1回目 自宅
男「しまった…」
男「せっかく女さん指名したのに興奮しすぎて来る前に抜いちまった…」
男「…………」
男「…………」
ピンポーン
男「……来たか」スタスタ
ガチャ
女「デリバリー手コキ専門店からやってきました!」
女「指名していただいてありがとうございます!」
男「(テンション高いな…)」
男「……とりあえず入ってください」
女「はい。おじゃましまーす」
女「(な、なんかこの人テンション低い…?)」
……
…
女「始めましょうか」ニコッ
男「(かわいい…)」
男「(たしかに女さんはかわいい)」
男「……でも」
女「?」
女「…どうしました?」
男「女さんじゃ勃たない」
女「!」
女「え、えっ…」アセアセ
男「ていうか今そんな気分じゃない」
女「(な、なんで私呼んだの…?)」
男「誤解招く言い方してごめん」
男「さっき自分で抜いてさ」
女「……」
男「すごい興奮してたから一回くらい大丈夫だと思って」
女「だからそんな気分じゃないということですか…」
男「そう」
男「女さんかわいいから普通なら興奮するはずなんだけど…」
男「今はさっぱり」
女「(どうしよう。こんな人初めてだよ…)」
女「あのー…」
女「私は今からどうすれば…?」
男「さぁ…」
男「どうしよう」
女「(……お、怒ってるのかなぁ)」
女「…………」
男「…………」
女「…………」
男「…………」
女「…………」
男「…………」
女「(沈黙がつらい…)」
女「!」
女「そ、そうだ」
女「45分あるから途中で復活するんじゃないですか?」
女「それまでお話しましょうよ」ニコッ
男「(ほんとにかわいいな)」
男「…………」
女「だ、だめですか…?」
男「……ゲームしよう」
女「?」
男「スーファミあるから」
女「……いいんですか?」
男「もちろん金は払うよ」
女「男さんがいいならいいですけど…」
男「いいのいいの」カチッ
女「(いいのかなぁ)」
男「ぷよぷよできる?」
女「……少しだけならできますよ」
……
バタンキュー
男「……よくわかんなかったけど見たことない積み方だった」
女「そうですか?」
男「カエル積み…って言うのかな」
男「それくらいしか知らなくて」
男「まぁそれも上手にできてないんだろうけど」
女「…まだ挑戦します?」
男「望むところだ」
女「(…次からは階段積みやろうかな)」
女「(見た目も綺麗だし)」
………
……
男「女さん強すぎ……あんな長い連鎖初めて見たよ」
女「もしかして接待プレイとかした方がよかったですか?」
男「いやいや、まだ勝負はこっからだ」
女「(男さん15連敗してるのに…)」
ピーピー
男「?」
女「あ」
女「時間来ちゃいました…」
男「もうそんな時間か」
男「えーと指名料込みでいくらだっけ」
女「……1万3000円ですね」
男「了解」
男「はい」スッ
女「……ほんとにいいんですか?」
女「私何もしてませんし…」
男「ゲームもたっぷりできたし」
男「それに……お店に何割か渡すんじゃないのか?」
女「うちの店は4割渡しますね」
男「じゃあ受け取らなかったら女さん赤字になるじゃん」
女「そうですね…」
男「気にせず受け取ってくれよ」
男「また呼ぶから」
女「……ありがとうございます」
………
……
男「名前呼んでくれるの良かったな」
男「……」
男「写真通りかわいかったし…」
男「また呼ぼう」
男「つーか抜いてもらう為に呼んでたのに」
男「一緒にゲームしただけとか…」
男「…………」
男「…………」
男「それより…」
男「一回会っただけで好きになるって」
男「小学生かよ俺は」
男「…………」
男「次こそは…」
二週間後 2回目 自宅
男「さて、今日は抜いてもらおう」
男「1時間くらいで来るって言ってたからな…」
男「それまで何しておこうか」
男「………うーん」
男「ぷよぷよ練習するか」
男「少しは強くなりたい…」カチッ
30分後
男「5連鎖までならなんとか…」ピコ
男「…………」
男「……アルルかわいいな」
男「…………」
男「……ボクっ娘だし」
30分後
女「ま、また抜いちゃったんですか」
男「アルルがかわいくてさ」
女「…………ありえないですよほんとに」
男「そんなこと言われても」
女「(気だるそう…)」
男「とりあえずテレビでも見ようよ」
女「……うーん」
男「今は性欲ゼロだから」
女「(そう言われると少し悲しいような)」
女「…わかりました」
男「うん。助かるよ」
女「(ラッキーって思ってればいいのかな…)」
……
…
男「面白いのやってないな」
男「借りてる映画見ようか」ピッ
女「……」
女「アニメ映画…ですか」
男「あ、嫌いだった?」
女「そんなことないですよ」
40分後
ピーピー
男「…もう時間か」
男「じゃ30分延長して」
女「!」
女「だ、だめです!」
男「あぁ延長できないシステムなのか」
女「そういうわけじゃないですけど…」
男「?」
女「…だって映画の続き見るために延長するんですよね?」
男「そうだよ」
男「だって気になるだろ?」
女「……でもお金もかかりますし」
男「…………」
男「わかったよ」
男「引き留めて悪かった」スッ
女「…あ、あの、こちらこそすみませんでした」ペコ
男「女さんが謝る必要なんて…」
……
…
男「…………」
男「…………」
男「何やってんだ俺は…」
男「かっこつける為に延長しようとして」
男「……んで断られて」
男「…………」
男「部屋が汚いから長居したくないのか…」
男「次は呼ぶ前に掃除するか」
一週間後 大学
後輩「なんか先輩落ち込んでます?」
男「…少し」
後輩「どうしたんですか?」
後輩「かわいい私に相談しちゃいます?」
男「うーん…」
後輩「(突っ込まない…これは重症…)」
男「とにもかくにも女さんがかわいすぎて困るんだよ」
後輩「?」
後輩「それ誰ですか?」
後輩「私の知ってる人ですか?」
男「いや、大学の知り合いじゃないんだ」
後輩「ふーん」
後輩「でもまぁ聞いてあげますから」
後輩「話してみんしゃい」
……
…
男「ってことなんだけど」
後輩「……呆れた」
男「そうか?」
後輩「いやだって自宅に呼んだけど出来なかったって話聞かされても」
男「すまん」
後輩「落ち込みすぎて先輩ちょっと混乱してるんですよ」
後輩「とりあえず…女さんって人のこと好きなんですよね?」
男「もちろん」
後輩「へぇ…」
男「なんだそのリアクション」
後輩「いえ、なんでも」
後輩「(先輩にはあんまり興味ないけど…)」
後輩「(他人の恋を壊せるなら…先輩の傍にいたいな)」ニコニコ
東海エリアはほぼ後払いだぜ
三週間後 3回目 自宅
女「(部屋がキレイになってる…)」
男「今日は120分だから気合い入れて掃除したんだ」
女「どこもピカピカですね」
男「よし」
男「じゃ早速…」カチッ
女「?」
女「え…」
女「何してるんですか?」
男「映画の続き見ようと思って」
女「だ、だめです!」
男「あー」
男「さすがに忘れてるから最初からの方がいいか」
女「そういう問題じゃないです…」
女「映画見に来てるわけでもないですし…」
男「……」
男「苦痛?」
男「俺と映画見るだけってのは…」
女「いや、苦痛とかではないですけど…」
男「…………」
男「こ、恋人っぽく過ごしたいんだ」
女「!」
男「………それでも無理か?」
女「……」
女「……」
女「男さんがいいなら…」
男「よ、よかった」
女「…………」
70分後
女「感動です…」グスッ
男「(借りなおして正解だった)」
男「よかったな」
女「はいっ」
男「んじゃ次は…」カチッ
男「ぷよぷよだ。リベンジしたい」
女「!」
女「(またゲーム…)」
………
……
男「全然勝てない…」
女「でも男さん急激に強くなってますよ」
男「見返したくてやり込んだからな。独学?だけど」
女「ふふ。そうなんですか」
男「…やっぱおかしい?」
女「違いますよ」
女「負けず嫌いなんだなと思っただけです」
男「……少しでも盛り上げたくて」
女「……」
男「……」
ピーピー
男「……時間か。楽しかったよ」
女「……」
女「ありがとうございます」
10分後
男「言ってしまった」
男「恋人っぽく過ごしたいとか…」
男「……」
男「確実に引かれたよな」
男「俺はすごい楽しかったからよかったけど…」
事務所
店長「ん。おかえり」
女「…………」
店長「元気ないね。どしたの?」
女「なんか変なお客さんがいるんです…」
店長「もしかして手出された?」
女「……逆です」
店長「?」
女「サービスを受けないんですよ」
店長「受けない…?」
店長「じゃあ家で何してるの?」
女「映画見たりゲームしたり…」
店長「……ふーん。珍しいね」
店長「いいじゃない。疲れないんだし」
女「そうですけど…」
女「他にも恋人っぽく過ごしたいとか言うし…」
店長「女さんに惚れてるんだよ」
女「……ないですよ。まだ3回しか会ったことないですし」
店長「まぁそのうち分かるんじゃない?」
店長「…………」
店長「(客が嬢を好きになって上手くいった例を私は一度も見たことないけど)」
普通にデリヘル呼んで3pしようぜぐらいの冗談は言ったりするだろ
一ヵ月後 4回目 自宅
男「かなり期間空いたな…」
男「研究で忙しかったからしょうがないか」
男「……」
男「最近抜いてなかったからかなり気持ちいいはず…!」
男「なんたって女さんにしてもらえるんだから」
男「……」
男「でも性欲に負けて襲いそうな気もする…」
男「そうなれば出禁…?」
男「どころじゃ済まないか」
男「怖いお兄さんたちに連れていかれたり…」
男「…………」
男「…………」
男「よし。頭冷やそう」
………
……
…
女「頭を冷やすために抜いたんですか…?」
男「そうなるな」
女「…………呆れて物も言えません」
男「……」
男「一ヵ月振りだけど女さんは相変わらずかわいいな」
女「…どうもです」
男「もしかして怒ってる?」
女「……別に怒ってないですよ」
女「男さんの意図があんまりわからないだけです」
男「女さんのことが好きなんだよ」
女「!」
女「……男の人はよくわからないですけど」
女「好きなら私のサービス受けないんですか?」
男「……もちろん受けたい」
