たった一人でも構わないから誰かに聞いてほしい話があるんだ。
この場をお借りします。
僕はしがないサラリーマン
年齢は30歳前後
趣味はギターやらベースやら
といってももうバンドはやっていない
そんな僕が巻き込まれた事件(?)について聞いて欲しいんだ。
殆ど出来事をそのまま書くから冗長になってしまうと思いますが、ご勘弁下さい。
15年ほど前のお話です。
>>3
お、レスありがとうございます。
>>4
僕ですかね
当時は178センチ
体重は70くらいだったかな
今はデブりました
家からは自転車で登校
40分くらいかな
すごく急な坂が2つほど
行きは下りで快適なんだよね
そんな通学路の桜の花もほぼ葉桜になってしまったくらいの時期に部活動の登録期間が始まった。
たくさん勧誘をされたけど、当然選んだのは軽音楽部だったんだ。
この学校では入部日が明確に決まっていて、1年生はこの入部日に入部希望の部活の活動場所に行って入部登録をするんだよ
僕は入部日に軽音楽部の活動場所である視聴覚準備室に行ったんだ
ちなみに音楽室は吹奏楽部が牛耳っていて軽音楽部はクーラーもろくに効かない狭い部屋に押し込められる形になっていた。
この日僕は人生の中でも重要な出会いをしたんだ。
部屋を見渡すと、いや見渡すと言ってもすげーせまいんだけど、部屋にはまだ自分だけ。気合入れすぎたんだろうね
目の前には立派なドラムセットとしょぼいアンプたち
あとで分かったんだけど、ドラムは顧問の先生の私物だったんだ。
そんな状況でどんな人が来るのか
緊張で息をつまらせていた。
>>10
正直超嬉しい
僕はあまり素直な性格じゃないのか厨二病の名残なのか
一つしかない入り口のドアがノックされてすりガラスの向こうに女の子の影が見えたとき、こんな風に思った
この子がまるで漫画みたいに美人である確率は極めて低いし僕はバンドがしたくてこの場所にいるんだ。男臭いロックをガッツリやりたいんだ。女子供は来なくても良いんだって。
扉が空いた瞬間
そんなロック気取りの人格はまさしく雲散霧消した。
脳内にお花畑が展開したような気分だったんだよ。
扉の向こうには僕の女性の理想像を具現化した様な女の子が立っていた
ちなみに僕の理想のタイプは全盛期のウィノナライダーでこれは今でも変わらない。(僕より若い世代の子たちは知らない人も多いと思うけど、黒髪ショートの頃のウィノナライダーは本当に美しい。画像貼れたかな)
このウィノナ似の彼女が僕を事件に巻き込む重要なファクターなのだ。以降分かりやすくウィノナちゃんと呼称することにする。
>>14
いや始まった
ごめんね
不慣れで書き込み遅いんだ
それまでの僕は恥ずかしい話だけど所謂“ロックかぶれ少年”って感じで
・給食の放送にゴリゴリのメタルを流す
・ボロボロのほぼ横糸だけのジーンズで修学旅行に行く
・北斗の拳の雑魚キャラみたいなモヒカンにする
なんてことをかっこいいと思っていた。
そのくせ、両親が割りと厳格だったせいか
ルールをむやみに破るのはロックじゃねぇという中途半端っぷりで
髪型はミスフィッツなのに服装はこの上なくスタンダードな学ランなんていう今思えば逆にロックなんじゃねえかって格好で街を歩いたり、まぁ簡単に言えば黒歴史真っ只中だったんだよね。
エロ展開希望します
>>17
エロスは少ない
突飛なエロい展開はあまり経験がないんだ
色恋沙汰もロックじゃねぇって拒絶していたんだけど、このウィノナちゃんと目があった瞬間にそんなポリシーは忘れてしまった。
この時は別に校則違反じゃないしと頭頂部を境にちょうど半分の髪を全部剃り落としてしまっていて、なんでそんな引かれそうなことをしたのか本当に後悔した。
話がそれちゃったね。
兎に角、他の入部希望者が集まるまでの、恐らく10分に満たない時間
僕はウィノナちゃんと狭い部屋で二人っきりになったわけだ。
僕の頭の中ではガンズのSweet Child O’ Mineが流れていた。
まぁMineでもなんでもないんだけどね
彼女を自分の物にしたいって気持ちで頭が一杯になったんだ。
その短い時間で色々な事を聞き出した。
・もちろん名前やクラス、基本情報各種
