉以外居るはずもないのだが、ちょっと別人みたいにボォ~っとしてた。
いや、いつもボケてはいるんだけど。
それがいわゆる、恍惚の表情ってやつだということに、俺はすぐには気付くことはできなかった。
身長は当時160ちょっと。その時点で身長では俺の方が姉を追い越してた。
時々俺は姉に対して「チビ」とか悪態をついていたんだけど、「お姉ちゃんチビじゃないもん。これでもクラスではおっきいほうだもん」とか言い返してくるヒトだった。
「~だもん」とか「~するもん」とか、そんな言葉がよく似合うヒトで、俺から見てもすごく子供っぽかった。
性格は温和、というより、いつもボケっとしてて、いわゆる天然ってやつだ。
しかし当時の俺には「天然」っていうボキャブラリーもなかったし、(俺の姉ちゃんは、たぶん、バカなんだろうな…)なんて思うところが多々あった。
そのくせ、成績は優秀で、行こうと思えば県下有数の進学校に楽に行けるくらいの成績だったみたい。
ただ、家から近い、っていう理由だけで、歩いても通える女子高に入学。
まぁ、そこは母親の母校で、大学にも受験戦争なしで入学できるってメリットもあったらしく、俺の知らない理由が他にも色々とあったのかもしれないね。
ただ小学校の学芸会で、天使役とかに選ばれて、頭に天使の輪、背中に羽根を生やしてた。
中学から新体操部に所属してて、その大会?発表会?を両親に連れられて見に行ったことがあったのだけど、なんだかうちの姉ちゃんだけ身に纏ってるオーラが違ってて、ちょっとだけ弟として誇らしく思った。
宮崎あおいに似ているという噂もあったが、ハッキリ言って俺の好みのタイプではない。
肝心のおっぱいだけど、これは2013年1月11日時点で、Fカップ。
俺が覗き見てた当時の姉も、もうDカップくらいにはなってたと思う。
話を総合すると、当時の俺が姉に抱いてたイメージは、「バカなんじゃないかと思えるくらいにボケっとしてて子供っぽいけど
実は雪国育ちの色白マシュマロおっぱいの天使ちゃん (俺の好みではない)」
という感じだった。
幼い顔に不釣合いなボディ、とか書いてしまうと安っぽい表現になっちゃうけど、まさにそんな感じ。
まぁ高校入学してからは、それなりにスカートが短くなったりとかしてたけど、日常生活においての姉に対するイメージは、頭に輪っか、背中に羽根、の天使ちゃんのまんまだったんだ。
そんな天使ちゃんが、今俺の目の前で、大変なことになってた。
その衝撃のシーンを目の当たりにしてしまった俺は、上空2m地点で、完全に固まってしまってた。
しばらくは唖然、呆然としていたのかと思う。
目の前の光景がただただ信じられずに。そこには興奮という感情はなかった。
姉が今、一体何をしているのか、ということはガキだった俺にも理解できた。
ただ天使ちゃんがそういうことをするというのは理解できなくて、俺の気持ちを一言で表すと、それは「喪失感」って言葉がふさわしかったかもしれない。
俺が覗き見たかったのは、決して姉のこんな姿ではなかった。
ただ単に、そこに裸でいてくれれば、それでよかったのに。
普段は誰も目にすることができない姉の入浴シーン、それだけで俺はおなかいっぱいだったんだ。
覗き魔に成り果てていた俺にも、何か良心のようなものがわずかに残っていたのかもしれない。
もはや自由自在に姉の裸を覗き見る環境を手に入れていた俺だったけど、こんな姉の姿だけは決して見てはいけないものなんじゃないか、って思ったよ。
ドキドキしながら登った時とはまるで逆の心境で、ゆっくり慎重に、地上へと降りた…。
このときの姉に対して感じた申し訳ない気持ちは、今でも時々夢に見てしまう。
実の姉の裸を見て感じていたウハウハ感は脆くも消え去り、覗きという愚かな行為の果てに辿りついたのは、姉に対する圧倒的な後ろめたさでしかなかった。
心の底からごめんなさい、だった。
今まで見たもの全て記憶から消してください。
だからお願い、神様、俺を許してください。