男「けどあんまりガツガツ行くタイプは良くない気がして…」
女「私の事デリバリーしておいて何言ってるんですか!」
男「たしかに…」
男「でももう変わったから!」
女「…………」
男「と、とりあえずゲームしようぜ」カチッ
男「また強くなったから」
女「…わかりました」
………
……
事務所
ガチャ
店長「女さんか、おかえり」
女「店長」
女「やっぱり変です」
店長「そうなの」
店長「名前なんて言うんだっけ」
女「男さんです」
店長「(調べてみるか…)」カタカタ
店長「……」カタカタ
店長「すごいな、今までの指名ぜんぶ女さんだよ」
女「そうなんですか」
店長「…イヤなら女さんのこと指名禁止にしようか?」
店長「(お金落としてくれそうだから私は続けてほしいけど)」
女「…………」
女「指名禁止にまではしなくてもいいですよ」
店長「ん、そうか」
店長「それは助かる」
女「……私のこと指名してくれる人なんて貴重ですし」
店長「女さんは最大まで条件厳しくしてるからね」
店長「ある程度はしょうがないよ」
女「……はい」
店長「(全オプション解禁したらもっと稼げるのに…)」
店長「今日もゲームしてたの?」
女「そうですね。ぷよぷよばっかりですよ」
店長「そうなんだ」
女「(私苦手なのに…)」
店長「……私が言ってた通り惚れてるって分かったでしょ?」
女「どうなんでしょう。好きとは言ってくれましたけど…」
店長「気があるアピールでもしてお金落としてもらいなよ」
女「……」
店長「もちろんお店の為にね」
女「……はい」
……
…
女「(ほんとに私のこと好きなのかな…)」
女「……」
女「……」
女「(確かめたい気もするけど)」
女「……」
女「(っていうか何で一人のお客さんに対してこんなに悩んでるんだろ…)」
女「はぁ…」
男を一途で真面目なキャラ扱いにするのはやめよう
世の勘違い系キモオタを助長させないために
翌日 大学
後輩「先輩。首尾はどうです?」
男「あんまり……いや、まったく上手くいってない」
後輩「ふふ。ダメですね先輩は」
男「……」
後輩「上手くいかないならもう一つ選択肢がありますよ?」
男「ほ、ほんとか?」
後輩「はい、私にしましょうよ」
男「え?」
後輩「だから、私ですよ。私」
後輩「そんな連れない女の人は置いといて」
男「……あんまりからかわないでくれ」
後輩「そんなぁ。本気ですよー」
男「つい先週俺に恋愛相談してきたのに何言ってんだ」
後輩「そんな昔のこと忘れてしまいました」
男「……」
後輩「それに一目ぼれした先輩が言っても説得力ないですよ」
男「……それはそうかも」
後輩「でしょ?」
男「でも女さんのこと好きだから絶対靡かない自信がある」
後輩「ふーん…」
後輩「ぜったい…」
後輩「ぜったいですね?」ニコニコ
男「あ、あぁもちろん」
後輩「ふふ」
後輩「だからこそ」
男「……なんだ?」
後輩「(だからこそ壊し甲斐があるんじゃないですか…)」
一週間後 5回目 自宅
男「最近知ったんだけどさ」
女「…なんですか?」
男「この店ってオプションとかいっぱいあるんだな」
女「知らずに利用していたんですか?」
男「うん」
男「この女さんの写真見てたら呼びたくなって」
女「…み、見せないでくださいそんなの」
男「?」
男「キレイに写ってるのに」
女「……ほとんどフラッシュで白くなって見えないじゃないですかそれ」
男「それでもかわいい子はかわいく写ってるんだって」
男「ほら」
女「だから見せないでください」
……
…
女「……あ、あの」
男「ん?」
女「それで今日は…」
女「するんですか?」
男「女さんから聞いてくれるなんて」
男「もしかして……したいとか?」
女「違いますよ」
女「今日はなんていうか」
女「いつもよりシャキッとしているというか…」
男「今日は抜いてないからな」
女「!」
男「(っていうか分かるもんなのか…)」
女「じゃあ…」ガサゴソ
男「今日もしないよ」
女「……」
男「なんかさ」
男「もう恥ずかしく思えてきて」
女「どういうことですか?」
男「……女さんの前で脱ぐのが」
女「男さんは何を言ってるんですか」
男「デリバリーしてるのにおかしいのは分かってるけど…」
女「……本気なんですか?」
女「そんなことまでして私を呼ぶ理由もわかりません…」
女「勘違いで好きになっているだけだと思います」
女「男さんの為にも無駄なお金は使わない方が…」
男「……バイトが楽しいから大丈夫」
女「……」
男「好きになったからしょうがない」
女「……」
男「イヤなら出禁にしてもらえるシステムもあるんだよな?」
女「…一応ありますね」
男「これ以上呼ばれるのがイヤならそうしてもらっていい」
男「……すごい欲張りなこと言うと」
男「普通の友達になってほしいというか…」
女「(正直まだ本気かどうかも分からないし、あいつの為にお金も稼がないといけないし…)」
女「(というかまず男さんが怖い!)」
女「……それは無理ですね」
男「だ、だよな」
男「急に変なこと言って悪かった」
女「…………何もしないならゲームしましょうよ」
………
……
…
ピーピー
女「また一勝もできませんでしたね男さん」
男「気のせいかもしれんが一段と容赦なかったな」
女「さぁどうでしょう」
男「……」
男「はい」スッ
女「ありがとうございます」
女「……ひとついいですか?」
男「何?」
女「次は二ヵ月後に呼んでください」
女「私に本気って思わせてください」
男「?」
男「二ヵ月後か…」
男「(それまで呼ぶなってことか?)」
男「うん。次は二ヵ月後に呼ぶよ」
女「……その間は触らないでください」
男「ん?」
女「できますか?」
男「え、抜くなってこと?」
女「……無理ならいいですよ」
男「よ、余裕」
女「……」
男「それで誠意を見せられるなら余裕」
事務所
店長「っかえりー」カタカタ
女「……」
店長「今日はどうだった?」カタカタ
女「確かめてきましたよ」
店長「そうなんだ。結果は?」
店長「やっぱ好きだって?」
女「……二ヵ月後に判明します」
……
…
店長「えー!」
店長「さすがに二ヵ月とか絶対に無理だって…」
女「そ、そうなんですか?」
店長「……私も男じゃないから断定は出来ないけど」
店長「デリバリーするような相手に課す限度越えてる」
女「……で、でも余裕だって言ってましたし」
店長「好きならそりゃ言うでしょ」
女「……だって店長さんが教えてくれたんですよ?」
店長「?」
女「こういう仕事してるとすぐに男の人は好きって言ってくるって」
女「だから私本気かどうか確かめたくて…」
店長「……そうだったね」
店長「とりあえず二ヵ月待ってみようか」
女「はい…」
女「…………」
女「自分のせいなのに店長に八つ当たりしてすみません…」
店長「いいってそんなこと」カタカタ
店長「(……それに今はもっと心配しないといけないことがあるし)」カタカタ
二時間後 家
後輩「ただいまー」
女「……おかえり」
後輩「あ、お姉ちゃん帰ってたんだ」
女「うん…」
後輩「どしたのお姉ちゃん」
女「?」
後輩「疲れてる?」
女「…そう見える?」
後輩「なんとなくだけど」
女「……はぁ」
後輩「幸せ逃げちゃうよ」
女「逃げません」
後輩「ふーん…」
……
…
後輩「へぇ…お姉ちゃんも大変だね」
女「でしょ?」
後輩「好きな人がお客さんなんて」
女「だからちょっと気になる人だって」
女「改変しないで」
後輩「へいへい」
後輩「っていうかいい加減どこで働いてるのか教えてよ」
後輩「ずっと前から聞いてるのに言ってくれないし」
女「……教えない」
後輩「はぁ…」
女「あんたの幸せは逃げないの?」
後輩「別にいいの」
後輩「だって私は…」
女「ん?何よ」
後輩「(だって私は幸せを奪う側なんだから…)」
後輩「ううん。なんでもない」
女「なんなのよもう…」
後輩「応援してるよお姉ちゃん」ニコニコ
女「……その笑顔保ってたらすごいい妹なのに」
後輩「…………」
後輩「(お姉ちゃんの恋路もいつか壊してみたいなぁ…)」
一ヵ月後 大学
男「はぁ…」
後輩「幸せ逃げちゃいますよ先輩」
後輩「そしてやつれてますね」
男「まじで?」
後輩「まじすよ」
男「そんな風に見えるか」
後輩「進展なさ過ぎて困ってるんですか?」
男「うーん…」
後輩「私が聞いてあげますよ」
男「そんな胸張られても」
後輩「サークルで一番頼りになる私じゃ不満ですか」
男「……うち何人いたっけ」
後輩「正規3人。非正規2人」
男「…………」
後輩「ほれほれ。話してみんしゃい」
男「えーとな…」
………
……
…
後輩「に、二ヵ月我慢しないと好きな人を呼べない?」
男「そうだ」
後輩「(えぇ…とんでもない条件突きつけられてる…)」
後輩「(でも会えないなら進展しないし、良かった良かった)」
後輩「でも我慢しすぎるのも身体によくないですよ」
男「そうかな…」
後輩「私が息抜きに抜いてあげましょうか?」
男「痴女か」
後輩「(精一杯のギャグを一蹴…)」
男「でもありがとう」
後輩「?」
男「話すだけでも楽になった」
男「やっぱサークル1は伊達じゃないな」
後輩「どもです」
後輩「ってことでご飯行きましょう。先輩の奢りで」
男「よし。行くか」
後輩「超高級フレンチでも」
男「そんなところに超なんてつくのか」
後輩「スーパー高級フレンチでもいいですよ」
男「……そうだ、ぷよぷよできる?」
後輩「いきなりなんですか」
男「スーパーで思い出した」
後輩「?」
後輩「……あぁそういうことですか」
後輩「できます。でもかなり強いですよ私」
男「望むところだ」
………
……
…
自宅
後輩「こんなあっさり家に連れ込むなんて…」
後輩「落ちゲーで落とされるのは私だったんですね!」
男「はい。コントローラ」
後輩「(またしても精一杯のギャグを…)」
後輩「……容赦しません」
男「女さんに似たプレッシャーを感じる」
男「ゲームを極めるとこうなるのか…!」
20分後
男「……頭の中覗かせてほしい」
後輩「思い知りましたか」
男「十二分に…」
後輩「よろしい」
後輩「GTR強いでしょう?」
後輩「(正確には底上げ…だけど)」
