妹「本当にすごく気持ちよかった」
兄「だからって二回もするなんてやりすぎだろ」
妹「だって本当に気持ちよかったもん。慣れてきたみたい」
兄「本当に?」
妹「うん」
妹「でもやっぱりちょっと痛いかも」
兄「苦しい思いさせてごめんな」
妹「お兄ちゃんは悪くないから。謝らないで」
兄「ここ、赤くなってるな」
妹「あんまりじろじろ見ないで。恥ずかしいよ」
兄「ごめん」
妹「だから謝らないでってば」
兄「後始末はお兄ちゃんに任せていいから風呂に入ってこいよ」
妹「お兄ちゃんもいっしょに入ろ?」
兄「先にやっておかないとさ。この布団、お母さんにバレたらどうする気だ?」
妹「バラしちゃおっか?」
兄「……いいから汚れた体を洗っておいで」
妹「恥ずかしがり屋だね、お兄ちゃんは」
妹「お風呂入ったら、そのあとはどうする?」
兄「寝るんだよ」
妹「えー、夏休みなのに?」
兄「夜更かしはよくない」
妹「じゃあ一緒のお布団で寝てくれる?」
兄「お前の布団は使えないもんな。いいよ、一緒の布団で寝よう」
妹「約束だよ」
兄「約束するからお風呂に入りなさい」
妹「やった。すぐに入ってくるね」
母「寝れないの?」
兄「母さんこそ寝てなかったの?」
母「目が覚めたから水飲みに来ただけ」
兄「田舎の水道水ってうまいね。俺もちょうど飲んでたところ」
母「ねえ。なんか変な声しなかった?」
兄「知らない。俺、風呂入って寝るから」
次の日
妹「田舎ってやることがあんまりないね」
兄「畑と田んぼと墓しかないからな」
妹「お兄ちゃん、家に帰りたい?」
兄「べつに。ここもうちも大差ないだろ」
妹「むしろ食べ物はおいしいし星は綺麗だし。こっちのほうがいいよね」
兄「暇すぎるのと、ぼーっとしてるとじいちゃんに畑仕事手伝えって言われなきゃな」
妹「猫さんがいっぱいいるのもいいよね」
兄「たぶんあの猫たちは餌付けしてるんだよ、じいちゃんが」
妹「都会の人ってどんな生活してるんだろうね?」
兄「都会人じゃないお兄ちゃんに聞かれてもなあ」
妹「ウインドウショッピング? 食べ歩き?」
妹「女の子はエンコーとか? 都会の人ってすごそうだよね」
兄「すごいって何がだよ」
妹「すごいはすごいだよ。何を想像したの?」
兄「秘密」
妹「エンコーしたお金でタピオカ飲むのかな?」
兄「タピオカって意外と高いんだって」
妹「ねえお兄ちゃん」
兄「ん?」
妹「喋ってたらしたくなってきちゃった」
兄「昨日したばかりだろ。我慢しなきゃ」
妹「むり。どうしよう」
兄「こんなところでできるわけないってのは分かるよな?」
妹「分かってる。でも我慢はむり」
兄「あーもう。じゃあ山に行こう」
妹「山のぼるの? 疲れちゃうよ?」
兄「山ぐらいしかないだろ、できそうな場所なんて」
妹「また山登りするのかあ」
兄「お兄ちゃんだって登山したいわけじゃないぞ」
妹「……わかったよ。山でいい」
兄「よし。じゃあ着替えたら出発しよう」
妹「どこ行くの?」
兄「母さんに出かけるって伝えとかないと。怒られるからな」
妹「行く場所教えて大丈夫?」
兄「探される方が困るだろ」
妹「そうだね。お母さんに見つかったらもっと怒られちゃうもんね」
数時間後
妹「水冷たくて気持ちいいね」
兄「足もとすくわれんなよ」
妹「はーい」
兄「ほんと慣れてきてるよな」
妹「私、上手になってる?」
兄「初めてのぼったときはヘトヘトになってたもんな」
妹「山のぼりの話?」
兄「そうだよ」
妹「そんなことよりお兄ちゃんも水遊びしようよ」
兄「俺は服を濡らしたくない」
妹「あっそ」
妹「山ってのぼるのが大変だけどけっこう好きかも」
兄「人の目や音も気にしなくていいしな」
妹「それになんだかホッとする」