みたいな心境。
姉のオナニーシーンは、最初は俺にとんでもないダメージを与えたんだな、うん。
名残惜しかったのか、最後にもう一度だけ、姉の姿を見ようと浴室に目を向ける。
シャワーはまだ出しっ放しで、湯煙の向こう側で、やはり姉はボ~っとしていた。
俺をあれほどまでに興奮させた横乳は、プルプル揺れることもなく、その役目を終えたかのようにただ静かに、けれども美しく姉の胸元を飾ってた。
その柔らかな膨らみが、姉の体の一部だってことを目に焼き付けようと躍起になってた俺はどこへ行ってしまったのか。
むしろ、記憶に残るあのおっぱいが、今目の前にいる女のヒトのものでなければよかったのに、とさえ思えてしまう。
なんだかやけに心細い心境で姉の背中に目を向ける。
そこには当然ながら、羽根など生えておらず、頭に輪っかもなかった。
彼女は生身の人間でしかなかった。
それが何よりも俺にはショックだった。
目の前の光景を、新しく入手した情報として処理する能力もとっくに限界に達していて、もうオーバーヒート気味だった俺には、次に起こる予測不可能な事態に理性的に対処することなど出来るはずもなかった。
ブルっ!!!
一瞬目を疑ったが、それはもう一度すぐに起こった。
ぴく!!!
先ほどよりもやや小刻み、それでも、姉が肩を震わせたのが俺にはわかった。
今更ながら、自分の置かれている状況に、フっと気付く。
心ここに在らずな状況から、我に返る。そして不安になる。
周りを見渡す。
浴室からこぼれる明かりも、2~3歩先までは照らすが、その先は闇。
こんな時間に周囲に誰もいるはずもなく、間違いなく俺一人。
元々そうであったのだろうけど、そうであることを再確認したかった。
そして姉に目を向ける。
もうそこからは目を離すことができなくなってた。
さっきまで開いてた目は閉じられ、その代わり口が半開きになってた。
(うわ、姉ちゃん、そんな表情する時あるんだ…。)
そこにいるのはもう天使ちゃんじゃないことはわかってた。
そしてもう天使ではない姉に、俺は何かを期待し始める。
(やばいw やばいw なにこれ超エロいw やばいw うひょw う えっびえbぴゃw)
なんかもうすごかった。
まったく動いてなくてジッとしたままなんだけど、確実にオナニーはしてて。
それがなんだか、これは確かに俺の姉ちゃんっぽいな、って感じがして逆にリアルで。
それは、そこにいるのがやっぱり天使ちゃんなんだって、俺にそう思い出させた。
ビールケースの上から見下ろした、大股開きの女のヒトは、なんか嫌だった。
でも今こうして「大股開き」って部分が浴槽のふちの部分に隠れて見えなくなると、だいぶ印象が変わってきて、それはなんだか必要以上に下品なエロではなくなった。
そして、肝心な部分が見えなくなると、逆に想像力が働いてくる。
なんて、そんな妄想をしながら、俺はその姿を見守ってた。
陰毛より奥のその部分は、生々しすぎて、当時の俺にはまだ荷が重く、隠れて見えない分、より自分勝手で俺に都合の良い「姉の上品なエロいシーン」を俺の脳内に再生してた。
それは「姉が気持ちよさそうな顔をして時々吐息をもらす」程度のもの。
でも、当時の俺にはそれで十分だった。
姉が体を震わせるとき、わずかながらおっぱいもプルンと揺れた。
俺には確かにそう見えた。そしていつも以上にその先端は尖っていてエロい気がした。
結局、俺の一番の興味はやはりその胸のふくらみで、姉が肩を震わせるたびに、そのふくらみがどう変化するのか気になって気になってしかたがなかった。
たまたまタイミングが合わなくてオナニーしなかっただけなのかも知れなかったけど、気付いてしまえば、それは今夜この瞬間のために、我慢してきたのではないのかとさえ思えた。
すでに俺はパンツに手を突っ込んでて、今までこんなに硬く大きくなったことは
なかったはずのチンポを握り締めてた。
姉の裸を覗き終わって部屋に戻るといつも我慢汁で濡れてたけど、その夜はもうネチョネチョだった。
