女「姉ちゃ~ん? な~んで待ち合わせに遅れちゃってるわけ~?」
姉「ご、ごめんなさい! あの、バスに乗り遅れちゃって、その」
女「は? いいわけなんて聞いてないんだけど? 何調子乗っちゃってんの?」
姉「で、でもなんで遅れたのかって」
女「おい。口答えしてんじゃねえよ、ブス」 ガシッ
姉「い、痛い! や、やめて、放して!」
女「ちっ。あ~あ、テンションただ下がり~。あんた、もう飽きちゃったしもういっかな~」
姉「ほ、本当、ですか?」
女「嬉しそうだね?」
姉「そ、そんな事、ないです」
女「あはは、別にいいんだよ? ど~せもうあんたに興味ないし。ま、最後に遊ぼうよ。ね?」
姉「は、はい」
弟(お姉ちゃん、帰り遅いなぁ)
弟(前はいつも一緒に遊んでくれてたのに、最近帰ってくるのも遅いし)
弟(なんだか元気ないし)
弟(お姉ちゃん、病気なのかな)
弟(そうだ、お姉ちゃんが元気になれるように美味しいもの買ってこよう!)
弟(お姉ちゃんの大好きなシュークリーム!) トテトテ
弟(はあ、シュークリーム一個しか買えなかった) ショボン
弟(お小遣い、ちゃんと貯めておけばよかった)
弟(でも、きっとこれでお姉ちゃん、元気になってくれるよね?)
弟(そういえば、お姉ちゃんまだ帰って来てないのかな) キョロキョロ
ガチャ
弟(あ、お姉ちゃん!) トテトテ
弟「おかえりお姉ちゃん!」
姉「……」
弟「あのね、お姉ちゃんにあげたい物があるの!」
姉「……」 スタスタ
弟「これなんだけど、ねえ、箱開けてみて!」
姉「……」 スタスタ
弟「ねえ、お姉ちゃんってば!」 グイッ
姉「さわるな」 ピタッ
弟「えっ」
姉「私に触るなッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!」 ドンッ
弟「おねえ、ちゃん?」 ヨロッ
姉「気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪いッッ!」
姉「あんただって気持ち悪い男でしょッッ!」
姉「何なの、その傷付いたって顔はッッ!?」
姉「私が悪いって言うのッッ!? 私が何したって言うのッッ!!」
姉「自分だけが被害者ですって言いたいわけッッ!? 私がどんな目に遭ったかも知らないでッッ!!」
姉「あんたは良いわよね、子供だからッッ!! 子供だから何も辛い想いなんてしないものねッッ!!」
姉「何ッッ!? 何泣いてるのよッッ!!!」
弟「ご……めんなさい……ごめんなさい、ぼ、僕……ただ……」
姉「ウザい、気持ち悪い、何それ同情されたいわけッッ!?」
弟「ぼ、僕……お、お姉ちゃんに、これあげたかっただけなの……」
姉「知らないわよ、そんなのッッ!! 今度私に近付いたら殺すわよッッ!!」 スタスタ
弟「ひっ……ひっ……ひっ……」
姉(何よ、ずっと泣いて。部屋にいる私への当て付け?)
姉(私が悪いって言いたいわけ? ふざけないでよ)
姉(私の気も知らないで笑って。許せない)
姉(許せない、許せない、許せない、許せない)
姉(男なんて一人残らず死ねばいい)
姉(……泣き声、聞こえなくなった?) ガチャ
弟「すぅ……すぅ……」
姉(廊下で寝るなんて、能天気なガキ。殺してやりたい)
姉(あげたい物がどうとか言ってたわね)
姉(この箱? 見てるだけでイライラする)
姉(こんな物!) グチャ
姉(……何、今の感触? まさか、生き物?) パカッ
姉「シュークリーム?」
姉(それも一個だけ?)
姉(なんで?)
姉(あれ、ノートの切れ端が一緒に入ってる?)
姉(クリームで汚れて、読みづら……)
『おねえちゃん、これたたべて元気になって』
姉「……」
姉「……」
姉「う……うっ……うぅ……」 ポロポロッ
弟「ん……お姉ちゃん、なんで泣いてるの?」
姉「……」 ギュッ
弟「お、お姉ちゃん、苦しいよ」
姉「ごめんね、弟くん」
姉「ごめんね……」
姉「ごちそうさまでした」
弟「ごめんね、お姉ちゃん。シュークリーム、潰れちゃってて」
姉「すごく美味しかったわ! 弟くんのおかげでお姉ちゃん、とっても元気になれたよ?」
弟「ほんと?」
姉「うん!」
弟「よかったぁ」 ニコニコ
姉「弟くんは本当に可愛いわね」 ナデナデ
弟「えへへ」
姉「まるで女の子みたい」
ただで下がってると言うよりは無駄に下がってるって意味っぽい
弟「えー、ぼく男だよ?」
姉「そうかなぁ。お姉ちゃん、弟くんは他の男とは違うと思うな」
弟「そうかな」
姉「そうよ? あんな汚くて気持ち悪くて最低のクズどもと弟くんが同じ生き物なわけないもの」 ニコニコ
弟「え?」
姉「気持ち悪い……気持ち悪い……汚い……汚い……」 ガリガリッ
弟「お姉ちゃん!」
姉「えっ? ああ、どうしたの弟くん」
弟「血が出てるよ!」
姉「あら、本当ね。汚れてたからつい。……早く体、洗わないと」
弟「お姉ちゃん。大丈夫、なの?」
姉「え、どうしたの? お姉ちゃんは元気よ? ……そうだ、弟くんも一緒にお風呂入りましょ?」
弟「え、ええ、なんか恥ずかしいよ」
姉「入ってくれなきゃお姉ちゃんやー!」
弟「うぅ」
姉「ダメ?」
弟「い、一回だけなら」
姉「やったぁ! ほらほら、早く行きましょ?」
弟「う、うん」
姉「ほら、恥ずかしがってないで早く脱いで!」
弟「ん……」 ヌギヌギ
姉「……やっぱり付いてるのね」
弟「あ、あんまり見ないで」
姉「ふふ、弟くんは本当に恥ずかしがり屋さんね。さ、入りましょ」 ガチャッ
弟「うん……」
こっからだろ
姉「……」 ゴシゴシッ ゴシゴシッ ジャアアアアアッ