・家は僕の家から学校を挟んで反対側で40分くらいかかること
・パートはギター希望でお父さんが昔使っていたチェリーサンバーストのレスポール(当時まだ放映はされてないけど所謂けいおんの唯ちゃんのギターだね)
・たまたまそのギターがあったから軽い気持ちで軽音楽部に入部してみたいと思ったこと
覚えている聞き出したことはこれくらいだ。
あくまで平静を装って
でも鼓動は恐らくナパームデスですら軽く凌駕するレベルのビートを叩き出していた。
>>21
めっちゃ嬉しいです
ありがとう
全く周りが見えてなかった僕が我に返った時
視聴覚準備室には男女各4人
8人の入部希望者が集まっていた。
例年よりは少ないらしい。
たまたま希望パートも重ならなかったので、そのまま男4人組と女4人組の2つのバンドが出来上がる形となった。
彼らは後の事件に少なからず関わるので全員仮名で紹介しておくね。
男バンドのメンバー
平山:ボーカル 中性的な顔立ちで間違いなく女子にモテそう。若干コミュ症
飯田:ベース リーダー 漢らしい奴でベースも上手だが、若干暴走する節がある。ブス専
石原:ドラム 努力家、天然パーマ、ムードメイカー
僕:ギター バンドの中ではルックスは一番パッとしなかったと思う
彼らとはもう10年以上の仲だが未だに仲良しだ。
女バンドメンバー
アユ:ボーカル 見た目はなんかケバい。僕は個人的にあまり好きではないタイプ
サユミ:ベース 見た目は地味 なんかいい子
マンドリル:ドラム 見た目はマンドリル 僕と同じ中学で知り合い 面倒見がいいタイプ
ウィノナ:ギター 例の彼女
こんな感じで1学年で2バンドが出来上がったんだ。
YD9000?
ソナー?
しかしそんな時代によく軽音部とかあったね
>>26
僕はドラムじゃなかったからあんまり覚えてなかったけど顧問の先生はガチのメタラーでドリーム・シアターとかフィアファクトリーをガンガン叩いていたよ。
確かバスドラ、タムあたりはタマ
シンバル類はパイステ、チャイナとかスプラッシュもあった
ペダルはDWのツインペダルだったね
スネアは先生のやつはメインはラディックだったような、、、
いっぱいスネアは持ってたね
さんくす!
なんて恵まれたガッコーなんだ
>>32
ドラムはすごかったよ。
無料で使わせてくれるなんてホント恵まれていたし、ドラムの子たちは先生に色々教えられていたね。
先生自身はモーラー奏法を習ってたよ。
その分アンプはしょぼかったねぇ。
ヤマハのちっさいやつ。ドラムに勝てないからアンプは家から持ち込んでたよ。
自転車の荷台にマーシャルくくりつけて、ギター背負って学校行ってた。
若いから出来たと思うね。
しかしそこまでしてくれるのならアンプにもも少しお金使って欲しかったねw
>>41
そうだね。ドラムは先生も家では練習できないから、先生も練習場が欲しくてちょうど良かったんだろうね。
学校からは毎年1万円、部活費用が出てたよ!!
もちろん足りなかったから少しだけ部費を集めてたと思う、
>>27
好きだよ!!
バンドというよりひなっちが好きだね
入部日にうまくバンドメンバーも決まった事でその日は解散
僕はバンドメンバー4人で学校からほど近いマクドナルドに行った
恐らく女の子の方も同じ様な流れだったんだろう。
マクドナルドではドラムの石原がハンバーガーをナゲットソースにディップして食べていたことが印象に残っている。
とまぁ、これが僕の青春と事件の始まりだったわけだ。
軽音楽部の活動は専ら平々凡々たるもので、それなりにウケの良さそうなバンドの曲をコピーする程度だった。
自分のバンドといえば、ボーカル平山のルックスを生かそうとL’Arc~en~Cielをやってみたり、
いや洋楽の方がかっこいいとニルヴァーナをやってみたり、
いや流行に乗るべきだとメロコアバンドを目指したり、
兎にも角にも中途半端だったが、僕以外のメンバーが割と端正な顔立ちだったせいかライブをしてもそれなりの評判を得たりはしていた。
女の子達も同様にアヴリルラヴィーンなんかの当時流行のロックかポップスあたりをやっていた様に思う。
全力で投下よろしくお願い致します。
>>35
わお、ホントに嬉しいよ!!
