需要ある?
わかった
長くなるけどごめんな
あと文章下手だけど読んでくれたら嬉しい
高校入学してサイエンス部に入った
理由はラクそうだったから
陰キャとしてゆるく高校生活を過ごすつもりだった
そしたらなぜか部室にギャルみたいな女が来た
ギャルは2年生で先輩だった
前年度の顧問の先生に懐いてて入部したらしい
初めはギャル仲間と3~4人いたらしいが
残ったのはこの先輩だけだったようだった
ギャルはしょっちゅう服装検査で引っかかってた
ブラウスから透けてる下着の色とかを注意されて
「マジきもくね?見んなやって話」とか言ってた
ギャルの透けブラが黒だった日には俺は気が動転した
生活指導でやたら引っかかるわりにギャルは頭が良かった
成績ランキングが貼り出される学校だったが
ギャルの学年順位は大体1ケタだった
ランキングを上から見ていくとすぐ名前が見つけられた
サイエンス部は夏休みに天体観測合宿に行く
と言っても、山の中のバンガローを借りてキャンプして
夜明けまで他愛もない話をしながら流れ星を見るだけ
地面にブルーシートを敷いて寝転がって星を見る
雑魚寝状態で各々好き勝手にしゃべってた
俺がちょっとウトウトしだした頃にギャルが隣に来た
いい匂いすぎて一瞬で目が覚めた
ドキドキしすぎて死ぬかと思った
この時俺はギャルのことが好きだと自覚した
1年生は俺と男子がもう1人、女子が1人だった
制服が秋服に変わったころ1年生の男子が相談してきた
ギャルに告白しようと思うと言われた
俺は頭が真っ白になった
あまり覚えていないが頑張れ的なことを言ったと思う
しかしその男子はギャルに振られた
「誰とも付き合うつもりはない」と言われたらしい
その言葉で俺は告白してもないのにいたく傷ついた
俺も一緒に振られたようなもんだと思い込んで落ち込んだ
そしてギャルのことは諦めようと心に誓った
冬が来て春が来て、ギャルは3年生に、俺は2年生になった
サイエンス部には、1年生の女子が3人入ってきた
わかっていたことだがギャルは面倒見がよく
1年生に勉強を教えたりジュースをおごってやったりしていた
俺たちの学年も、1年生をかわいがっていた
そして夏合宿が来た
この時事件が起きる
1年生の女子の1人から、俺が告白された
突然のことすぎて俺はパニック状態になり
その場では返事を保留にした
例によって雑魚寝の流星観測
俺は1年生の女子のことで頭がいっぱいになっていた
やがて空が曇ってきてしまった
流星観測は切り上げることになり
部員はぽつぽつバンガローに戻り始めた
観測場所からバンガローに戻る道すがら
後ろから声をかけられた
ギャルだった
曇っちゃって残念だったね~とかなんとか言われながら
二人っきりで夜道を歩いた
さっきまで1年生の女子で頭がいっぱいだったのに
俺はその時、やっぱりギャルが好きだと思っていた
思い切ってギャルに言った
さっき1年生の女子から告白されたこと
ギャルはきょとんとした顔をして
そしてゲラゲラ笑った
良かったじゃん、おめでとう、とかなんとか言って
俺の背中を強く叩いた
俺は泣きそうだった
ふとギャルが静かになった
不思議に思ってギャルの目線を追って空を見た
雲が晴れて満天の星が広がっていた
その時ギャルに言われた言葉を今でも覚えてる
「やっぱり、あんた持ってるね」
ギャルの目が潤んでるように見えた
本当に潤んでたのかは今ではもうわからない
夏が終わり、3年生のギャルは部活を引退した
そして秋が来た
俺は1年生の女子と付き合っていた
彼女は独占欲が強くメンヘラ気味で扱いが大変だった
付き合ってはいたが、彼女に手を出す気にはならず
俺はだんだんサイエンス部から足が遠のいていた
ある時、張り出されている成績ランキングに
ギャルの名前がないことに気がついた
いつも上位にあったから不思議だった
上から全部見て行ったが名前はなかった
ギャルは時々部室に遊びに来てダベっていた
会った時に、俺はテストのことを聞いてみた
するとギャルは、最近学校を休みがちで