弟(お姉ちゃん、まだ体洗ってる。女の人ってそういうものなのかな)
弟(うぅ、なんだか寒くなってきちゃった)
弟(……それに)
弟(お姉ちゃんの裸見てると、なんだか……)
姉「……また垂れて……」
弟「お、お姉ちゃん! 先にお風呂入っていい?」
姉「……ダ~メ、ちゃんと体洗ってからじゃないと。弟くんは私が叱ってあげないとすぐに……」
弟「そ、そうだよね、ごめ、いっっ」 ビクッ
姉「弟くん、これは何?」 ギチッ
弟「い……っ、痛……っ!?」 ウルッ
姉「これは、何?」 ギチッ
弟「お……お姉ちゃん……い、痛い……っ」 フルフル
姉「どうして弟くんのおちんちんが、大きくなってるの?」
姉「ねえ? どうして?」
弟「わ、わかんない、わかんないよぉ!」
姉「わかんない? 自分のおちんちんでしょ?」 ギュッ
弟「ひぐっ!?」
姉「ねえ? なんで? おかしいよね? なんで弟くんにあいつらと同じ物が付いてるの?」
姉「ねえ? なんで? なんで?」 ギチギチギチッ
弟「あぎっ、ぎっ、ぎっ」 ビグッ
姉「弟くんのおちんちん、今はまだ可愛いおちんちんだけど、結局あいつらと同じおちんちんになっちゃうってこと?」 ギチッ
姉「弟くんも汚い男になっちゃうってこと?」 ギチギチッ
姉「弟くんもあんな事をするようになるってこと?」 ギチギチギチッ
姉「あんな気持ち悪い生き物になるってこと?」 ギチギチギチギチッ
姉「ねえ、弟くん?」 パッ
弟「う、あ?」
姉「弟くんのおちんちん、もういらないよね?」
弟「いらな……?」
弟「え?」
姉「そうだよね、弟くんは悪くないもの。こんなものがあるから悪いのよ」
姉「これさえなくなれば弟くんはあんな気持ち悪い生き物にならずに済むもの」
姉「だから弟くんのおちんちんを今の内になくしちゃえばいいのよ」
姉「ね、弟くんもそう思うでしょ?」
弟「何、言ってるの? お姉ちゃん、何言ってるの?」
姉「さすがに千切れないわよね。それに根元から切らないとまた生えてきちゃうかもしれないし」
姉「少し待っててね?」 ガチャ スタスタ
弟(切る?)
弟(え、何を?)
弟(おちんちん?)
弟(どうして? ううん、お姉ちゃんがそんな事するはずない。きっと僕が何か勘違いして)
姉「お待たせ、弟くん」 ギラッ
弟「え……」
姉「弟くん、湯船の淵におちんちん載せて?」
弟「お、姉ちゃん?」
姉「早くして?」
弟「お姉ちゃん?」
姉「早く」
弟「お姉ちゃんッッ!」
姉「早くしなさいよッッッッッ!!」 ドゴンッ
弟「ひっ」 ビクッ
姉「私は弟くんのためを思って言ってるのよッッ!!」
姉「そんなものが付いてたら弟くんが気持ち悪い生き物になるから助けてあげようとしてるのッッ!!」
姉「それなのに弟くんはどうしてお姉ちゃんの言う事が聞けないのッッ!!」
姉「そんなにお姉ちゃんが嫌いなの? お姉ちゃんが憎いの? お姉ちゃんと一緒にいたくないの?」
弟「あ、う、う」
姉「どうなのかって聞いてんのよッッ!!」
弟「す、好き! 好きだよ! お姉ちゃんのこと好きだよぉ!」
姉「なら、お姉ちゃんの言う通りにできるわよね?」
弟「ひっ……ひっ……ひっ……」 スッ
姉「そう、それでいいのよ」 ナデナデ
姉「動いちゃダメよ」 ギュッ
弟「ひっ……ひっ……」
姉(今のままで根元から切れるかしら)
姉「弟くん」
弟「ひっ……ひっ……」
姉「本当は見たくもないけど、今だけはおちんちん大きくしていいわよ?」
弟「ひっ……ひっ……」
姉「いつまで泣いてるつもり? 大きくしなさい、そうじゃないと弟くんのおちんちんが切れないの」
弟「ひっ……ひっ……」
姉(ダメね、全然泣き止まない。仕方ないわ、本当はこんな事絶対にしたくないけど)
姉「……」 クニクニッ
弟「ひうっ」 ピクッ
弟「お、お姉ちゃん」
姉「黙って」 クニクニッ
姉(なかなか大きくならないわね)
姉「ねえ、さっきはどうして大きくなったの?」
弟「……」
姉「弟くん」
弟「お、姉ちゃん」
姉「私?」
弟「お姉ちゃんのこと、見てたら……ムズムズして……」
姉「……」
弟「ご、ごめんなさい、ごめんなさい!」
姉「弟くん、こっち向いて」 パッ
弟「えっ」
姉「いいから」
弟「……」 クルッ
ひぃ
姉「……」
弟「……」
姉「どう?」
弟「き、綺麗、だと思う」 モジッ
姉「そんな事は聞いてないわ。それが大きくなるかどうか聞いてるの」
弟「ま、まだあんまり」
姉「そう」 クニクニッ
弟「あうっ」 ピクッ
姉「いくらでも見ていいから早く大きくしなさい」
弟「うっ、あうっ」
姉(どうしてこんなに可愛い弟くんに、こんな物が付いてるのよ) クニクニ
姉「これでいいわね。いい、そのまま大きいままにしておくのよ」 ギュッ
弟「……っ」
姉(これで弟くんは永遠に気持ち悪い生き物にならずに済む)
姉(これで私はずっと弟くんを好きでいられる)
姉(これで、これで、これで、これで、これで!) ブンッ
弟「や……やだ……助けて、お姉ちゃん……!」
ザクッ
ブシャアアアアアアアッ
姉「あは、あはは、あはははは!」
姉「あははははははははは!」
姉「あははははははははははははははははははははははははははははははははは
はははははははははははははははははははははははははははははははははは
はははははははははははははははははははははははははははははははははは
はははははははははははははははははははははははははははははははははは
はははははははははははははははははははははははははははははははははは!!」
弟「うわぁ!?」
弟「あ、あ、あ、あ、あ!」 サワサワ
弟(あ、ある! 僕のおちんちんある!)