実際、大した話じゃないからがっかりさせてしまったらごめんなさいね?
>>37
なんか2chってスレ立てるの初めてで
こんなにちゃんと聞いてもらえると思ってなくてびっくりだよ
実際はウィノナちゃん以外何も見ていなかったから記憶は定かではない。お世辞にも上手いとは言えない、いや聴くに耐えない演奏も僕にとってはそれがより彼女の可愛らしさを引き立たせた。
まぁあれだ。一面に広がるうんこの中に一輪の美しい花が咲いてるみたいなもんだ。
季節は進む。
外気温の上昇に比例して僕の気持ちも増すばかりだった7月
とある転機が僕に訪れた。
テストも終わり初めての高校の終業式が目前に迫ったうだるような暑さのとある日
この日は授業がお昼に終わったんだ。
僕は母が弁当を間違えて作ったばかりに、いつもの練習場、視聴覚準備室でそれを食べてついでにと個人練習に勤しんでいた。
1時間くらいしただろうか。
入り口のすりガラス越しに人影があった。
>>44
うん
多分書きながら思ったけど
なげえなこの話
なかなか扉を開けようとしないその人影がウィノナちゃんだったらばと全身全霊で祈りつつ、その手を止めたんだ。
扉が開いたその刹那
僕は神に感謝した。
もちろん例のウィノナちゃんだったからだ。
ちなみに確かこの時僕が練習していたのはギター大明神の一人、ジミ・ヘンドリックスだったと思う。
喜びの余り、ジミよろしく歯でギターを弾きたいくらいの衝動だったが、それを見られたらギター大明神のご利益も吹っ飛ぶドン引きが容易に想像されたのでやめておいた。
>>47
そうだねー
気を付けるよ!!
ウィノナちゃんおはよう
ジャーーーーン(何かしらコードを鳴らして変顔)
今思い返しても真夏の日差しも陰る寒さであるが、彼女は屈託の無い笑顔でこんにちわと返しえくれた。
要件を聞くとどうやらギターを教えて欲しいとのこと。
千載、いや万載一遇の幸運に思わずギターを床に叩き付けてHell yeah!!とでも叫びそうになったが、そこは冷静を装って僕でいいの?そんなに上手じゃないよと聞き返したんだ。
彼女は私よりは確実に上手じゃない?とまた屈託のない顔で笑った
今思えばそんなことよりもクーラーのない真夏の部屋で汗だくの男によく話しかける気になったなぁと思う。
>>50
うん。確か箸入れ忘れてたけどな。
おかんってのはいつでもありがたいもんだよな。
じゃあとりあえず今日は1時間くらい練習しようかと早速ギターをアンプに繋いで音を鳴らした。
ホントは手取り足取り教えたいのは山々だが、もちろんそこは一定の距離を取った。きっと自分が汗臭いだろうと思ったし実際汗臭かったと思う。
いつも絹のようにサラサラの真っ黒なウィノナちゃんの髪も、汗ばんだおでこにペッとりくっつくくらいの暑さだった。わかめみたいだった。僕がその有様に性的な興奮を覚えたのは言うまでもない。
暑くてちっとも集中できずにレッスンは終了、彼女は1ミリたりとも上手くはならなかった
アンプは持ち出せなかったのでCDラジカセを持ち出してクーラーの効く教室で練習の課題曲を選ぶことにしたんだ
今思えば放課後に自由にクーラーをつけられるっていい学校だよね。
持ち合わせのCDはそんな日に限って2枚
ヘンドリックス大明神のアルバム1枚とちょっとマイナーだけど日本のHATE HONEYってバンドのミニアルバムが1枚
なんでもっとポップなの持ってねぇんだと呪ったが結果的にはこれが最大の幸運だったことはあとから知ることになる。
僕は流石にいきなりジミ・ヘンドリックスはないだろうとヘイトハニーの方にしたんだ
そのアルバムの確か2曲目だったかな
タイトルは"Can’t Take My Eyes Off You"
フランキーヴァリの名バラードのカバーだったんだ
ちなみに今探してみたらYouTubeに音源があった
君の瞳に恋してるという邦題のほうが有名だろうか
曲を聴けばもっと若い子達も絶対に知っているはずだ
>>58
いいの?