男「ん?GT…?」
後輩「あぁ、名称言っても分かんないですか」
男「なんだかバカにされた気分」
後輩「そんなことないですって」
男「…そのGT…ってのは積み方の話か?」
後輩「そうです」
後輩「たくさん練習したって言ってませんでしたっけ?」
男「とことん一人でやってただけだから細かいことはまったく…」
後輩「(別に細かくはないと思いますけど…)」
後輩「そうなんですか」
男「そういや女さんにも一番最初はこんな感じの組み方でやられたような」
後輩「……」
男「その後はえらく綺麗な連鎖見せてもらったけど」
後輩「(綺麗……階段とかかな)」
………
……
…
後輩「でもほんとに連れてきてもらってよかったんですか?」
男「……」
後輩「その…女さんって人との愛の巣なんでしょう?」
男「一方的だけどな」
後輩「…まぁたしかに」
後輩「それにここで先輩が…その…やってもらったんだと思うと…」ドキドキ
男「いやいや…っていうか先に訂正させてくれ」
後輩「?」
男「俺がゲーセン推してもほぼ無理矢理連れてかせたじゃん」
後輩「ははは、そうでしたっけ」
男「……」
後輩「まぁまぁ。私彼氏いないですし大丈夫ですよ」
男「…そうですか」
男「それに女さんにしてもらってもないから」
男「やったのはぷよぷよだけ」
後輩「ほんっとに一回もやってもらってないんですか」
男「そうだな」
後輩「アホだこの人…」
男「なんだと」
後輩「だって……合計いくら払ったんですか」
男「13000×5……あ、一回120分あったからもうちょいプラスだな」
後輩「それだけあればもっとサークルの備品買えましたね」
男「それはまぁ…」
後輩「女さんとかいう人のことは忘れて忘れて」
男「…だから忘れてどうすんだ」
後輩「私にしましょ」
後輩「ね?」
男「……」
男「……多分だけど」
後輩「んー?」
後輩「なんですか?」
男「酔ってるだろ」
後輩「……うひひ」
後輩「バレちゃいましたか」
男「冷蔵庫漁ったな」
後輩「ご名答」
男「13000円置いてけ」
後輩「……デリバリーと同じことしてくれるならいいですよ」
男「!」
男「ってついてねーじゃねーか」
後輩「ははは、確かに」
男「お酒弱かったのか」
後輩「……うひひ」
男「ゲーセンにするんだった…」
後輩「もう遅いですよ」
後輩「私のテリトリーからは逃げられません」
男「そんな胸張られても…」
男「ってか俺の家だし…」
後輩「ははは、確かに!」バシバシ
男「叩くな叩くな」
後輩「だって私のこと全然見てくれないし」グスッ
男「泣き上戸なのか笑い上戸なのか…」
男「……」
男「あ、そうだ」
男「今ならぷよぷよ勝てる気がする」
後輩「いつでもどうぞ」
男「よし、勝負」
………
……
…
後輩「ほんとに才能ないですね」クスクス
男「おかしいな。酔ってる相手に…」
後輩「修行が足りませんね」
男「そうみたいだな」
男「(あと一ヵ月…どうにかして耐えきってやる…)」
男「(必ず成功させて…)」
男「(もう一回ちゃんと好きって言おう)」
一時間後 駅
後輩「別に玄関まででよかったんですよ?」
男「……でも危なっかしいし」
後輩「そういうとこ好きです」
男「!」
男「そんな真剣に言ってくれるな」
男「今までの軽口でも微妙にドキドキしてんだから」
後輩「あれれ、ドキドキしてくれてたんですか?」
後輩「ふふ。靡かない自信はどこにいったんでしょうね」
男「もうこれ以上からかわないでくれ…」
後輩「やだなぁ冗談ですよ」バシバシ
男「いたっ」
後輩「また遊びましょうね」
男「……次はゲーセンで頼みます」
事務所
女「……」
店長「……」カタカタ
女「……」
店長「女さん」カタカタ
女「……なんですか?」
店長「もう今日のシフト時間過ぎてるよ」
店長「あがってね」
女「……少し延長してください」
店長「じゃあまだ出張可にしてていいの?」カタカタ
女「はい…」
店長「……」
店長「(かわいそうだけど今はあんまりかまってる暇がないんだよね)」カタカタ
三時間後
女「…………」
店長「5時になったからもう終わりだよ」カタカタ
女「…はい」
女「…………」
女「すみません」
女「ずっと居座って」
店長「それは気にしてないよ」
店長「……女さんが出勤してない日もその人から電話来るか見ておくから」
女「はい…」
女「(私が入ってない日には電話してほしくないって思うのは…)」
女「(……嫉妬ではないと思うけど)」
夜 家
女「……」ピコピコ
女「……」ピコピコ
女「……」
女「(男さん…)」
女「……」
女「あ、負けちゃった」
女「…………」
ガチャ
後輩「あ、ぷよぷよだ」
女「……なんかやりたくなっちゃって」
後輩「そうなんだ」
女「調子悪いから今ならあんたにも負けるかも」
後輩「嫌味?」
女「一度も勝ったことないのは事実でしょ」
後輩「じゃあ勝負する!」
女「はいはい」
後輩「私だって上達したんだから」
女「ルールはどうする?」
後輩「フィーバーはつまんないし…」
後輩「通で」
女「よし」
15分後
後輩「うーむ」
女「相変わらずね」
女「心を無にしなきゃ勝てないって」
後輩「むむ…」
女「でもやっぱ力抜くときは階段が一番ね」
後輩「やっぱり途中から手抜いてたのか」
女「そりゃね。勝てるから」
後輩「ほんとにお姉ちゃんって…階段すき…だよ…ねー…」
後輩「!!」
女「どうしたのよ」
後輩「……………………」
後輩「(綺麗な連鎖…)」
後輩「(いや待てよ。でも名前……)」
後輩「(女さん……)」
後輩「(‘女’……)」
後輩「(ち、違う。源氏名を使うんだから客に本名なんか名乗るはずない…!)」
後輩「(私に言えない仕事……身体を売る仕事は性格的にしない…)」
後輩「(当たってれば一石三鳥になるはず)」
後輩「…………お姉ちゃん。次はお風呂上りのプリン賭けよっか」ニコニコ
支援
女「…まぁ別にいいけど」
女「さっきまでの戦績は考慮しないのね」
後輩「怖いの?」
女「まさか」
……
…
女「…………」ピコピコ
後輩「…………」ピコピコ
女「(積み方も今までどおり…)」
女「(何考えてるのかしら)」
女「(でも今日は贅沢にプリン食べられそうね…ふふ)」
後輩「…………ねぇお姉ちゃん」
女「なに?」
後輩「私ちょっとは強くなったんじゃない?」
女「そうは思わないけど?」
後輩「サークルの先輩に男さんって人がいてさ」
女「……それが?」
後輩「(反応したようには見えない……のかな)」
後輩「(まぁ男さんも偽名使って店に登録してるかもしれないし…)」
後輩「最近その人の家にいってぷよぷよしたりして遊んでるんだー」
女「へぇ…」
女「惚れっぽいあんたがまた惚れたって話?」
後輩「違うって」
後輩「(ってか惚れっぽいフリだし)」
後輩「……その人がさ、弱いのにずっとぷよ勝負挑んでくるの」
後輩「面白いでしょ?」
女「さぁ…」
後輩「その男さんがね」
後輩「…………デリヘルの嬢に惚れてるんだって」
女「……」
後輩「あ、正確には手コキ専門のデリバリーなんだとか」
女「……」
後輩「手コキ専門だなんておかしいよねぇ」
女「……そうかしら」
後輩「だって本番もできないのに高いお金払ってるんだよ?」
女「…………」ピコピコ
後輩「…………」ピコピコ
後輩「それともオプションとかでアリっだりするのかなぁ」
女「……」
後輩「私は」
後輩「働いたことないから詳しいことは分かんないんだけどさ」
女「…………」
後輩「その男さんが最初にできるようになったのが階段積みなんだって」
後輩「惚れた人がよく使う組み方覚えたらしいの。健気だよねー」
女「……その人は階段をよく使ってたっていうだけの話?それが面白いの?」
後輩「面白くなるのはこれから……ってあれ?」
女「?」
後輩「そーいや手加減する時ってお姉ちゃんどんな積み方するんだっけ?」
女「……さぁ忘れちゃった」
後輩「ふーん。でも忘れたならしょうがないかぁ…」
後輩「今日は私相手に一戦目は新GTRだったね」
女「……一戦目は本気を出したかったのよ」
後輩「ふふふ」
女「い、いきなり笑わないでよ。盤外戦術くらいじゃ私には…」
後輩「男さん言ってたよ」
後輩「一戦目だけは難しい組み方だったって」
女「!」
後輩「お姉ちゃんが一戦目によく使う新GTR…」
後輩「初心者には難しい組み方にも思えるんじゃないかなぁ」
女「………人それぞれじゃないかしら」
後輩「……あっ、そうだ!」
女「な、なによ」
後輩「今も手加減してるから画面見ればお姉ちゃんの組み方分かるんだった」
後輩「これ何かなぁ」
後輩「この綺麗な並びは…」
後輩「プリンがかかってるのに私相手に使ってるこの手加減した美しい組み方は…」
後輩「答えてよ。お姉ちゃん」
女「…か、階段よ。文句あるの?」
後輩「あー。階段か。私気づかなかったー」
後輩「答えてくれてありがと、お姉ちゃん」
女「…………」
後輩「まぁここまでもったいぶらなくても確証はあるんだけどね。ふふ」
女「……」
後輩「お姉ちゃんの香水っていい香りだよねー」
後輩「最近同じ香りをどこかで…」
後輩「どこだったかなぁ」
後輩「お姉ちゃんなら分かるんじゃない?」
女「…し、知る訳ないでしょそんなこと」
後輩「えー答えてよ、お姉ちゃん」
女「だから知らないって…」
後輩「あっ、いけない」
後輩「聞き方間違えちゃった」
後輩「答えてよ。女さん」ニコニコ
女「!」ゾクッ
支援
後輩「隙あり」
女「しまっ…」
後輩「心を無にしなきゃ勝てないってほんとみたいだね。女さん」
……
バタンキュー
後輩「やった!初めてお姉ちゃんに勝てた!やった!」
後輩「(最後の香水とかはもちろんハッタリだけど上手くいってよかった)」
女「な、なんであんたそれを…」
後輩「(…………この言い方。もう確定だよね)」
後輩「プリンゲットだぜ!」
女「き、聞いてるの?」
後輩「……なに?人が勝利の余韻に浸ってるのに」
女「だから、その…」
後輩「『なんで私がデリバリー手コキ専門店で働いてるのを知ってて』」
後輩「『私に惚れてる男さんと接点があるの?』……ってこと聞きたいの?」
女「……」
後輩「接点があるのはほんとに偶然」