弟「あ……あぁ……」
姉「おはよう、弟ちゃん」
弟「お、お姉ちゃん!?」
姉「ずっとうなされてたのよ? お姉ちゃん心配したんだから。ほら、汗拭いてあげる」 フキフキ
弟「あ、ありがとう……」
弟(やっぱり夢だったんだ。そうだよね、お姉ちゃんがあんな事するわけないもん)
姉「汗掻いちゃったでしょ? ほら、着替えて。そのパジャマもお姉ちゃんが捨てておくから」
弟「う、うん……え……あの……お姉ちゃん……?」
姉「なぁに?」
弟「これ、女の子の服だよ?」
姉「そうよ? 弟ちゃんのために私が選んだの」
弟「僕、男だよ?」
姉「そうね。弟くんは残念ながら男だわ」
弟「うん、僕は……」
姉「でも性別なんて結局はその人次第だと思うのよ」
弟「え?」
姉「だって考えてもみて、体で性別が決まるなら性同一性障害なんて病気は存在しないはずでしょ?」
姉「これってその人の努力次第で性別が決められるっていうことになるはずなの」
姉「その人自身が自分を男だと思えば男、女だと思えば女になれるはずなの。わかる? わかるわよね?」
弟「そ、それって変だよ。だって僕は男……」
ドガンッ
姉「……どうして分からないのかなぁ」
弟「ひっ」
姉「私さぁ、ちゃんと説明したわよね?」
姉「弟くんの努力次第なのよ?」
姉「なのにその弟くんがそんな風に言ったら、お姉ちゃんの努力も全部無駄になっちゃうのよ?」
姉「ねえ? 弟くんはお姉ちゃんがそんなに嫌いなの?」
弟「す、好きだよ」
姉「ならどうしてお姉ちゃんのお話をちゃんと聞けないの?」
弟「だ、だって、そんなのおか……」
姉「だからぁッッ!! 何度言わせれば気が済むのよッッ!!」
姉「あんたが努力しないと意味がないのッッ!! 私がどれだけあんたのために頑張って我慢してると思ってるのッッ!?」
姉「弟くんが好きだから弟くんが好きだから弟くんが好きだからこんなにこんなにこんなに頑張ってるのにどうして分かってくれないのッッ!?」 ガシッ
弟「い、痛いよ、お姉ちゃん!」
姉「なんで? なんで分かってくれないの? なんでなの? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで?」 ユサユサッ
弟「わ、わかった、わかったから、わかったから放して!」
姉「……そう、良かったわ。それじゃあ弟くんも、お姉ちゃんと一緒に頑張ってくれるよね?」
弟「う、うん」
姉「うん、やっぱりよく似合うわ!」
弟「……」
姉「弟ちゃんは可愛いからなんでも似合うと思ってたけど、こんなにスカートが似合うなんて思わなかったわ!」
弟「……」
姉「ほら、ちゃんと足閉じて? 女の子がそんな風にしてたら変な人に狙われちゃうわよ?」
弟「うん」
姉「ふふ、やっぱり弟ちゃんは女の子ね。こんなに可愛いんだもの、男なんて気持ちの悪い生き物なはずないわ」
弟「……」
姉「はあ、弟ちゃん」 スリスリ
弟「ん……」
姉「弟ちゃんはお姉ちゃんのことを裏切ったり絶対にしないわよね?」
弟「うん」
姉「愛してるわ、弟ちゃん」 ギュッ
母「ただいま~」
姉「おかえりなさい、お母さん」
母「は~、二日酔いであったま痛いわ。ちょっと、何かご飯作りなさいよ」
姉「……自分で作れば?」
母「は? あんた誰に口聞いてるつもり?」
姉「……」
母「はぁ、使えないガキね。弟はどうしてるの?」
姉「弟ちゃん?」
弟「……」 スッ
母「はあ?」
姉「弟ちゃんは妹になったの。可愛いでしょう?」
母「はあ。まあ弟はあんたと違って私に似たから可愛い顔してるけど、それ何の冗談なわけ?」
姉「冗談? 何が?」
母「……もういいわ。あんたみたいな根暗なガキとしゃべってると気分が悪い」 スタスタ
姉「あのバカな人には弟ちゃんのことが全然分かってないのよ」 ナデナデ
弟「……」
母「ちょっとッッ!!」
姉「そうだ、あの人がまた男の所に行ったら、弟ちゃんの大好きなケーキを作ってあげるわ。二人で食べましょ?」
母「何無視してんだ、このガキッッ!!」 ガシッ
姉「何ですか、放してください」
母「あれは何?」
姉「あれって?」
母「浴槽、壊れてんだけど?」
姉「壊れました」
母「壊したの間違いだろうがッッ!!」 バシンッ
姉「……壊れました」
母「あんた舐めてんの? いつからそんなに偉くなったわけ?」
姉「ガタガタガタガタうっせーんだよ、クソババア」
姉「お前なんてただパパの養育費貪って男遊びしてるだけのクソババアだろ」
姉「無理やり親権奪って私達を虐待するってパパを脅して養育費釣り上げて」
姉「それでお前が私達を育ててくれた? ろくに家にもいなかった癖に」
姉「家事は全部私、家計も全部私、お前はお金を奪って遊び歩くだけ」
姉「お前のせいで私達がどれだけ辛い想いをして来たと思ってるんだ」
姉「大体お前みたいな発情クソババア、金がなかったら誰も相手にするわけないだろバーカ」
母「……」 ブチッ
姉「早く死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死……っ」
母「ああああああああああああああああああああッ!!」 ドンッ
母「黙れッ!! ガキの分際でッ!! ガキの分際でッ!」 ゴンッ ゴンッ ゴンッ