上下に10往復くらいさせたところでもう射精は始まってた。
溜まりに溜まってたソイツらは、射精というよりまるで放尿みたいにドバドバ溢れ出してきた。
今まで味わったことのない感覚と快感で膝がガックガク震え、腰が砕けそうになりながらも、片時も目を離すことなく俺は姉のオナニーシーンを見続けた。
姉のすぐそばで俺も一緒にオナニーしていることに、モノ凄い興奮した。
その行為はすごく変態っぽかったんだけど、でもなぜかそれに大満足だった。
姉のオナニーがどのような結末を迎えたのかも、俺は知らない。
覚えているのは、まるでお漏らしでもしたかのようにビチャビチャに濡れたパンツを押し入れに隠したということ。
それと、姉をオカズにオナニーをするのは、とんでもなくけしからんと自分を戒める気持ち。
でも、それを止められそうにないという、不安な想い。
そんな気持ちを抱えたまま、まるで隠れるようにベッドで布団を被った。
ようやく眠りに着く頃には、もう夜が明けてた。
食事でテーブルを囲む際は、いつも座る場所が決まっていて、姉は俺の真正面に座るのが常。
姉に対する後ろめたい気持ちは当然あった。
それとは裏腹に、顔を見るとあの時の姉の表情が思い出され、体がカッと熱くなってしまう。
そして、なぜか、姉の指がとてもいやらしいモノに見えてしかたがなかった。
それはあの時その指でアソコを弄ってたんじゃなかろうかという俺の妄想に起因してたと思う。
姉が食べ物を手に掴んで口に運ぶシーンとかですら俺をドキドキさせた。w
ちょっとマセた女子高生ならば、指先は綺麗に整えられ、校則に引っかからない程度に彩りも鮮やかに飾られていたのだろう。
でもうちの姉は深爪しすぎていつも痛い痛いって言ってた。
姉のそういう田舎っぽい鈍臭さと素朴な感じが、俺はけっこう好きだったのかもしれない。
ただオナニーに関しては。
女の裸、そして、暗闇に潜んでそれを見つめる男の姿が思い浮かんだ。
今まで目にしてきた、直接的なビジュアルにプラスして、覗かれている姉、覗いている弟というその構図を第三者として客観的に俯瞰するようになった。
実の姉にも興奮してはいたが、実の姉に興奮してしまう弟にも興奮していた。
特に、我慢しきれずにその場でシコシコしてしまった自分を思い出すと、トクトクと鼓動が早くなった。
屋外で射精するなどという行為は、あの夜が初めてのことであり、それは覗くこと自体よりも変態っぽい行為であったと俺は認識した。
そのことで、安らぎの空間であったはずのいつものあの場所は、俺にとって忌々しい場所としても位置づけられた。
あの場に行くと何かとんでもないことをしでかしてしまいそうな気がして怖かった。
でもまた行くんだろうな、って心のどこかでは思ってた。
夕飯の時にそれをオヤジに指摘され、夕食後に渋々灯油を汲みに行く。
タイミングが良いのか悪いのか、ちょうど姉が入浴中だった。
そのときは、何が何でも姉の裸が見たかった、というわけでもなく、ただなんとなくいつも通りに覗いてしまった。完全に油断していた。
姉と目が合った。
あっ!と思ってしゃがんだときにはすでに遅く、次の瞬間、「誰かいるの?」って姉の声が聞こえた。
俺は逃げたい衝動に駆られたんだけど、続けざまに「軍曹?」って姉から尋ねられ、つい条件反射で「はい…」と返事をしてしまった。
あるいは「自首」にも似た心境だったのかもしれない。
逃亡生活に疲れ果てて、もう逮捕されたいって思い始める指名手配犯は、こんな心境なのだろう。
恐る恐る見上げたその姿は、浴室の灯りが逆光となって表情は見えなかった。
「おー。偉いな。灯油汲みに来たんだねー」
「えっ? あ、ああ…うん。そう、灯油…」
その時の俺は尻餅をついてまるで放心しているような状況だった。
足元に転がってる灯油のポリタンクを見て、姉がそう声を掛けてくれたのだろう。
「足元暗いから気をつけてー」
「う、うん…」
(あれ?俺が覗いてたこともしかして姉ちゃん気付いてないのか?)