後輩「お姉ちゃんの気になるお客さんが男さんだって確信したのも今さっき」
後輩「世間は狭いみたいだね」
後輩「まだ何か聞きたいの?」
女「……それを知ってどうするの?」
後輩「そりゃプリンを贅沢に食べたかったってもあるし」
後輩「お姉ちゃんに勝ってみたかったってのもあるけど…」
女「口止め料ってこと…?」
後輩「いらないってそんなもの。お金も物も何もいらない」
後輩「そんなのじゃぞくぞくできない。そんなのじゃ気持ちよくならない」
女「なによそれ…」
後輩「三羽目は」
後輩「ただの宣戦布告だって」
女「!」
後輩「お姉ちゃんのおもちゃを欲しくなる妹…」
後輩「そんなにおかしいかな?」
女「別に男さんはおもちゃじゃ…」
後輩「(……男さんは偽名使ってなかったのか)」
後輩「まぁそうかもしれないけど」
後輩「二ヵ月も我慢させるなんて普通の好きな相手にはさせないよ?」
女「……そこまで話してたんだ」
後輩「そりゃサークル1頼りになる私だから」
女「何の話よ」
後輩「……てかさ、口止め料なんて誰に対して止めるのよ」
後輩「私たち二人だけの家族なのに」
女「いろいろ焦ってたの」
後輩「なるほど」
後輩「でもよかったよ」
女「な、なにがよ」
後輩「教えてくれないからどんな危ない仕事してるかと思ったら…」
後輩「給与はいいの?」
女「……奨学金はあんたに借りて欲しくなかったし」
後輩「……」
女「……」
後輩「お姉ちゃんには感謝してるけど諦めないよ」
女「強情ね」
後輩「だってまだ気になる人なんでしょ?」
女「ま、まぁ…」
後輩「じゃあ狙い放題なわけか」
女「……火遊びも程々にするのよ」
後輩「程々…男さんを奪えたらこれを最後にするよ」
女「あんたねぇ」
後輩「だって壊せば壊すほど快感を得られるんだよ?」
女「……」
女「まぁいいか」
後輩「ん?諦めてくれるの?」
後輩「それは嬉しいけど嬉しくないなぁ」
後輩「だって壊さないと気持ちよく…」
女「違うわよ」
後輩「?」
女「あんたの性格のことよ」
後輩「……」
女「人が快感を得る感覚とタイミングは人それぞれだし」
後輩「おぉ、なんか嬢っぽい発言!」
女「茶化さない」
後輩「すいません」
女「……あんたが言う私のおもちゃ」
女「奪えるかどうか試してもいいわよ」
後輩「……言われなくてもやってみせるよ」
女「お風呂入ってくれば?」
女「プリンが待ってるわよ」
後輩「そうしようかな」
後輩「あ、お姉ちゃんも一緒に入ろうよ」
女「えぇ…」
後輩「いいじゃんいいじゃん」
女「……私を堕としても快感なんじゃないの?」
後輩「ちょっと説明が足りなかったかな」
後輩「私の考える壊し方は好意の矢印の向きを自分に向けること」
後輩「例えば少年→少女の時に少年をそそのかして、少年→私にする…」
後輩「両思いならどっちかで十分だけどね」
女「なるほどね」
後輩「お姉ちゃんが男さんのこと好きなら気持ちいいけど…」
後輩「好きなの?」
女「……気になる人」
後輩「じゃあそこまで気持ちよくならないかなぁ」
後輩「それに百合ではあんまり堕とせてないから自信ないし平気だって」
女「あんまりって…」
後輩「あ、そうだ」
女「なに?」
後輩「私のこと惚れっぽいって言ってたけど」
女「……違うのね。フリってこと?」
後輩「そうそう」
女「性格ねじれてるわね」
後輩「て、照れるからそんな褒めないでよぉ…」
女「…………」
後輩「すいません」
女「まったく…」
女「あんたどれだけ壊してきたのよ」
後輩「…うーん。数え切れないかなぁ」
後輩「ま、そんなことよりお風呂入ろうよ」
女「まだ言ってるの?」
後輩「もしかして怖くなった?」
女「…………」
後輩「男さんに矢印向いてるお姉ちゃんが私に堕とされそうで怖くなった?」ニコニコ
女「矢印は向いてないし堕とされるとも思わないわ」
後輩「んじゃいいよね」
後輩「行きましょ行きましょ」
女「もう…」
後輩「(まだお姉ちゃんは破線くらいかなぁ)」
後輩「(どっち側から堕としてもいいけど…)」
後輩「(先輩の方から堕としたいなぁ)」
後輩「(何でだろう…)」
後輩「(まぁいっか)」
お風呂
後輩「……突っついていい?」
女「早速ね」
後輩「やらしく触りはしないから」
女「当たり前でしょ」
後輩「……」ツンツン
女「ひゃっ」
後輩「あはは、お姉ちゃん何その声」
女「……」イラッ
後輩「な、なに?」
女「身体洗ってあげるわ」ニコッ
後輩「いたいいたい!!」
女「ん?」ゴシゴシゴシゴシ
後輩「こ、降参しますっ!」
女「え?」ゴシゴシゴシゴシ
後輩「もっとやさしくっ」
女「?」ゴシゴシゴシゴシ
……
…
後輩「……」
女「ぐったりしてるじゃない。どうしたの?」
後輩「ひどいよぉ…」
女「一緒に入りたいって言ったのあんたじゃない」
後輩「うー…」
後輩「処女のお姉ちゃんに痛くされちゃった」
女「!」
女「な、何言ってんのよあんた」
後輩「違うの?」
後輩「清純なお姉ちゃんはどこにいっちゃったの」グスッ
女「まずは嘘泣きをやめなさい」
後輩「……でもあってるでしょ?」
女「あんたも処女のくせに」
後輩「……私はとっておきの為に残してるだけよ」
女「どういうことよ」
後輩「つまりこういうことよ」
……
…
妄想
後輩「ねぇジョニー」
「なんだい、後輩ちゃん」
後輩「……ねぇ、奥さんと別れる決意はしてくれたの?」
「そ、それはまだ…」
後輩「ふーん。じゃあ今日もお預けね」
「そんな…」
後輩「じゃあ今約束して?」
後輩「じゃなきゃ初キスも他の誰かにあげちゃうわよ?」
「…………わかった。判を押そう」
後輩「ありがと、ジョニー…」
現実
後輩「こういうこと」
女「誰よジョニーって」
後輩「もちろん世界一かっこいいジョニーよ」
女「…………」
後輩「この時の為にファーストキスも処女も残してるの」
女「もう何も言わないわ」
後輩「?」
入浴後
女「……ふぅ」
後輩「おいしい」モグモグ
女「その割に顔が落ち込んでるわね」
後輩「まだひりひりするのよ、お姉ちゃんが無理矢理したから」
女「あんたのせいよ」
後輩「……でもひりひりしてもおいしい」モグモグ
女「…………」
女「(なんかかわいいなぁ)」ナデナデ
後輩「な、なに?」
後輩「急に撫でるなんて…」
女「悪女だけど考え方は小悪魔っぽいなって思って」
後輩「ふ、ふん」
女「そんな考え方じゃきっと壊せないわよ」
後輩「……」
女「いや…絶対壊せない」
後輩「ふーん…」
後輩「ぜったい…」
後輩「ぜったいだよね?」
女「うん、もちろん」
後輩「ふふ、ジョニーデップすら堕とした私に勝てるのかな」
女「妄想でしょ」
後輩「茶化さないでよ」
女「ごめんごめん」
後輩「……」
後輩「矢印の向きは必ず変えてみせるから」ニコニコ
後輩の部屋
後輩「(プリンおいしかった)」
後輩「(……これからどうするかだけど)」
後輩「(確か今は一ヵ月過ぎたころだから…)」
後輩「(先輩が約束守るなら少しは猶予があるわけか)」
後輩「(ゆっくり攻めていこうかな)」
後輩「(……というより我慢してるなら焦らせた方が堕としやすいか)」
女の部屋
女「(まさかバレちゃうなんて…)」
女「(妹にはあんな態度取っちゃったけど…)」
女「(あの子かわいいからほんとに取られるかも)」
女「…………」
女「(やだなぁ…)」
女「(私から二ヵ月って言ったけど…)」
女「(あと一ヵ月…)」
女「(長いなぁ…)」
女「(はやく…はやく会い…)」
女「たいわけじゃないけどね!」
女「うんうん」
女「ただ私は確かめたいだけだから」アセアセ
女「…………」
女「一人でごまかしてもしょうがないよね」
女「……」
女「男さん何してるんだろ…」
女「はぁ…」
自宅
男「……すごい濃い時間だったな」
男「……」
男「からかってるのは分かるけど心臓に悪い」
男「ってか女さんが可愛すぎて靡く隙がないというか」
男「……やっぱこの写真かわいいな」
男「……」
男「いやだめだ」
男「触るなって言われたんだ」
男「我慢我慢…」
翌日 自宅
男「我慢我慢我慢…」
翌日 自宅
男「我慢我慢我慢我慢…」
翌日 自宅
男「我慢我慢我慢我慢我慢…」
翌日 自宅
男「我慢我慢我慢我慢我慢我慢…」
翌日 自宅
男「我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢…」
翌日 自宅
男「我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢…」
翌日 自宅
男「我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢…」
翌日 夕方 大学
後輩「先輩」
男「!」ビクッ
後輩「もうそろそろ限界なんじゃないですか?」
男「ま、まさか。女さんのことを思えばこれくらい…」
後輩「中々がんばりますね」
男「あと三週間くらい余裕だって」
後輩「ふーん」
後輩「余裕あるなら私と遊びに行くのも平気ですよね?」
後輩「……誘惑にも負けませんよね?」
男「…………」
男「心頭滅却心頭滅却」
後輩「……それ使い方あってます?」
後輩「じゃとりあえずホテル街に出発ですね」
男「待て待て」
後輩「?」
男「それもう最終段階じゃねーか」
後輩「何言ってるんですか?」
後輩「ホテル街ですよ?」
後輩「ホテルが密集したエリアのことじゃないですか」
後輩「周辺には遊べるとこもありますし」
後輩「誰もラブホテルに行こうなんて言ってないです」
男「ちくしょう…」
後輩「煩悩が消えてないのは誰なんでしょうね」
後輩「もっかいくらい唱えてみたらどうですか?」
男「……心頭滅却心頭滅却」
……
…
ロッテリア
後輩「いやぁジャンクフードと言えばやっぱりここしかないですよね」モグモグ
一気に後輩さげてきたな^^
男「ロッテリアか」
後輩「嫌いですか?」
男「いやそんなことは…」
後輩「やっぱりホテル期待してたんですか?」
男「ないない」
後輩「ふーん…」
後輩「絶品はほんとに絶品だ」モグモグ
男「けっこう食べるな」
男「よくそのスタイル維持できるもんだ」
後輩「ただ燃費が悪いだけですよ」
後輩「先輩はスレンダーな人が好みなんですか?」