姉「死ねッッ!! 死ねッッ!! 死ねッッ!!」
母「黙れって言ってッッッ!!」 ブンッ
弟「……っ!」 ドンッ
母「……っ、弟、あんたもそいつの味方すんのかッッ!! このッ!!」 バシンッ
母「お前らなんて産むんじゃなかったッ! 死んじまえッ! おら、死ねッ!」 バシンッ
弟「……っ」
母「死ッ」
ヒュンッ ザスッ
母「……は?」
姉「……」
母「おい、何してんだ? 包丁なんて投げて刺さったらどうす」 姉「殺す」
姉「殺す。お前なんていらない。この家に必要ない」
母「は? シャレになら」 姉「死ね」 ブンッ
弟「お姉ちゃん!!」
姉「……」 ピタッ
弟「お姉ちゃん」
姉「……なんで止めるの? これも私達のためなのに、なんで?」
弟「ダメだよ、そんな事したらお姉ちゃんが捕まっちゃう」 ギュッ
姉「……」
母「つ、通報してやる! お前なんて娘じゃない、警察に捕まっちまえっ!」
姉「そんな事をしたら、今までのあなたの生活を全部パパに話しますよ」
母「は? そ、そのくらいで」
姉「どれだけお花畑なんですか。自分が母親としての義務を果たしてこなかった事くらい分からないんですか?」
姉「お金もこれまで通り……いいえ、これまでとは違って、私が全て管理します。あなたには、1割も渡せば十分でしょう」
母「ふ、ふざけ」
姉「文句を言える立場か考えてから物言えよ、ババア」 ギロッ
母「……ただで済むと思うなよ」 ドンッ スタスタ
姉「……」
弟「……」
姉「……」 ギュッ
弟「……」
姉「弟くんだけ」
弟「うん」
姉「私には、弟くんだけ」
弟「うん」
姉「……」 ギュッ
姉「さっ、弟ちゃん。部屋に片付けが終わったらケーキを作るからね?」
弟「手伝う」
姉「いいの。私が弟ちゃんに作ってあげたいんだから」
弟「手伝うから」 ギュッ
姉「ふふ。それじゃ一緒にお片付けしましょ?」
弟「うん」
不幸すぎる
どうかハッピーエンドになってくれ
姉「ケーキ、美味しい?」
弟「うん!」
姉「紅茶もどうぞ」
弟「あつっ」
姉「こら、慌てないの」
弟「うん」
姉「もう夜ね」
弟「うん」
姉「明日からどうしようか?」
弟「……」
姉「ふふ、また学校に行こうかな? それでまたいじめられて、またレイプされて、そうして毎日暮らすの。私にお似合い、どうせもうとっくにおかしくなってるんだから」
弟「はい、あーん」
姉「え?」
弟「あーん」
姉「……」 パクッ
弟「美味しい?」
姉「……うん」
弟「良かった、僕のせいで美味しくなくなっちゃったかと思った」
姉「そんなわけ」
弟「あーん」
姉「……」 パクッ
弟「えへへ」
姉「……あーん」
弟「ん」 パクッ
姉「あーん」
弟「そ、そんなにすぐ食べられないよ」
姉「……ふふ、そうだよね」
弟「明日もケーキ作ろうね」
姉「そうね、そうしようかな」
姉「んー」
弟「あの」
姉「やっぱり洋服、足りてないのよね」
弟「……」 モジッ
姉「それじゃあ今日は、まず弟くんの洋服を買いに行く所から!」
弟「ん……」
姉「んー、このカラフルなニーソックスに、シックな色のシャツを合わせて……」 ブツブツ
弟「……」 ギュッ
姉「どうしたの?」
弟「みんな見てる……」
姉「弟ちゃんが可愛いからよ」
弟「や、やっぱり僕……」 カァァァ
姉「私が可愛いって言ってるんだもの、弟くんは可愛いの。ね?」
弟「……っ」 コクリッ
弟「ね、ねえお姉ちゃん、やっぱり僕、こんなにいっぱい着れないよ?」
姉「これは必要な投資なの。弟ちゃんが汚い男にならないためのね」
弟「でも、お金」
姉「ああ、今まで貯めておいたヘソクリもあるし、あの女にはパパのお金は使わせないから大丈夫」
弟「お姉ちゃん、ママのこと許してあげよ?」
姉「あはは、面白い冗談だね」
弟「お姉ちゃん」
姉「うるさいなぁ」
弟「お姉ちゃん」
姉「あんな女、ただ私達を産んだだけじゃない。そんなにあの女がいいの? ならあの女の所に行けばいいじゃない」
弟「……」
姉「あ、嘘ッッ! 今のは嘘ッッ!! 嘘だからね、今のは違うからッッ!! 違うからッッ!!」
弟「お姉ちゃん」
姉「違うのッッ!!」
いったいどこに向かってんだ
弟「お姉ちゃん、きっと辛くなるから」
姉「え?」
弟「お姉ちゃん、優しいから。だから、絶対に辛くなるから」
弟「そしたらお姉ちゃん、泣くから」
弟「泣いて、泣いて、泣いて、もっと辛くなるから」
弟「だから」
弟「ママのこと、許してあげて」
姉「……」
弟「……」
姉「今は、無理」
弟「……」
姉「お姉ちゃんは、弱いの」
弟「お姉ちゃん、あのね」
姉「そうだッ! 映画を観に行きましょう!」
弟「映画?」
姉「そう、映画よ! ね、弟ちゃんも行ったことないよね?」
弟「う、うん」
姉「それじゃあ洋服を家に置いて行ったら映画館に行きましょう!」
弟「……うん、楽しみだね!」
姉「ふふふ、一番可愛いコーディネート、してあげるからね? そこら中のみんなに弟ちゃんの可愛さを自慢するの!」 スタスタ
弟「……」 スタスタ
姉「……」
弟「……」
姉「映画って、どれが面白いのかしら?」
弟「さ、さあ?」
姉「あれは? なんだか格好良い感じだけど?」
弟「う、うん、いいんじゃない?」