兄「なんならずっと田舎で暮らすか?」
妹「お兄ちゃんはそれでいいの?」
兄「お前がいいなら」
妹「やっぱり帰りたいって言ったら?」
兄「それでもいいよ」
妹「ありがとう。大好き」
妹「くしゅんっ」
兄「風邪ひく前に出ろよ。迷惑かけたら居づらくなる」
妹「おじいちゃん、まだ泊めてくれるかな?」
兄「どうだろうな。なんだかんだここに来て一週間になるけど」
妹「おじいちゃんは優しいね」
兄「濡れたまんまでくっついてくんな」
妹「冷たいからあっためてあげてるのに」
兄「なんだか疲れたな」
妹「ちょっと休憩してこうよ、ね?」
兄「ちっとは満足できたか?」
妹「うん。でもきっとまたしたくなっちゃうんだろうなって」
兄「そうなったらまたすぐ言えよ」
妹「お兄ちゃんはどうだった?」
兄「……よかったよ」
妹「じゃあまたしたいって言ったら?」
兄「バテて山を下りれなくなるからダメだ」
妹「お兄ちゃんなら大丈夫でしょ?」
兄「俺じゃなくてお前がだよ」
妹「じゃあもう今日はずっとここにいない?」
兄「本気で言ってないよな?」
妹「ちょっとだけ」
兄「戻りたくないのか?」
妹「ごめんね。わがまま言っちゃった」
兄「……もうちょっとだけこうしてるか」
妹「いいの?」
兄「俺もさっきので疲れた。もうちょっと休憩したい」
妹「遅くなるとお母さん、怒るかな?」
兄「たぶんね。いいよ、ふたりで叱られよう」
妹「重くない? しんどくない?」
兄「べつに。それより転ばれる方がイヤだ」
妹「ごめんねお兄ちゃん」
兄「べつにいいって。けっこう激しい運動になったし疲れたんだろ」
妹「こんなにふらふらになるなんて思わなかった」
兄「おんぶなんて久しぶりだよな」
妹「そろそろ山から出るしもう大丈夫だよ」
兄「いいよ。お前、軽いし大したことないよ」
母「びしょ濡れだし。おんぶなんてしてもらってどうしたの?」
兄「はしゃぎすぎたんだよ。タヌキが出たんだ」
母「追いかけまわして川にでも飛び込んだってわけ?」
兄「そう、派手にダイブした」
母「はいはい。とりあえず風邪ひく前にさっさとお風呂入って」
兄「言われなくても入るよ。ほら、行くぞ」
母「本当にそれだけ?」
兄「他に何があるんだよ」
母「とにかく。危ないんだからもっと早く帰ってきて」
妹「お母さん怒ってたね」
兄「怒ってたんじゃない。心配してたんだよ」
妹「じゃあお母さんに迷惑をかけたってことだよね?」
兄「なんでそうなる」
妹「お父さんがここにいたらきっと怒ってた」
兄「いたらな。でも今はいない。関係ない」
妹「お父さんが怒ったら何すると思う?」
兄「んなことより風呂入らないと怒られるぞ」
妹「私が怒られたら慰めてくれる?」
兄「……今俺がしてやれるのはこれぐらいだよ」
妹「お兄ちゃんにとっての慰めるって頭なでなですることなの?」
兄「今できることはって言ったろ」
妹「じゃあ今じゃなったら?」
兄「夜中だったらたぶん大丈夫。じいちゃんは寝るの早いし、眠りも深いほうだし」
妹「お母さんは?」
兄「今までだってバレてない。なんとかなる」
妹「でも夜中は夜中で怖いよ」
兄「なにが?」
妹「猫さんたちがいっぱい鳴くんだもん」
妹「昨日も一昨日もずっと鳴いてた」
兄「夏だからな」
妹「猫さんの鳴き声って意外と大きいよね。あれって交尾してる時の声?」
兄「たぶん」
妹「すごい声だよね。気持ちいいんだよきっと」
兄「俺にはつらそうに聞こえるけどな」
妹「お兄ちゃん。あのね」
兄「おい、まさか……」
妹「うん」
兄「さすがに早すぎる。せめてもう少し時間が経ってから」
妹「ごめんね。わがままばっかり言って」
兄「どうしても我慢できないのか?」
妹「猫の話してたら昨日のこと思い出しちゃったんだもん」