男「うーん、まぁどちらかと言えばそうかな」
後輩「へぇ…」
後輩「(お姉ちゃんには……負けちゃうよね)」
後輩「(やっぱ色気じゃ勝てないのかなー)」
米国でもお世話になってたし
お前はよく分かってる
30分後 店外
後輩「ふー、おいしかった」
後輩「……近くにゲーセンありましたよね」
男「そうだな」
後輩「そこに行ってもいいですけど」
男「?」
後輩「こ、こっち来てください」クイクイ
男「なんだ」
……
…
裏路地
男「もう暗いからあんまり危ない通りは…」
後輩「…………」
男「どうした急に黙って…」
後輩「…………私がしてあげましょうか?」
男「な、なんの話だ」
後輩「わかってるくせにい」
男「……」
後輩「女さんって人に言われた条件はなんでしたっけ」
男「?」
男「二ヵ月我慢ってやつか?」
後輩「そう。我慢」
後輩「触れないでって言われたんでしょう?」
後輩「じゃあ…」
後輩「他の人が触れるのは何も問題ないですよね?」
男「!」
男「って何考えてんだ。からかうなって前に言っただろ」
後輩「じゃあ我慢できるんですか?」
後輩「楽になっちゃいましょうよ」
後輩「ほら、この手の動き見てください」
後輩「この手で触られたらきっと気持ちいいですよ」
後輩「ほら…」
後輩「ここなら誰も通らないですし」
後輩「……つらーい我慢から解放されますよ?」
男「う…」
後輩「ね、先輩」
後輩「人が来ちゃう前にはやく…」ツンツン
男「ま、まて…」
後輩「今させてくれたら」
後輩「明日も明後日もずーっと出してあげますから」
後輩「断らないなら決定ですね」
男「……………………」
男「すまん…未熟な俺を…許してくれ……」
……
事務所
女「…………」
店長「…………」カタカタ
女「電話来ましたか?」
店長「……来てないよ」カタカタ
女「そうですか」
店長「もう…」
店長「そんな落ち込まないでよ」
女「別にそんなことは…」
店長「それならいいけど」
店長「はやく次の好きな相手探さないとね」
女「……はい」
店長「…………」
女「…………」
店長「…………」
女「!」
女「ち、違いますよ!」
女「好きな相手じゃないです!」
店長「びっくりした…」
店長「すぐ否定されると思って言ったのに」
女「なんというかあまりにも自然すぎて…」
店長「ふふ」
女「違うのに…」
店長「すねないでよ」カタカタ
女「……」
店長「(……まぁさみしいって気持ちは分からなくはないけどね)」カタカタ
店長「(頻度はともかく率は100%だったんだから)」カタカタ
路地裏
男「うああぁぁああっ……!!」
後輩「ど、どうしたんですかいきなり!」
男「はぁ……はぁ…」
男「い、いたい…あまりにもいたすぎる…」
男「やっぱり効くな…これ…」
後輩「……な、何したんです?」
男「デ、デコピン……」
後輩「え、え…?」
男「(金的デコピン…し、死ぬ…)」
男「(加減なしでやるんじゃ…なかった…)」
男「(と、とりあえずジャンプ…しないと…)」
……
男「……」ピョンピョン
後輩「はぁ…」
男「情けない姿に見えるかもしれんが」ピョンピョン
後輩「はい」
後輩「そりゃもうとんでもなく情けなく見えます」
男「……」ピョンピョン
後輩「(漫画とかアニメでよく見るけど…)」
後輩「(誇張じゃないんだ…)」
男「やっぱ靡かないって」
後輩「…………」
男「本気じゃないって分かってたらさすがにな」
後輩「(本気…か…)」
後輩「その割にはかなり強引に回避したように思いますけど」
男「ま、まぁそれは…」
男「でも俺は女さんのこと好きだから」
後輩「はぁ…」
後輩「わかりました」
後輩「この方法じゃ無理ってことが」
男「?」
後輩「じゃあ私帰りますね」
男「ちょっ…もうちょっと時間を…」ピョンピョン
後輩「いやです」
後輩「それじゃ」スタスタ
……
…
後輩「(本気じゃないから……)」
後輩「(なんなのよその言い方…)」
後輩「(はやく堕ちちゃえばいいのに…)」
後輩「……………………」
後輩「(……もし本気になったら先輩はちゃんと見てくれるのかな…)」
二週間後 事務所
店長「……」カタカタ
店長「うーん…」
女「どうしたんですか?」
店長「いや、ちょっとね…」
女「?」
店長「……」カタカタ
店長「…………」カタカタ
女「(あと一週間…長いなぁ…)」
店長「女さん」
女「なんですか?」
店長「ちょっと話があるんだけど」
………
……
三日後 モスバーガー
男「ほんとにジャンクフード好きだな」
後輩「いやぁジャンクフードと言えばやっぱりここしかないですよね」モグモグ
男「…………」
後輩「なんですかその目は」
男「まぁ目移りすることもあるよな」
後輩「(目移り…)」
後輩「そーいやこの近くにゲーセンあるじゃないですか。行きましょーよ」モグモグ
男「……いいけど食べ終わってからな」
ゲーセン
後輩「リニューアルしてるだけあって綺麗ですね」
後輩「でもこれじゃあゲーセンらしさが一つも…」
男「(……後輩といるとペース持ってかれるなぁ)」
後輩「って聞いてます?先輩」
ナンなら許す
男「あぁそうだな」
後輩「ですよね」
後輩「やっぱ筐体がヤニで黄色くなってるくらいがちょうどいいというか…」
後輩「ってあれ?」
男「どした?」
後輩「こ、これかわいい!」
男「ん?あぁ、UFOキャッチャーのプライズか」
後輩「ほら見てください先輩!」
男「なんか見たことあるようなないような」
男「すまん。金銀までしかプレイしたことないんだよ」
後輩「もったいないですよー」
後輩「かわいいなぁこれ…」ドキドキ
男「たしかにもふもふしてそうだけど」
後輩「羽毛に包まれたい…」
男「あぁそう…」
後輩「あ、これもかわいい!」
男「……これはなんだ?」
後輩「知らないんですか!」
男「うーん…」
後輩「海からの侵略者ですよ!」
男「恐ろしいな」
後輩「口からイカスミ出せる可愛さも持ち合わせてるんですよ?」
男「それ可愛いのか?」
後輩「そりゃもう」
男「じゃあ取ってみるか」
後輩「先輩こういうの得意なんですか?」
男「ま、期待せずに見ときな」
三分後
後輩「ほんとに期待しない方がよかったですね」
後輩「間違い探し名人も見つけられないですよ」
男「…………数年前は得意だったのに」
後輩「ファイトです先輩!」
男「も、もう勘は取り戻したはず」
後輩「ほんとにそうならいいですけど」
……
…
後輩「これは…」
男「いやほんと期待外れでもうしわけない」
後輩「100円玉たくさん飲まれちゃいましたね」
「…………おい、やんねーならさっさとどけよ。邪魔だボケ」
後輩「は?いきなりなんなのよ」
男「ちょっ…おいやめとけ」
「邪魔っつってんのがわかんねーのか?」
後輩「うっさいな。デートしてんだから邪魔しないでよ」
「あ?」
男「だからやめろって」
男「すんませんでした。もうやめるんで次どうぞ」ペコ
後輩「……ふん」
男「ほら行くぞ」ギュッ
後輩「!」
後輩「は、はい…」
後輩「(い、いきなり手つなぐなんて…)」ギュッ
……
…
男「ほんと悪かった!」
後輩「え、なんで先輩が…」
男「夢中になって連コインしすぎたのは俺だ。気づかなくて悪かった」
惚れてたのに気付くだけだな
男「それに情けなかったしな」
後輩「?」
男「対応とかいろいろ」
後輩「いいですよそんな…」
男「……とりあえずケンカを買う相手を間違えるのはよくない」
後輩「…はい。すいませんでした」
男「おぉ、珍しくしおらしい」
後輩「だって…」
男「?」
後輩「(あーもう……ちょっとドキドキしたなんて言えるわけない!)」
後輩「…………」
後輩「(いきなり実線になっちゃったよ…)」
後輩「(しかもきっと私だけ…)」
後輩「(ミイラ取りが…)」
後輩「(ってこれ例えあってるのかな)」
後輩「見直しました先輩」
男「そうか?」
後輩「そりゃもうマイナスがひっくり返るくらい」
男「そんな評価低かったか」
後輩「冗談ですよ」
男「はぁ…」
後輩「……幸せが逃げないように私とひとつになります?」
男「!」
後輩「もしかして発情しちゃいました?」
男「……何を言うか」
後輩「あ、そーいやこの近くにホテルあるじゃないですか。行きましょーよ」
男「ゲーセンと同じ感覚で言わないでくれ」
男「もう遅いからゲーセンはまた今度だ。駅行こう」
後輩「…………」
後輩「…………や、やだ」ギュッ
普通に両方に好かれておしまいだと物足りない
男「服が伸びていく」
後輩「…………」
後輩「ってもう冗談ですよー」バシバシ
男「いたた」
後輩「やだなぁもう」
後輩「また来ましょうね」
男「……わかった」
後輩「次は私が100円玉たくさん持ってきますから」
男「そうしてくれると助かる」
一時間後 後輩の部屋
後輩「……あぁもう」
後輩「今までたくさん壊してきた側なのに…」
後輩「情けないのはこっちだっての」
後輩「…………」
後輩「先輩…」
後輩「あと4日くらいだっけ…」
後輩「我慢できるのかな…」
後輩「お姉ちゃんに会ってほしくないし……どうにか失敗してほしいなぁ」
後輩「…………」
後輩「念力…いや、ねんりきでも試そうかな…」
後輩「でもどうせオカズはお姉ちゃん…だよね…?」
後輩「私じゃない人をオカズにしてほしいって思うのもかなり変な話か」
後輩「私もキアヌとの妄想に浸ろう…」
翌日 自宅
男「我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢…」」
男「…………」
男「ダメだ!」
男「こんな方法じゃ耐えられない…!」
男「もう限界だ…」
男「なにか」
男「違う…」
男「ほうほうを…見つけ…ないと…」
男「…………」
男「心頭滅却心頭滅却…」
………
……
四日後 事務所
女「(二ヵ月経った…)」
女「(指名…してくれるのかな)」
女「(もし本気じゃなかったら…)」
女「(いや、きっと大丈夫)」
女「(待ってれば…)」
……
…
ガチャ
女「おはようございます」
店長「ん、おはよ」
女「店長。指名来てないですか?」
店長「……いきなりか。でも来てないよ」カタカタ
女「そうですか…」
店長「……二ヵ月後って言っても少しくらいのズレはあるんじゃない?」