姉「……」
弟「……」
姉「あのアニメ、弟ちゃん好きよね?」
弟「う、うん」
姉「じゃああれにしよっか」
弟「うん!」
姉「えぐっ、うぐっ……」
弟「お姉ちゃん、涙拭いて?」 フキフキ
姉「うっ、うぅっ、うっ……」
弟「……」 フキフキ
姉「えぐっ、えぐっ……」
姉「お腹、空いたね」
弟「うん」
姉「ご飯、お外で食べよっか?」
弟「ねえ、お金ほんとに大丈夫?」
姉「いいのよ。パパだってたまに贅沢するくらい許してくれるはずだもの」
弟「うん。でも僕、お姉ちゃんのご飯が一番好き」
姉「……帰ろっか」
弟「うん!」
女「あ~ねちゃ~ん!」 ガシッ
姉「へっ、えっ、きゃああっ!?」
女「は~? なんで悲鳴とか上げられちゃってるわけ~? あたしら友達じゃ~ん?」
姉「な、どっ、しっ、なっ」
女「うっわ~、超ビビってんだけどこいつ。マジウケるわ~」
姉「は、放しっ、か、帰っ、帰るっ、からっ!」
女「はぁ~? 帰るって何? こんなとこでぐ~ぜん会ったんだからさ~、また一緒に遊ぼうよ?」
姉「帰っ、帰るっ、帰るっ、からっ!」
女「あっそ。で、こっちの女の子は誰なわけ?」
弟「……」
姉「そ、その子は……し、知り合いのお家の子供でっ」
女「知り合いって誰?」
姉「し、知り合いは知り合いで、だから、あのっ!」
女「あんたの妹?」
姉「ちちちちがっ、違っ、違うっ、違うからっ!」
女「へ~、妹なんだ~。よろしくね、あたしはあんたのお姉ちゃんの友達ってことだから。ね?」 ニヤッ
弟「はい、よろしくお願いしますね」 ニコッ
エロ要員だから死ねないよ
女「あ、そ~だ! 三人で遊べば超楽しくない? ほらぁ、お姉さんとはたくさ~ん遊んだけどぉ、妹ちゃんとは初対面じゃん?」
姉「やめっ」
女「ごちゃごちゃうっせぇんだよ、また輪姦されたいわけ?」 ボソッ
姉「ひっ」
女「ちょっと遊ぼうって言ってるだけだろ? なあ?」
弟「あの」
女「妹ちゃん、お姉ちゃんはあんまり乗り気じゃないみたいだし~、二人で遊んじゃう?」 ガシッ
姉「放……っ、弟ちゃんを放せよッッ!!」 ドンッ
女「は?」
姉「お前っ、みたいなッッ!! お前みたいなクズ、クズ、クズがッッ!! 弟ちゃんにッッ!!」
女「おい」 ガシッ
姉「放っ」
女「放せ、じゃねえだろ?」 ガクガクッ
姉「痛っ、やめっ」
女「誰がクズだって? え? おい? あたしがクズならあんたは何? クソ? おい、返事は?」 ガクガクッ
姉「や、やめっ」
女「あ?」
姉「……っ」
弟「あの」
女「は? 何?」
弟「二人は友達なんですよね? どうして喧嘩してるんですか?」 キョトン
女「……あっは~、ごっめ~ん! ちょっとお姉ちゃんが酷いこと言うから~、ついカッとなっちゃった~!」
弟「本当は仲良しなんですか?」
女「うん、そだよ~? ね、仲良しだよね~?」 ギュッ
姉「そ、れは」
女「そんなに輪姦されたいわけ?」
姉「……っ、な、仲良し……だよ」
弟「良かった。これからもお姉ちゃんと仲良くしてくださいね?」
女「もっちろん!」 ブイッ
弟「あ、お姉ちゃん。そろそろ時間だよ?」
姉「えっ」
弟「ほら、約束したでしょ? 叔父さんの家に遊びに行くって。ほら、急いで!」 グイッ
姉「あっ」
弟「すいません、女さん。今日は私達、ちょっと用事があって。また今度誘ってくださいね?」
女「ふ~ん。じゃ、次は絶対遊ぼうね?」
弟「はい、喜んで。それじゃあ失礼しますね」 スタスタ
姉「あっ、あっ、ちょっ、待っ」 ヨロヨロッ
女「ちっ。あ~あ、ちょうど暇潰しになりそうな玩具見つけたと思ったのにな~」
姉「弟ちゃん、ちょっと待って、弟ちゃん!」
弟「ぷっ、ふふっ、面白かったね!」
姉「な、何が?」
弟「だってあの人、全然僕が男だって気付いてなかったよ?」
弟「いつバレちゃうかって怖かったけど、最後まで気付かないんだもん!」
弟「ぷっ、ふふっ、ふふふっ!」
姉「そ、そう、そうだね! ふふふっ、全然気付いてなかった! これで分かったでしょう? やっぱり弟ちゃんは可愛いのよ!」
弟「うん! 僕って可愛いのかも」
姉「帰ったらファッションショーをしましょう! ふふっ、やっと弟ちゃんにも自覚が生まれて来たのね!」
弟「そうだね」 ニコニコ
姉「ただいま! さあ、ファッションショーを始めましょう!」
弟「お姉ちゃん、その前に晩御飯にしようよ」
姉「あ。そういえばまだだったわね」
弟「今日は僕が作るよ」
姉「弟ちゃんが?」
弟「うん!」
姉「でも、お料理なんて弟ちゃんはしたこと」
弟「ずっとお姉ちゃんを見てたもん、大丈夫だよ」
姉「でも」
弟「僕に任せてよ!」
弟「んっ」 トンッ トンッ トンッ
弟「……お姉ちゃん、そんなに近くにいられたら、やりづらいよ」
姉「でも」
弟「僕は大丈夫だから。ね?」
姉「でも」
弟「……わかったよ、もう。でも何も言わないで見ててね」 トンッ トンッ トンッ
弟「はい、どうぞ」
姉「……」
弟「どう、かな?」
姉「う、うん、美味しそう」
弟「良かったー」
姉「サラダはちゃんと切り揃ってるし」
姉「厚焼き卵も、ちゃんと形になってる」
姉「お味噌汁も」 ズズッ
姉「やっぱり。味もちゃんとしてる」
姉「お豆腐にはネギも添えてあるし」