受けていないテストがあるという話をした
受験が近いんだから、遊んでないで
学校にもちゃんと来なきゃいけないですよ、
みたいなことを俺は言ったと思う
ギャルは、お前偉そうだな~!みたいな感じで
ゲラゲラ笑っていた
冬になって、ギャルは部室に来なくなった
受験勉強が忙しくなったのだろうと思っていた
ギャルが入院したと聞いたのは12月の終わりだった
どこに入院してるとか、何で入院してるのかとか
俺に分かることはほとんどなかった
ただ、ギャルのことが心配で仕方なかった
送ったメールも返ってこなかった
1月になって、センター試験が近づいてきた
ギャルからメールが来た
俺は携帯に飛びついてメールを開いた
受験のこともあり、退院して保健室登校をするらしい
そしてある放課後、俺は保健室に行った
ギャルは変わらない明るい声で俺を迎えた
しかし、ギャルは変わってしまっていた
ロングだった髪はなく頭にはバンダナを巻いていた
顔はパンパンにむくんでいた
もはや誰だかわからないレベルだった
正直、俺は引いてしまった
ギャルが悲しそうな顔をして、俺は我に返った
そしてギャルは小さい声で、うち、白血病なんだと言った
誰かに殴られたみたいに頭がグルグルした
ふと、ギャルの耳に目が行った
俺は苦し紛れに、ピアス開けたんですか、と聞いた
するとギャルは手で耳を触って
これは検査のための採血をしたあとだよ、と言った
俺は自分の無知さが恥ずかしくてもうダメだった
どうやって保健室から逃げ出したかわからない
とにかく何もかもを受け入れられなかった
いよいよセンター試験が次の週に迫っていた
ギャルからメールが来た
「デートしよう」という内容だった
駅で待ち合わせた
バンダナとパンパンの顔だったけど
それは紛れもなくギャルだった
ギャルは以前と変わらず接してくれた
そのおかげで、俺も以前と同じように接することができた
電車とバスを乗り継いで
キャンプ場に着いたころには辺りは暗くなっていた
帰りの終バスの時間を何度も確かめてから
俺たちは歩いた
星が見える原っぱでブルーシートを広げて寝転がった
他には人影もなく風が吹いてめちゃくちゃ寒かった
でも暖かかった
ギャルが隣にいたから暖かかった
他愛もない話をしながら、星がいくつか流れるのを見た
終バスの時間はすぐに来た
俺が体を起こして帰り支度をしようとすると
ギャルは俺のコートのそでを引っ張ってきた
可愛かった
俺はついギャルの横にもう一度寝転がった
するとギャルは俺に覆いかぶさるように体勢を変えて
俺の唇に、唇を当ててきた
突然のことすぎて俺は驚いた
ごめん、とギャルが言った
ギャルの目から俺の顔に、涙がぽたぽた落ちてきた
うち、死ぬかもしれん
この時俺はようやく気が付いた
去年、同期の男子がギャルに告白したときの返事
「誰とも付き合うつもりはない」というのは
自分が死ぬかもしれないからというのが理由だったんじゃないか
俺はギャルを抱きしめた
めちゃくちゃ力をこめて抱きしめた
痛いよ、とギャルは困ったように笑った
そして帰り支度を始めようとした
今度は俺が逆にギャルに覆いかぶさる体勢になった
ギャルは驚いてた
俺からギャルにキスをした
何度もした
もう終バスのことはどうでもよくなっていた
ギャルのおっぱいは柔らかかった
ギャルの声はかわいかった
ギャルは俺を受け入れてくれた
俺は野外で童貞を捨てた
帰りはギャルと俺の財布の中の金を合わせて
タクシーでなんとか最寄り駅までたどり着いた
寒さで死ぬかと思った
センター試験の日
俺は早起きしてギャルの応援に行った
試験会場の前で待ち伏せしていたらギャルが来た
ギャルは爆笑しながら俺の背中を叩いた
そして「ありがとう!」と元気に会場へ消えていった
2月になった
ギャルは体調がかなり悪かったみたいだった
3月1日
卒業式の日
ギャルは来なかった
そんな感じ
読んでくれてありがとう
ちなみにこの1年後に俺はギャルと同じ大学に入ることになる
まあそれはまた別の話
ありがとな
おやすみ