女「そうですかね…」
店長「うん」
店長「気長に…」
店長「いや、気長には待ってられないか」
女「そうですね」
店長「…………」
女「ちょっと私物片づけてきます」
店長「ん。ありがと」
四日後 家
女「……」ピコピコ
女「……」ピコピコ
女「……」
女「二ヵ月経ったのに…」
女「今まで常連がいなくなってもお金のことしか考えなかったのに…」
心頭滅却心頭滅却
まず服を脱ぎます
シコったら死ぬと思えば余裕この方法で1年半我慢できた
女「……」
女「きっと飽きたんだよね」
女「男さんは最初から遊びのつもりで……」
女「……」
女「本気にしてバカみたい」
女「…………」
女「あ、負けちゃった」
女「……………」
後輩「(この落ち込み方…)」
後輩「(もう二ヵ月経ってるはずだし)」
後輩「(きっとまだ呼んでないんだ)」
後輩「(暴発でもしたのかな)」
後輩「(そこに颯爽と現れるかわいい後輩…!)」
後輩「(よし、家に乗り込もう)」
翌日 自宅
ピンポーン
後輩「…………」
後輩「…………」
後輩「あれ?」
後輩「いないのかな…?」
後輩「でも電気はついてるし…」
ガチャ
後輩「!」
後輩「カギ開いてる…」
後輩「せ、せんぱい…?」
男「…………」ブツブツ
後輩「ひっ」
後輩「ど、どうしたんですか…」
男「…………」
後輩「なんかつぶやいてる…」
男「……心頭滅却心頭滅却」
後輩「ひっ」
後輩「……だ、大丈夫ですか?」
男「…………!」ピクッ
後輩「よかった…」
後輩「やっと反応した…」
………
……
…
男「わるい。ちょっと煩悩を消してた」
後輩「常軌を逸してます」
男「どうも」
後輩「ほめてもないです」
後輩「(……ってことはやっぱり耐えられたんだ)」
後輩「(もうほんとにどんだけ好きなのよ)」
後輩「もう二ヵ月過ぎてますよ」
男「!」
後輩「何驚いてんですか」
後輩「無意識で過ごしすぎですよ」
男「どうも」
後輩「…………」
後輩「はやく呼べばどうです?」
後輩「邪魔者は帰りますから」
男「そ、そうか」
男「まずは部屋片づけるか」
後輩「私も手伝ってあげます」
後輩「…………」
後輩「…………はぁ」
………
……
…
後輩「なんで先輩は私に靡かないんですか?」
男「急にどうした」
後輩「流されてもいいじゃないですか」
男「……きっと後輩も会ったら惚れるよ」
後輩「それくらいかわいいと?」
男「そう」
後輩「(一緒に暮らしてるっての)」
後輩「んじゃなんで私とデートしてくれてるんですか?」
後輩「浮気ですよこれは!」
男「いや浮気って…」
男「…………サークルのみんなは大事な友達だ」
男「楽しいから遊んでるんだよ。それじゃダメか?」
真っ黄色っぽそう
怖いこというな
やめろください
マジレスするとたんぱく質として体内に吸収される
ひと月半オナ禁したときは黄色かったぜ
実体験かよwww
後輩「……そんなことないです」
後輩「(女としても見られてなかったのか…)」
後輩「(悔しいなぁ…)」
後輩「(なんで私が玉砕してんのよほんとに)」
後輩「…………」
後輩「はい、片づけ終わり」
男「手伝ってくれて助かった」
後輩「ほんとですよ」
後輩「ほんとに…」
三時間後 6回目 自宅
男「……いらっしゃい」
女「……」
男「あ、あれ?」
男「いつもの元気な挨拶がないけど…」
女「……」
女「だって…」
男「とりあえず中入ってよ」
女「はい…」
……
…
男「会いたかった」
女「ほ、ほんとに我慢できたんですか?」
男「うん。かなり苦しかったけど」
女「く、苦しい…」ドキドキ
男「女さん。好きだ」
女「!」
男「いきなりでごめん」
男「でも待ってる間どうしても言いたくて我慢できなかった」
女「男さん…」
女「あ、あの…」
男「?」
女「私信じます」
女「というか今まで信じられなくてすみませんでした」
男「……ど、どういうこと?」
女「ここ、苦しかったんですよね?」ツンツン
男「!」ビクッ
女「次来たときは二ヵ月間ずっと溜め続けたの私がぜんぶ出させてあげます」
男「つ、次って…?」
女「今日はひたすら焦らすだけです」ニコニコ
………
………
…
ピーピー
男「…………」ピクッ
女「ふふ、よく耐えられましたね」
男「…………」ピクッ
女「痙攣してる…?」
男「お、お金は…そこのふうとうに…」
女「(こんな状態なのに…)」
男「…………」ピクッ
女「次の出勤は三日後です」
女「それまでぜったい出しちゃだめですよ?」ツンツン
男「…………」
男「た、たっぷり…」バタッ
一時間後 事務所
女「(初めて素手で触っちゃった……服の上からだけど…)」
女「(でもすごいドキドキした…)」
ガチャ
女「ただいまです」
店長「……相当うれしいことでもあった?」
女「な、なんでわかったんですか」
店長「女さんから挨拶するなんて」
女「すみません。これから気を付けます」
店長「……」
……
三日後 7回目 自宅
女「おじゃましまーす」
男「うん。入って」
女「今日も部屋キレイですね」
男「ははは」
女「?」
男「かなり頑張ったし」
女「そうなんですか」
女「(あ、あれ…)」
女「(もっと鋭い眼光なのかと思いきや…)」
女「(案外ふつう?)」
女「というか…」
女「なにか清々しい顔をしているように見えますね」
男「………………」
女「どうしたんですか…?」
男「ごめん。出しちゃった」
女「!!!」
男「ほんとごめん」
女「なっ…!」
女「わ、私が来るまで出しちゃだめって言ったじゃないですか!」
男「不可抗力なんです」
女「二ヵ月我慢できて三日待てないって…!」
女「ほんっとにありえないです!」
男「………………」ジー
女「な、なんですか。見つめないでください」
男「女さんが焦らしすぎるからだって!」
女「……し、知らないですよそんなこと!」
女「私はただ少しだけ男さんにご褒美をあげたくて!」
女が悪い
……
…
男「これでわかった?」
女「……」
女「出す意思はなかったけど寝てるうちに」
女「…勝手に出ちゃったってことですか?」
男「まぁそんな感じ」
女「ふーん。男の人の身体って欠陥だらけですね」
男「すねてる」
女「……そりゃすねますよ私だって!」
女「二ヵ月経っても連絡来ないし!」
女「私のこと好きなくせに不安にさせるし!」
…だがそこがいい
何時間待たせるのだ
男「!」
男「ごめん」
男「そこまで俺の事考えてたとか思わなくて」
女「……」
女「べ、別にずっと考えてたわけじゃないですよ」
男「……」
女「お風呂入ってる時とかご飯食べてる時とか寝る前とか…」
女「事務所いる時とかゲームしてる時とか」
女「…それくらいです」
男「そ、そうか…」
女「…………」
男「…………」
女「…………」ソワソワ
男「…………」ソワソワ
イチャイチャしやがって
男「あ、お、お茶入れてくる」スタスタ
女「あ、は、はい、ありがとうございます」
女「(あーもう何やってんの私は…)」
女「(男さんを困らせるために来たんじゃないのにいい)」
女「(…………焦らすだけならあんなにうまくいったのに)」
女「(こうやって改まるとほんと緊張する…)」
……
風で飛ばされないような安定感のある奴が来そう
ワロタ
ゲームの主人公になった感覚
女「…………」ズズ
男「…………」ズズ
女「ふぅ…」
男「…………」
女「(こんなことしてるだけじゃ時間が…)」
女「と、とりあえず景気づけにぷよぷよでもします…?」
男「……………………」
男「(……いい加減勇気出さないと)」
男「(デリバリーしてるし今更過ぎるけど)」
男「い、いや…」
男「今日はしてほしい。その為に呼んだんだ」
女「!」
女「それってあの…」
女「もしかして…」
女「アレですか」
女「(いや聞いてもしょうがない…)」
女「(デリバリーされてるし今更過ぎるか…)」
男「ア、アレです…」ドキドキ
女「……じゃ、じゃあ用意しますね」ドキドキ
男「平常心平常心…」
女「ふふ、男さん声に出てますよ」
男「しまった…」
女「ま、まったくしょうがない人ですねー」
女「私を呼んでおきながら」
男「あ、あはは」
女「平常心平常心…」ボソボソ
女「(でもやるからにはモードに入らないと…)」
女「ふー」
女「…………よし」
女「まずは手袋つけて…」
女「アイマスクさせて…」
男「えっ」
男「(あ、当たり前だけど何にも見えない…)」
女「下を脱がせて…」パパッ
男「(は、速い…!)」
女「ゴムつけて…」テキパキ
男「(手袋してるのに…!)」
女「……………男さん」
男「な、なに?」
女「お触り禁止です」
お前みたいなキモ客から十分金搾り取ったから
刺される前に逃げたよ
そうか…
女「アイマスクしてるから分かると思いますけど私は脱ぎません」
女「素肌同士の触れ合いはもちろん禁止です。キスもだめです。ローションもかけません」
女「フェラもできません。ローターもバイブも使いません。ごっくんもだめです」
女「聖水、顔射、撮影、AFすべて禁止です」
女「……それでもいいですか?」
男「もちろん」
男「というか我慢できないんでそろそろ…」
女「あ、は、はい…」
女「じゃあ」シコシコ
男「あっ」
女「遠慮」シコシコ
男「これっやば」
女「なく」シコシコシコシコ
男「あうっ」
女「…………えっ」
………
……
…
女「は、はやすぎます…」
男「す、すいません」ゼェゼェ
女「(息切れしてるし…)」
女「きっと最速記録ですよ…」
男「あはは、どうも」
女「ほめてません!」
男「はい」
女「もうちょっと…」
男「?」
女「(もうちょっと楽しみたかったなんて言えないよ…)」
男「ど、どうしたの女さん」
女「なんでもないですー」プイ
しかたないよねうん
ピンサロより高いけどかわいい子多いってイメージがある
一度行ってみたいよ思ってるけどまだ行ったことない
一時間一万ちょい
実際は触らしてくれるしいろいろできる
㌧
東京か神奈川でおすすめの店あったら教えて
すまん大阪しかわからんわ
大阪のおすすめはどこなんだってばよ?
梅田のコスパラと京橋のmoemuが有名
前者は名前通りコスプレきてるから基本脱がない
後者はヘルス寄り
本番蟻とかもありえるんかね?