姉「焼き魚もちゃんと火が通ってる」
弟「えへへ」
姉「弟くん、いつの間に……?」
弟「ずっとね、お姉ちゃんに作ってあげたかったんだ」
弟「僕、いつもお姉ちゃんに迷惑ばっかり掛けて」
弟「だからね、お姉ちゃんがしてるの、ずっと見てたの」
弟「いつか絶対に作ろうと思って覚えたの」
弟「お姉ちゃん、いつも一人で泣いてたよね?」
弟「僕、知ってたよ。お母さんに怒鳴られた日、いつも泣いてたの」
弟「そうじゃない日も」
弟「だからね、僕はお姉ちゃんが泣かないように」
弟「泣かなくてもいいように、お姉ちゃんのお姉ちゃんになりたいの」
弟「お姉ちゃんが僕にしてくれたみたいに、僕もお姉ちゃんにしてあげたいの」
弟「これで……できたかな、少しだけ」
姉「あは、ははは……ははは……」
弟「……」
姉「そっか。全部見られてたんだ」
姉「見透かされてたんだ」
弟「……」
姉「お姉ちゃんの、お姉ちゃん? はは、あはは……」
姉「何、それ」
姉「ねえ。あんたみたいな子供に何ができるの?」
姉「私を救ってくれるわけ? どうやって?」
姉「父親は離婚して別の家庭があって、母親はクズで家にも寄り付かない、学校ではダサいキモいっていじめられて、おまけにレイプまでされて」
姉「弟の性器を切ろうとして女装させて、母親に罵詈雑言浴びせて、私なんてもうとっくに狂ってる」
姉「頭おかしいの。分かるでしょ? ねえ、いつまでそうやって良い子ヅラしてるの? あんたのお姉ちゃんはとっくに狂ってるの」
姉「もう手遅れなの」
姉「ねえ、分かってるでしょ? 分かってて言ってるんでしょ? これから私はずっとあんたの事をそんな風に扱って、そうやって八つ当たりし続けるの」
姉「私も母親と同じクズなの。おまけに狂ってるの。ねえ、あんたなら分かってるでしょ? あんたは私を見捨てなきゃいけないの」
姉「あんたは私を見捨てて、私がお母さんにしたように私を見捨てて、そうして生きていくべきなの。あんただけはそうして生きて行かなきゃいけないの」
姉「私みたいにならないためにはそうするしかないの。分かるでしょ? じゃないと私、一生あんたを苦しめ続ける事しかできないのよ」
姉「だから、やめてよ」
姉「お願いだから、そんなこと言わないで」
姉「そんなこと言われたら、私はあんたに縋り続けるから」
姉「だから、やめてよ。私をそんな人間にしないで」
弟「冷めちゃうよ?」
姉「……」
弟「ほら、早く食べてよ。頑張って作ったんだから」
姉「……」 モグモグッ
弟「美味しい?」
姉「うん……ふふっ、美味しいわね」
姉「さあ、ファッションショーの時間よ! 今夜は寝かさないんだから!」
弟「うん!」
姉「……ん……つぎ……は……すぅ……ふふ……かわい……わたしの……おと……」
弟「……」 バサッ
姉「……おと……と……」
弟「おやすみ、お姉ちゃん」 カチッ
姉「……すぅ……すぅ……」
弟「おはよう、お姉ちゃん。朝ご飯できてるよ?」
姉「……」 モグッ
弟「ごめんね、僕もさっき起きたばっかりでトーストくらいしかできなくて」
姉「昨日、言ったよね」
弟「牛乳いる?」
姉「……」 モグモグッ
姉「……」 ボーッ
弟「お姉ちゃん?」
姉「……何?」
弟「似合ってるかな?」 フリフリ
姉「さあ……似合ってるんじゃない……」
弟「お姉ちゃん」 ギュッ
姉「……あんたは、私をどうしたいの?」
弟「ん……」
姉「もう、いいや……なんかもう、疲れた……」
弟「うん」
姉「……」
弟「……」
姉「……」
弟「……」
姉「なんで」
姉「なんで私ばっかりって、何度も思った」
姉「なんで私ばっかり、こんな目に遭うんだろうって」
姉「私が悪いのかなとか、色々考えてみたし、頑張ってみたし」
姉「でも、こんなの私は悪くない」
姉「私だって、もっと普通の家に生まれてたら、普通に青春して、普通に恋愛して、結婚して」
姉「そういう風にできた。絶対に」
姉「あんたは勘違いしてる」
姉「あたしはあんたのことなんて、お荷物だとしか思ってない」
姉「あんたがいなければいいって何度も思った」
姉「あんたがいなければ私だって友達と遊んだりして、きっと上手くやれた」
姉「今だって、あんたさえいなければ私はこんな惨めな奴にならなくて済んだって思ってる」
姉「自分の弟に愚痴るような、こんな惨めな女にならずに済んだって思ってる」
姉「あんたなんて、消えてしまえばいい」
弟「僕は消えないよ。だってお姉ちゃんが好きだもん」
姉「死ね」
弟「やだよ。側にいたいもん」
姉「やめて」
弟「好きだよ」
姉「やめろって言ってるだろッッ!」
弟「大好きだよ」
姉「う……うっ……うぅ……うぅぅ……っ」
弟「お姉ちゃん」
姉「……な、何よ」
弟「あのね、お願いがあるの」
姉「聞きたくない」
弟「一生に一度のお願いだから」
姉「馬鹿じゃないの」
弟「このお願いを聞いてくれたら、僕はこれから一生、お姉ちゃんの言う事はなんでも聞くから」
姉「……」
弟「お姉ちゃんが死ねって言ったら死ぬから」
姉「言うわけないでしょッッ!!」
弟「さっきは言ったよ?」
姉「あ、あれは」
弟「聞いてくれる?」
姉「……」 コクッ
弟「あのね――」
姉「……」 カランカランッ