兄「だもんじゃない。そんなに時間ないぞ」
妹「分かってるよ。だからこれ持って来たんだ」
兄「……お前、こんなの何に使う気だよ?」
妹「分かってるくせに」
兄「……本当に今からやるんだな?」
妹「そうだよ。ねっ、しようよ」
……
妹「はぁはぁ……やっぱり気持ちいい、これ」
兄「たしかにお前の言ったとおりだったな。いつもより早く終わった」
妹「でしょ?」
母「……ふたりとも何してるの?」
兄「あっ」
妹「見つかっちゃったね、お兄ちゃん」
母「いったいこれはなに?」
兄「ごめん母さん。本当は俺が止めなきゃいけなかったんだ」
妹「お兄ちゃんは悪くないよ。悪いのは……」
母「ちがう。そんなことを聞いてんじゃないの。なにしてるのって聞いてるの!」
母「変な音がすると思って来たらなんなのこれ!?」
妹「ごめんね、お母さん。でも悪いのはお兄ちゃんじゃないよ、私なんだよ」
兄「……」
母「その斧はおじいちゃんの小屋からもってきたわけ?」
妹「私が勝手に持ってきたの」
母「じゃあ布団の上にあるのは!?」
妹「猫さんだよ。今、お兄ちゃんといっしょに捕まえて殺したの」
母「殺した?」
きゅーてんかい
妹「昨日もね。家に入ってきた猫さんを捕まえて殺したの」
母「……」
妹「知ってた? 猫ってちっちゃいのに力強いんだよ」
妹「だから一人じゃどうしようもなくて。お兄ちゃんに手伝ってもらったの」
兄「極力音がしないように布団にくるだんだよ」
兄「そしたら布団が猫の血で汚れちゃってさ」
母「なに言ってるの?」
兄「昨日洗濯したんだけど、やっぱり血って普通に洗っても残るのな」
兄「はじめは俺が飼ってたインコを殺したんだよ」
兄「ハサミで首をちょん切ったんだよ」
兄「そのあとは教室で飼ってたハムスターだったり、そこらへんの虫だったっけ?」
妹「どんどん我慢できなくなっちゃったの。ごめんね、お母さん」
母「ごめんねって……」
妹「やめたくてもやめられないんだ」
妹「もうどうしたらいいか分かんなくて。お兄ちゃんに相談したの」
母「じゃあなんでアンタは!?」
兄「そうだな。本当は俺が止めてればよかった」
やっぱりエロじゃなかった
兄「でも悪いのは父さんと母さんだろ」
兄「こんなふうになるまで追いつめたんだ。普通に普通の生活を送ってれば、こんなことにはなってないよ」
母「そ、そうだとしても。なんとかできたでしょ!?」
兄「どうにもならなかったから父さんから逃げるために、こんなド田舎に来たんじゃないか」
兄「まあ結果的にここに来たのは正解だったかもな」
母「正解? 結局こんなことやっておいて何が!?」
兄「ここなら困らないからな。獲物がたくさんいる」
兄「猫の前はニワトリもやったよ。あれもすごかったな?」
妹「うん」
妹「それにおじいちゃんは優しいもん」
妹「出来損ないでくるってるダメな私にも優しくしてくれるし」
兄「お前は出来損ないなんかじゃない。くるってるのは母さんや父さんだよ」
母「くるってる! ふたりともくるってる!」
母「お父さんを呼んで一回こっぴどく叱ってもらわないと!」
兄「だって。どうしよう?」
妹「前にもこんな話したよね。お母さんにバレたらどうするって」
兄「覚えてるよ」
妹「お兄ちゃんは私に協力してくれる? イヤなら無理しなくていいんだよ」
兄「何を今更。もうこんなとこまで連れて来ておいて」
妹「ありがとう、大好き」
兄「俺もだよ」
妹「じゃあ前にも話したとおり、バレちゃったからバラしちゃおっか?」
おわり
こういうエロと思わせといて…ってやつ好き
やっぱ普通に展開読めるよな
とりあえずここまで読んでくれてありがとうおやすみ
文章がよく出来てればいいんだよ
最初ら辺の妹のバラそっかはママンヤる気満々だったってことか