嬢に寄るとしか
本番したいならソープいけ
男「……残った時間は」
女「男さんがしてくれるならぷよぷよしたいです」
………
……
…
男「(ん…?)」ピコピコ
女「……」
男「(いつもみたいなキレがない…)」
女「……」
男「(というかこれは…)」
女「……」
男「(生かさず殺さず…)」
女「……」
男「(焦らされてる…?)」
女「……」
5分後
男「あ、やられた」
女「……これくらい」
男「?」
女「さ、最低でもこれくらいは焦らしたかったです…!」
男「!」
男「そ、それって…」
ピーピー
女「じ、時間です。じゃあ私帰りますね。見送りもいいですっ」
男「あ、ちょっ…」
女「そ、それじゃあまた」ドタドタ
ガチャッ バタン
……
…
男「……」
女「(あーもう結局言っちゃったよぉ…)」
女「(回りくどい言い方だったけど…)」
自宅
男「…………気持ちよかった」
男「びっくりするほど気持ちよかったけど」
男「早かったよな。びっくりするくらい」
男「……」
男「ほんとに…」
男「ほんとに情けないな俺…」
男「あ、お金渡し忘れた…」
男「!」
男「メモが置いてある…」
『これ私の携帯番号です。次からはお店じゃなくてこっちにかけてきてください』
『キャンペーン中なので半額になるみたいです。シフトはメールで送りますので』
先は長い…
二週間後 大学
後輩「家連れてってください」
男「今日もダメだ」
後輩「えー」
後輩「どれだけじゃれあってるんですか。いやらしい」
男「…………」
後輩「…………」
後輩「(まぁあの時に断られた時点で負けてたか…)」
後輩「(でも…)」
後輩「(悪あがきくらいは…)」
ネコ「……」スリスリ
後輩「ほら、この子たちも先輩がいやらしくて近づきたくないって言ってます」
男「そんなこと言わない」
ネコ「にゃぁ」
男「……」スリスリ
ネコ「…にあ」
男「かわいいな」
後輩「はい」
男「判明してる分は去勢できたな」
後輩「ですね」
男「根気よくやってきた甲斐があった」
後輩「……」スリスリ
ネコ「……」スリスリ
男「じゃあ俺は帰るよ」
後輩「……わかりました」
後輩「明日から一週間は私と買い物ですよ」
男「わかってる。前から約束してたしな」
後輩「(これが最後のチャンスだ……)」
>>588の判明してる分は去勢できたなとか
野良猫去勢してんのかね
そういうサークルなんだろ
ましろ色シンフォニーのみうさなの部活みたいな
翌日 大学
後輩「じゃあ行きましょうか」
男「そうだな」
ネコ「……」スリスリ
五日後 家
女「(アレもアレも買いに行かないとダメだよね)」
女「(出かけなきゃ…)」
………
……
…
女「(ふぅ。買えたわね。)」
女「(まぁアイマスクとゴムと手袋しか買ってないけど…)」
女「(服も新しいの欲しいな)」
女「(ショッピングモール行こうかしら)」
三時間後 ショッピングモール
男「最近ずっとここばっかりだな」
後輩「飽きましたか?」
後輩「(まぁ飽きられてもここからは動きませんけど)」
男「いやそういわけじゃ…」
後輩「?」
男「あ、足が…」
後輩「情けないですね。男の人は」
男「なんで女の人は買い物の時にそんなに歩けるんだ…」
後輩「そりゃ楽しんでるからです」
男「……」
後輩「!!」
男「なんだ急に目見開いて」
後輩「……腕組みましょ、先輩」ギュッ
男「な、なんだどうした。俺には女さんが…」
後輩「先輩はそれしか言えないんですか」
後輩「(よし…今ならタイミングもばっちり)」
後輩「……あっ!お姉ちゃーん!」
女「ん…?」
女「この声は妹…?」
女「!!」
男「!!」
後輩「偶然だね。お姉ちゃん」ニコニコ
女「あ、あんた…」
女「それに男さんも…」
男「お、女さん…!」
男「こ、これは違うんだ。ただのサークル1頼りになる後輩で…」アセアセ
後輩「……」
女「(そうか…サークルの先輩って言ってたっけ)」
男「お、女さんのことが好きです」
後輩「ふふ。今言っても逆効果じゃないんですか?」ギュッ
女「……最近帰りが遅いと思ったら」
女「まさかこうやって見せ付ける為にずっと…」
後輩「……さぁ、どうかな」
男「(ってかお姉ちゃんって言ってたよな…)」
男「(俺は女さんの妹とずっと一緒にいたのか…!)」
後輩「とりあえずご飯でも行く?」
女「望むところよ」
レストラン
女「なんでこの配置なのよ」
後輩「なんのこと?」ギュッ
男「……」
女「そういうお店じゃないからやめなさい」
後輩「はいはい」ガタッ
後輩「お手洗い行ってこようかな」スタスタ
男「…………」
女「…………」
男「…………」
女「……男さん」
男「な、何でしょう」
女「いつも通りでいいですよ」
男「…うん」
女「あの子は私の妹なんです」
男「(やっぱそうか…)」
女「仕事のことは知ってるんで隠さなくていいですよ」
女「まぁバレたのは最近ですけど」
男「……もしかしなくても俺が後輩にペラペラ喋ったからじゃ…?」
女「…いや、それはないです」
女「(原因の一つではあるだろうけど)」
男「……い、妹さん可愛いな」
女「そうですか?」
男「さすが女さんの妹って感じで」
男「もちろん女さんが一番なのはずっと変わってないけど」
女「……それなのに私とじゃなくてあの子と遊んでたんですね」
男「い、いやそれは…」
女「(焦っちゃって…)」
女「男さん。こっちに来ません?」トントン
……
…
後輩「何この配置!」
女「何の話?」
女「はい、あーん」
男「い、いいのか?」
後輩「見せつけてくれるなぁ…」
後輩「(まぁ最初にしたのは私だけどさ…)」
後輩「(そういうお店じゃないってお姉ちゃんが言ったのにい)」
後輩「(いちゃいちゃしないでよ…)」
後輩「(そんなに近づかないで…)」
後輩「(そんなに…)」
後輩「…………」
後輩「(ってあれ……今なにか違和感が……)」
翌日 大学
後輩「昨日は見せつけてくれましたね」
男「そう見えたかもしれんが…」
後輩「…………」
後輩「良いこと教えてあげましょうか、先輩」
男「?」
後輩「お姉ちゃん男さんのことかなり気に入ってますよ」
後輩「というか多分好きなんじゃないですか」
男「!」
男「ほ、ほんとか!」
後輩「まぁ最低でも破線くらいですかね」
男「…破線?」
後輩「何でもないです。とりあえずもっと自信持っていいですよ」
男「ありがとう!」
後輩「(……鈍すぎるから助言あげただけだってのに)」
後輩「(こんなに喜んじゃって…)」
後輩「(……最後のチャンスだと思ったんだけど)」
後輩「(あっけなかったなぁ…)」
後輩「…………」
男「もしかして後輩も応援してくれる気になったのか?」
後輩「応援…?」
後輩「まさか」
男「……とにかく俺は靡かねーって」
後輩「そうですか」
後輩「…………」
後輩「…………」
後輩「…………」
後輩「(い、いや何考えてんの私…)」アセアセ
処女だし問題ないよね
一週間後 大学
男「じゃあ今日はもう帰るよ」
後輩「ふーん。また呼ぶんですか」
男「まぁ…」
男「って別にそんな頻繁に呼んでるわけじゃ…」
男「(バイトもしなきゃいけないし)」
後輩「…………」
後輩「(取らないでよ…)」
後輩「(私から…)」
後輩「…………」
後輩「…………」
後輩「(…………マクドでも寄ろうかな)」
こうか
自宅
ピリリリ
男「もしもし」
女『あ、男さんですか』
男「今日は…大丈夫なんだよな?」
女『もちろん』
男「…じゃ、じゃあお願い」
女『ふふ。緊張してるんですか』
男「い、いやそんなことは…」
男「(スーファミセットしとこうかな)」
女『……今日はゲームなしですよ』
男「……もちろん」
男「(読心術かよ)」
女『じゃあ一時間くらいで着くように向かいます』
男「ん。よろしく」
ガチャ
男「あ、時間伝え忘れた」
男「まぁいいか」
一時間後
女「やっぱり綺麗にしてあるんですね」
男「そりゃもちろん。んで時間は45分で」
女「……わかりました。じゃあさっそくしちゃいます?」カチカチカチカチ
男「……頼む」
女「ふふ。欲望に忠実でよろしい」ナデナデ
女「じゃあまずはアイマスクして…」
女「脱がせてゴムして…」
女「今日はこれでやっちゃいますね?」シコシコ
男「あう」
男「お、女さんっ」
女「なんですか?」
男「てっ、手袋はいらないん…ですっ…か…!」
女「素手はヤですか?」シコシコ
男「そ、そんなことはっ…」
男「(ちょっとだけ女さんの指が根元に触れてる…!)」
女「かわいいですよ。男さん」シコシコ
男「あ、こ、これ、ほんとやばいって…!」
女「……」シコシコ
男「それに手のぬくもりが…!」
女「……ぬくもりが?」
男「な、なんで…続けて…」
女「ふふ。情けない声出しちゃってさぁ…」
言われてみてええ
男「た、たのむ…」
女「しょうがないなぁ」シコシコシコシコ
男「うっ…」
女「よくできました」ナデナデ
男「はぁ…はぁ…」
女「でもまだできますよね?」シコシコ
男「!!」
男「いきなりそんなっ…」
男「や、やすませて…」
女「えー」
女「やだ」シコシコ
男「ちょっ…そんなに刺激されたら…!」
女「私」シコシコ
女「見てみたいなぁ」シコシコ
女「男の人が」シコシコ
女「潮吹いちゃうところ」シコシコ
男「ちょ、まじで、ま、待って」
女「やだ」シコシコ
………
……
いきなりエロくなる感じ
男「……はぁはぁ」
女「息切れしちゃってますよ男さん」ニコニコ
男「こんな短時間に二回連続なんて…」
男「は、初めてだ…」
男「はぁはぁ…」
女「前があっさりしてたからですよ」
男「……根に持つタイプなんだな」
女「そりゃあの子の姉ですから」
男「納得」
女「じゃあそろそろもう一回しちゃいます?」
男「……これ以上やると情けない死因になりそうだ」
………
……
…
ジリリリリリ
男「ん?」
女「……あぁ、アラームですね」
男「そうか」
男「じゃあこれ料金」
女「?」
男「前の分と合わせたお金」
女「そうでしたね。貰い忘れてたんでした」
男「安いからほんと助かる」
女「……そうですか」
………
……
…
三日後 大学
後輩「ふーん。それで三日間じゃれあってたわけですか」