姉「……」 キョロキョロ
姉「あの、待ち合わせで」
姉「はい、あそこの席の」
姉「……」 スタスタ
姉「……」 スッ
姉「……」
母「……何か注文しなさいよ」
姉「長居するつもりはありませんから」
母「ぶん殴ってやりたい」
姉「私もです」
弟『ママと話し合って』
姉『どうしてそんなこと言うの? 私があの人のこと、どう思ってるか知ってるでしょ?』
弟『ママがどんな人でも、ママはママだから。お姉ちゃんがお姉ちゃんなのと同じくらい、ママはママだから』
姉「そう言われて仕方なく来ただけですから」
母「あっそう」
姉「……それで、これからの話ですけど」
母「別に。今のままでいいんじゃないの?」
姉「は?」
母「あんたらには言ってなかったけど、私養育費だけで生活してるわけじゃないし。生活するだけなら自分の収入で足りるから」
姉「はぁ!? おいクソババア、ふざけんなよッッ!!」
母「誰がクソババアよ」 バシッ
姉「この……いえ、ごめんなさい。言いすぎました」
母「ふーん、別にいいけど。あんたまた雰囲気変わった?」
姉「別に。あなたもただの弱い人間だと思うことにしただけです」
母「は? 舐めてんの?」
姉「強い人間は男に依存したりしませんし、救える他人を見捨てたりもしませんから」
母「……あっそ。別にどうとでも思えば?」
姉「とにかく、あなたはあなたで男の所で生活する。養育費は私が管理する。それでいいですね?」
母「たまには帰って来るけどね」
姉「来ないでください、迷惑ですから」
母「はよ死ねクソガキ」
姉「好きに生きます。……これで約束は守りましたから、それじゃあ」
母「最後に言っとくけど、私はあんたみたいな根暗なブスは大嫌いだから。覚えておくように」
姉「……子供が子供を育てられるわけがないってことか」 ボソッ
姉(早く会いたい。誉めて欲しい。今すぐに。私を!)
姉(弟くん? 弟ちゃん? どっちでもいい、そんなの!)
姉(いいから早く、早く会いたい、会いたい、会いたい!)
姉「ただいまっ!」
姉「お姉ちゃん、お姉ちゃん頑張ったから! だから!」
姉「弟くん?」
姉「弟ちゃん?」
姉「どこにいるの?」
姉「ねえ、どこっ!?」
そんなはずが
女「ぷははははっ! 何それ、超ウケるんですけど~!?」
女「んで? んで? それで? 何、それギャクタイってやつ?」
女「それで? なんでもするから助けて欲しいって言うの? ぷくっ、くはっ、はははは~っ!」
女「ひひ、ひ~っ! あ~、ダメ、お腹よじれる~っ!」
女「は、話があるっていうから会ってみたらこれだもん、あんた超最高だわ~!」
弟「……そうですか?」
女「あ~、笑った~! で、何の話してたっけ?」
弟「だから僕、虐待されてるんです。本当は男なのに、こんな格好までさせられて」
女「あ~はいはいそうだったわ。んで、あたしにどうしろって?」
弟「お姉ちゃんにやめるよう言って欲しいんです」
女「おっけ~おっけ~、ガツンと言ってあげるわ。んで、何でもしてくれるんだっけ? 死ねって言ったら死ぬわけそれ?」
弟「それは、できませんけど」
女「じゃあ一億円」
弟「ごめんなさい」
女「はっ、じゃあもういいわ。用無し、ばいば~い」
弟「僕にできる範囲なら、なんでもします。……女の人って、好きなんじゃないんですか? そういうの」
女「は?」
弟「……僕みたいな子供をいじめたり、弄んだりするの。散々お姉ちゃんにされましたから、これで最後になるなら、そのつもりで来たんですけど」
女「……」
弟「なんでもしますよ? ……なんでもね」
女「はいと~ちゃ~く! さあ入って入って~!」
弟「……」
女「どう、面白いでしょ~? ここさ~、あたしの親のビルなんだよね~。まっ、持ち主が借金して自殺して親が手に入れたってだけなんだけど~」
弟「そうなんですか」
女「怖い? 怖いでしょ? ここ結構有名な心霊スポットでさ~、そいつの幽霊とか見たって奴、結構いるんだよね~。これ、うちらの間じゃ鉄板だから」
弟「……」
女「そ、れ、で? 二人きりになれちゃったわけだけど~?」
弟「はい」
女「それじゃ、まずは……」 スルッ
女「奉仕してもらっちゃおっかな~?」
女「ほら、もっともっと~!」
弟「んっ」 ペロペロッ
女「こんなんじゃ一ヶ月やってもいけね~っつ~の! おい、気合入れろよっ!」 バシッ
弟「……ごめんなさい」
女「ちっ。もういい、あたしの言う通りにやれ! まずクリトリス! クリトリスを舐めろ!」
弟「くりと?」
女「まんこの上の所! あのグズはんな事も教えてくんなかったのか?」
弟「……」 ペロッ ペロペロッ
女「もっとむしゃぶりつけよ! あんたは犬、あたしの飼い犬なんだよ! もっと下品にしゃぶりつけ!」
弟「んっ、んっ」 チュパッ チュパチュパッ
女「……っ……やれば……っ……ん……できるじゃんか……っ」
弟「……」 カミッ
女「んぐ……ん……っ!」 ビクンッ
女「生意気な真似……して……っ」 グリッ
弟「ご、ごめんなさい」
女「あはっ、やっぱあんた……そそる」 チュッ
弟「ん……っ」
女「最高。良い、すっごく良い。あんたの姉ちゃんの100倍遊べる」 チュッ チュパッ チュッ
弟「んっ、んぅ、ん……っ」