その疑問は次の姉の言葉で解決する。
「お姉ちゃんの部屋の灯油も残り少ないかもー。軍曹お願いねー」
それはいつもと変わらぬ天使ちゃんだった。
俺がこの場に居るってことに関して不思議だとは微塵も感じていないらしい。
そのあとはまるで何事もなかったかのように、浴室の横で灯油を汲む作業に没頭した。
「コチラからアチラは見えるけどアチラからコチラは見えない」
俺が何度も訓練して確認していたその予想は、確かに当たっていたのだろう。
しかしながら、もうダメだと覚悟していた俺にはあまりにも拍子抜けな感じ。
ホッとした気もするが、なんだか煮え切らない気持ちを抱えたまま、何度か往復を繰り返し、姉の部屋の灯油タンクも満たした。
さきほど灯油タンクを取りに来た時には感じなかったが、こうして姉の部屋へと入室するのは久しぶりだった。
本棚に参考書の類が目立つとこなんか、俺の部屋とは大違いだ。
ふと気づくと足元に姉が脱いだと思われる、部屋着?みたいなものが落ちてた。
何気なく拾い上げると、その下に白いブラ。
ちょっとだけドキっとしてそれを手に取ってみる。
ブラのホックを外すのが難しい、とかそんな情報を小耳に挟んでいた俺には、その布切れの構造は非常に興味深いものだった。
まぁ、コレが姉のおっぱいを包んでいるのか、ってことにも興味津々だったけども。
風呂上りで部屋に戻ってきた姉と鉢合わせ。
ブラを手にとってジロジロ見ていたところをモロに見つかった。
風呂を覗いているのを危うく見つかりそうになるわ、今度はブラ手に取ってるところを見つかってしまうわ、その日の俺はちょっと油断しすぎていたかもしれない。
「ごめんごめん、脱ぎ散らかしてったお姉ちゃんが悪いよね」
カチコチに固まって動けずにいる俺を横目に姉はそんなことを言った。
そのあと俺のことなんかスルーで、鏡の前に行き、「あー前髪切るのまた失敗だー」って、髪の毛をクシャクシャと掻き毟ってた。
ボーッと姉のことを見ていた俺はその問いかけにすぐ反応できなかった。
「前髪…」
鏡越しに姉と目が合う。
別におかしくはないんじゃないかな、って言いかけたときに姉がおもむろに振り返る。
そして、俺の元へとツカツカ歩み寄ってきて、手を差し出す。
「ブラ返して」
俺はまだソレを手に持ってたことに気付き、慌てて姉に手渡す。
「ご、ご、ごめん…」
姉は受け取ったブラをくるっと丸めるようにして洗濯ネットみたいな袋に入れると部屋の隅っこに備え付けてある洗濯カゴみたいなものに放り込んだ。
ちょっと反応が遅すぎるとは思ったけど、なんか恥ずかしそうにしていた。
このまま無言で部屋を出ていくのはなんかカッコワルい気がして、何でもいいから喋らないとって思ったら、自分でも思わぬ言葉が口から飛び出した。
「あの、さっきのも…ごめん、風呂…」
自分でもなんでこんなことを言っているのかって、信じられなかった。
俺の様子にちょっとした違和感を姉も感じたようだけど、次のセリフは
「ん?なにが?べつに。だいじょぶ。それより灯油ありがとー」
って俺に対する感謝で締めくくられた。
俺はその言葉に見送られ、姉の部屋をあとにした。