男「まぁそうだな」
後輩「はぁ…」
男「どうした」
後輩「なんでまだ告白しないんですか?お姉ちゃん完全に矢印向けてますよ」
男「?」
男「とにかく、それはもう少し準備が…」
後輩「はやくしないと実力行使で奪っちゃいますよ?」
男「告白したら引き下がるのか?」
後輩「そんなことは関係ないですね」
男「そうだ、昨日かわいかったのがさぁ…」
後輩「またのろけですか」
後輩「(…また)」
後輩「(話を聞いてるだけでもつらい…)」
後輩「(何がこんなにつらいのかな…)」
後輩「(奪えないのが明らかになってきたからなのか…それとも…)」
後輩「(……そっか……私……)」
二日後 家
女「ただいま」
後輩「お姉ちゃんおかえり…」
女「やけに沈んでるわね」
後輩「……ちょっと自信なくしてきたの」
女「あんだけ啖呵切ってきたのに?」
後輩「恥ずかしながら…」
後輩「先輩はほんと一途だよ。お姉ちゃんのこと好きすぎる」
女「だから絶対って言ったのに」
後輩「面目ない」
女「いやいや謝る必要は一切ないわよ」
後輩「……お姉ちゃんも好きなんでしょ?」
女「い、いや私は…」
後輩「最近はお姉ちゃんからただいまって言ってくれるし」
女「(……私ってそんなにわかりやすいかしら)」
女「あーもう悪い?」
後輩「……」
女「気になる人はもう卒業したわよ」
後輩「!」
後輩「……そっか」
女「なんなのよ」
女「調子狂うわね」
後輩「なんで告白しないの?」
女「あー、あんたそれ男さんにも言ったでしょ」
女「あんまり困らせないでよね」
後輩「…ごめん」
女「男さんがもうちょっと待ってほしいみたいだからね」
後輩「(そんなことまで共有してるんだ…)」
女「私は待ってるの」
後輩「(なによもう、普通のカップルじゃん…)」
女「聞いてるの?」
後輩「…………」
女「あんたが聞いてきたのに」
後輩「ごめん」
後輩「……私大学行ってくる」
女「え、もう夜じゃない」
女「用事でもあるの?」
後輩「わかんない」
女「?」
後輩「……行ってきます」
女「はいはい。気を付けてね」
後輩「…うん」グスッ
………
……
…
大学
後輩「……」スリスリ
ネコ「……」スリスリ
後輩「ねぇ」
ネコ「?」
後輩「変えられちゃったよ」
ネコ「?」
後輩「多分だけど…また明日来るね」
ネコ「……」スリスリ
後輩「……ほんとは来たくないけど」
ネコ「!」
後輩「もし来たら…」
翌日 家
女「たっだいまー」
後輩「ご機嫌だね」
女「そう見える?」
後輩「言動すべてが」
女「ふふ」
後輩「(むかつく…)」
女「明日デートに誘われたのよ」
女「待ってた甲斐があったわ」
後輩「楽しみなの?」
女「そりゃね」
後輩「そっか…」
後輩「(もう実力行使でもタイムリミットぎりぎり…いや…)」
後輩「(でもとりあえず昨日のうちに決意しといてよかったかな)」
後輩「ねぇ、お姉ちゃん。一緒にお風呂入らない?」
10分後 お風呂
女「またゴシゴシ洗ってほしいの?」
後輩「……」
女「やけに沈黙多いわね」
後輩「先に謝っとく。ごめん」
女「?」
女「あ、もしかしてあんた私のプリンでも食べt」
後輩「んっ」
女「!!」
後輩「も、もう一回だけ口に…!」
女「ちょっ…やめてっ」
女「な、なにすんのよあんた!!」バシッ
後輩「あいたた……わ、わかんないの?」
後輩「キスだよ」
後輩「好きな人とするキス…」
は?
女「!」
後輩「……な、なんかさー」
後輩「先輩側から堕とすの無理っぽくてさ」
後輩「あはは」
女「冗談でやっていいことと悪いことが…」
後輩「本気なの!」
後輩「私…お姉ちゃんがすきなの」
後輩「……」
後輩「ゲーセン行ったときは…実線になったはずなのに…」
後輩「途中からね…」
後輩「うぅ…」グスッ
女「……ちゃんと聞いてあげるから」
後輩「う、うん…」フキフキ
後輩「せんぱいがおねえちゃんのこと話すの聞いてて…」
後輩「たくさんこわせそうで楽しみだって…ずっとそうおもってたけど…」グスッ
後輩「ちがうの…」
後輩「わたしが知らないおねえちゃんのこといっぱいしってるせんぱいが…」
後輩「すっごいうらやましくて…」
女「……」
後輩「せんぱいがおねえちゃんの話してるのも…」
後輩「おねえちゃんがたのしそうに話すのも聞きたくなくて…」
後輩「それに気づいたら…わたし…」
後輩「どうしてもとられたくなくて…」
後輩「どこにもいかないでよおねえちゃん」ギュッ
女「…………」
後輩「食事したときもおねえちゃんにちかづいてほしくないっておもってた…」
後輩「わがままでごめんなさい…」
後輩「せんぱいじゃなくて私をえらんでよ…」
後輩「おねえちゃんおねがい…」
女「……」ナデナデ
女「妹ながらかわいいわねほんとに」
後輩「!」
女「でもだめよ」
後輩「……」
女「私、男さんのことが好きだから」
後輩「やだやだっ」
女「……こればっかりは聞いてあげられないわ」
後輩「これからいい子になるから…」
後輩「おねえちゃんすき…だいすき…」
女「あんたがもっと…」
女「もっと前からモーションかけてきてたら」
女「きっと堕とされてたと思うわ」
後輩「いっ、今からもっとがんばるからぁ…ねぇ…お願い…」
女「…………」ナデナデ
むしろ、お前は何を読んで来たんだよ
一時間後 大学
後輩「……」グスッ
ネコ「……」
後輩「あーあ」
後輩「やっぱり来ちゃった…」
後輩「くやしいなぁ…」
後輩「ほ、ほんとはきたくなかった…のにさぁ…」
後輩「うぅ…」
ネコ「……」スリスリ
後輩「あ、ありがとっ…」ギュッ
ネコ「……」
後輩「あなただけだよ…なぐさめてくれるの…」グスッ
ネコ「……」ペロペロ
ネコ「(塩辛い…)」
一時間後 ネカフェ
後輩「(目移りするのも食べ物だけじゃ…)」
後輩「(やっぱり私惚れやすいのかな…)」
後輩「(よし。もう今日は思いっきり泣こう)」
後輩「(それで泣くのはやめにしよう…)」グスッ
後輩「(私のキャラに似合わないし、笑顔の方がかわいいし)」
後輩「…………」
後輩「…………」
後輩「(映画か漫画か…)」カチカチ
後輩「(何見て号泣してやろうか…)」カチカチ
後輩「(ん?)」
後輩「(これ、なんだろう…)」
後輩「…………」カチカチ
後輩「…………」
後輩「…………」
教えてごらん?
翌日 自宅
女「やっぱり三回連続は無茶だったのかしら…」
男「…………」
女「……」ツンツン
男「うぅ」
女「まだいけそう」
………
……
…
男「はぁ…しぬかとおもった」
女「ありがとうございます」ニコニコ
男「……」
男「ぷよぷよしようか」
女「……いいですよ」
デリバリー
……
…
男「……」ピコピコ
女「……」ピコピコ
男「……女さん俺と付き合ってください」
女「はいっ」
男「隙あr」
男「えっ」
女「動揺しませんよ」
男「な、なんで…」
女「はい、隙あり」
男「しまっ…」
女「二回目は通用しないってことです」
男「?」
女「(それにしても考え方が一緒とは…)」
男「また負けた…」
女「ふふ」
男「じゃあ勝った女さんにプレゼントです」
女「え、な、なんですか?」
男「はい、これです」
女「……ネックレスだ」
男「似合うと思って」
女「うれしい…」
女「多分ですけど…これかなり高価な物じゃないですか?」
男「……お願いがあるんだ」
女「?」
男「このプレゼント渡せるくらいのバイトなら俺が頑張るからお店辞めてほしい!」
男「頼む!」
女「…………騙しててすみません。もうお店は辞めてます」
女「というか閉店しちゃいました」
男「そ、そうだったのか…」
女「だからその分のお金は返します」
女「ほんとにだましててすみません」
男「いやそれは全然いいんだけど」
男「……なんでそんなことを」
女「お店なくなったって知ったら他のデリバリーするかもって…」
女「他の人に手コキさせたくなかったから…です…」
男「(女さんの中では手コキしか興味ない奴みたいになってないか)」
男「そんなことしないのに」
男「この女さんの写真で決めたから」
男「ほら」
女「な、なんですぐ出せる場所に持ってるんですか」
男「そりゃいつでも使えるように…」
女「……つ、次からは本物だけ見てください」ドキドキ
わかってた
おっさんが考えるから男の理想にマッチするんだろうなあ
一週間後 自宅
男「……付き合ってからは家に来るの初めてか」
女「そうですね」
男「今までも呼んでたけど緊張するな」
女「じゃあ緊張解くためにしちゃいましょうか」ニコニコ
………
……
…
女「手袋は付けずに…」
女「アイマスクもナシで…」
女「下は脱がせて…」パパッ
女「ゴムもつけない…」
女「……………男さん」
男「な、なに?」
女「お触りも有りですよ」
妹がまだ何かやらかしそう
投下ペース的にもやっぱ書き溜めアリなんだろうか
女「アイマスクしてないから分かると思いますけど脱がせてもいいですし」
女「素肌同士の触れ合い、キス、ローションプレイ」
女「フェラ、ローター、バイブ、ごっくん…」
女「聖水、顔射、撮影、AFオールオッケーです」
女「……それでもいいですか?」
男「もちろん!」
女「やった!」ギュッ
終わり
良かったぞ
恋愛したくなった
どこ行った!
アナルは処女じゃない可能性あり
後日 家
後輩「それだけ積極的にしといて」
後輩「ヤることヤらずに帰ってきたんだ」
女「二人の速度があるからいいの」
後輩「ふーん。お姉ちゃん処女だし、しょうがないか」
女「まだ言うか…」
後輩「まぁいいや。バイト行ってくる」
女「あんたバイトなんか始めたの?」
後輩「……割高のオープニングスタッフよ」
女「?」
三時間後 新規事務所
店長「かわいい女の子もそろったし」
店長「開業準備ばっちり」
店長「細かなニーズに答える新世代のヘルス。その名も…」
自宅
ガチャッ!
後輩「デリバリー百合ヘルスから勝手にやってきました!」
男・女「!」
後輩「ジョニーは諦めるよ」
後輩「その代わり…」
後輩「世界一可愛いお姉ちゃんは奪って見せるから!」
終わり
AFもNGって言ってんじゃん
お疲れ様でした
最後があっさりだけど悪くなかった
すごい面白かった
1さんありがとう