女「実はここでさ、あいつ輪姦してやったの。笑えたのは最初だけ、あいつすぐに無反応になっちゃってさ~」
女「処女だったのが一番笑えた所なんだけどさ~! もうあそこだけでさ~、後は全然。お前その歳で処女ってっていうね」
女「輪姦してた仲間もさすがに笑ったよね、あれは。くくっ、あれはウケた、うん、かなりウケた」
弟「そうですか」
女「あ、そうそうそれで、あんたはあいつよりずっと良いって話ね。あたし、言うこと聞く奴には優しいからね?」
弟「はい」
女「んで、今日からあたしの一番のお気に入りはあんた。……今度、首輪付けて連れ回してあげるから」
女「それじゃ、今度はあたしが気持ちよ~くしてあげる」 モミッ
弟「んっ」 ピクッ
女「あははっ、その格好で女の子みたいに喘がれるとさ~……いいね」
弟「やめて……」
女「ん~? 聞こえないわ」 モミモミッ
弟「んっ、うっ」 モジッ モジッ
女「もっとして欲しい?」
弟「……はい」
女「じゃあ、自分でスカートとパンツおろして、おねだりしてみせなよ」
弟「……」 スルッ スルスルッ
弟「僕の……おちんちん……気持ち良く、してください……」
女「……最高」
見なおしたわ
女「うわ~、ちゃんと勃起するんだ」 ツンツンッ
弟「……っ」
女「どうして欲しい? ねえ?」
弟「エッチなこと……して欲しいです」
女「例えば?」
弟「ふぇら、っていうのが」
女「フェラね~。フェラか~。ん~、どうしてもして欲しいなら考えようかな~?」
弟「……」
女「『僕は女さんの奴隷になります、どうかフェラしてください』って言えたらしてあげてもいいかな~?」 ニヤニヤ
弟「……」
女「ほら、言いなよ。ほらほら~」
弟「僕は……女さんの奴隷に、なります……どうか、フェラ、してください」
女「はい、よくできました」 パクッ
弟「ふぁ、あっ!」 ビクッ
女「ん、ふぁ、ふふ、フェラっていうより、口に含んで舐めてるだけって感じ?」 チュパチュパッ
弟「んぅ、あっ」 ピクッ ピクピクッ
女「んふっ、腰ひたく、なりそ」 チュパッ
弟「女、さん……っ」
女「ん~?」 チュポンッ
弟「死ね」 ザクッ
女「はへ?」
弟「死ね」 ググリッ
女「えっ、ひっ、あぐあああっ!?」 ジタバタッ ジタバタッ ドンッ
弟「うくっ」 ズボッ
女「ひあっ、あっ、ああっ、あああっ!?」 ボタボタッ ボタッ ボタボタッ
弟「……」 タッタッタッ ブスッ
女「ぎいぃっ、いっ、いああああっ!!」 ドンッ
弟「……っ」 ドタンッ
女「いあっ、いあっ、いあいっ、いあいあいあいいあいいあいいあいあいあいあいっ!!」 ボタボタッ ボタボタッ
弟「……」 ジッ
女「な、なんっ、あんっ、なん、なっ」 ボタッ ボタボタッ
弟「血、すごいね。それならきっとすぐに死ねるよ。良かったね」
女「ふざっ、え?」 ガクッ
女「あっ、あえ、なっ、うごっ」 ズルッ
女「やら……や……やら……やら……こん……こんあ……やら……やらぁ……」 ズルッ
弟「……」
女「たひゅ……たひゅ……け……」
弟「やだよ」
女「たひゅ……」
弟「いいから死んでよ」
女「ご……ごめ……な……ひゃ……」
弟「僕は」
弟「僕は、謝って欲しいわけじゃないよ」
弟「ただ、いなくなって欲しいだけ」
弟「最初からいなかったみたいに、いなくなって欲しいだけ」
弟「ごめんね」
女「や……やぁ……やぁ……や…………ぁ…………………………………………」
弟「……」
弟「ごめんね」
弟「ごめん」
弟「僕は子供だから」
弟「これくらいしかやり方が分からなかったから」
弟「ごめんなさい」 スタスタ
弟「ただいま」
弟「お姉ちゃん?」
弟「いないの?」
弟「……」 スタスタ
弟「……」 ガラッ
弟「……」 スタスタ
弟「……」 ガラッ
姉「……」
弟「お風呂で膝抱えて何してるの?」
姉「……なんでいるってわかったの?」
弟「だって玄関に靴あったもん」
姉「……」
弟「お姉ちゃん、ママと仲直りできた?」
姉「……頑張った」
弟「うん」
姉「頑張ったのッ! 私頑張ったのッ!」
弟「えと」
姉「……もういい」
弟「……」
姉「……」
弟「……」 ナデナデ
姉「……」
弟「……」 ナデナデ
姉「……」
弟「……」
姉「なんでやめるの?」
弟「……」 ナデナデ
弟「お姉ちゃん、あのね」
姉「……何?」
弟「買って貰った服、ベトベトにして捨てちゃった」
姉「最低」
弟「ごめんなさい」
姉「……また買い物、行くから」
弟「うん」
姉「絶対」
弟「うん」
姉「なんでも言う事聞くって約束したんだから」
弟「うん。僕、お姉ちゃんの言う事なんでも聞く」
姉「じゃ、ぎゅってして」
弟「……」 ギュッ
弟「お姉ちゃん」
姉「ん」
弟「きっとね、明日から楽しいことがたくさんあると思うの」
姉「嘘」
弟「ううん。今までの嫌なことがね、きっと全部なくなって、良いことだけになるよ」
姉「嘘吐き」
弟「なるよ。そうなるから。だからね、約束して」
姉「……何を?」
弟「お姉ちゃんを好きでいていいって言って」
姉「それだけ?」
弟「うん」
姉「……私を好きでいて」
弟「うん」
おわり
だがそれがいい乙
ヤンデレも姉も好きな俺としては大満足
いいね
この後を考えたら切ないな