やったね!!
そんでこの曲
リスニングが0点の奴が聞き取っても分かるくらいにどストレートなラブソングなのだ。
サビを引用すると
I need you baby
And if it’s quite all right
I need you baby
And if its quite alright
I need you baby
To warm the lonely nights
I love you baby
Trust in me when I say its okay
Oh pretty baby
Don’t bring me down I pray
Oh pretty baby
Now that I’ve found you stay
And let me love you, baby
Let me…
こんな感じだ
僕はこの超豪速球ストレートなラブソングを放課後の教室で大音量でブチ流した挙句、事もあろうにアンプに刺さってもいないストラトキャスターを掻き鳴らしてテンションアゲアゲで歌ってしまったのだ。
アイニーヂューだのアイラービューだの
他意はなく、ただ知ってるだろうと曲を選んだだけだから、勿論歌詞の内容も深くは考えていなかったし、その後一週間
その客観的状況が如何なるものだったのかを反省する余裕は僕にはなく、ただただ少し距離が近づいたといい気になっていたのだ。
>>62
ありがとー!!
よそごとしながらかなり時間かかっちゃうけどごめんね!!
反応がないことを覚悟していたから完走は余裕だよ!!
この日は連絡先も交換ができた
もうすぐ夏休み入るしもしギターでわかんないことがあったらって感じてすごく自然に、どちらからという訳でもなくね。
帰る方向が別々だったのは残念だったけど、僕にとってこの日はダブル役満レベルの幸運に感じられた。
その一週間後だった。
女バンド側のドラム
僕の中学の頃の友達だったマンドリルからメールがあった。こいつはわりと中学から仲が良い。
「あんたウィノナちゃんに変な事しなかったでしょうね?」
そんな内容だった。
勿論、してないの一点張り。同じ部活動に励むもの、練習を一緒にするのは“変なことではない”はずだ。
尚もマンドは食い下がる
マンド「嘘つきー」
僕「ホントだよ。ギターを教えただけ」
マンド「それだけー?」
僕「あとはメアド交換したくらいかな?」
そんなやり取りだった。
あとで思い返せば、マンドリラーはこの一週間でウィノナちゃんと話をしたのだろうし、ある程度のことは把握していたようだ。
とんだおとぼけマンドリルである。
ちなみにウィノナちゃんとはこの一週間、レッスンのお礼をほんの数通交わしただけであった。
時計を見ると15時まで20分を切っていた。
マンドリルは一体どれだけパフェが食べたかったのかと呆れながら全力で自転車を漕ぎ数分遅れで件の喫茶店に到着すると既に其処には注文を済ませたご機嫌マンドリルが座っていた。
汗だくでアイスコーヒーを着席と同時に注文し、早速マンドリルに詰問した。
お前何か聞いたのか?
どうせミックスジュースも注文していいなら答えるよ?くらいの回答だろうと思っていたんだけど、マンドリルは以外にあっさりと口を開いた。
「ウィノナちゃんからメールがあったんだよ」
僕は内心、何か彼女に悪いことをしたんだろうとネガティブな気持ちでいっぱいだった。
その刹那、パフェに先駆けてミックスジュースとアイスコーヒーが席に運ばれてきた。
なるほど、既に注文後だったのか、僕はさらにネガティブになった。
マンドリル曰くのメールのやり取りはこんな感じだったらしい。
ウィノ「イチ君ってどんな人?マンドちゃん同じ中学だったでしょ?」
マンド「そうだよ。少なくとも悪い奴じゃないのは確か。でもなんで?」
ウィノ「こないだギターを教えてもらったんだよ。面白い人だと思ってさ」
マンド「好きなの!?あいつにはウィノナちゃんは勿体無いよ笑」
僕は当然のようにその内容を説明するブスを目の前に憮然としながらも悪い奴じゃないとは思ってくれていることに安堵もしていた。
僕はホントに変なことをしたつもりがなかったから当日の様子をそのままマンドリルに話した
練習しようとしたけど暑くてほとんどやらずに断念したこと
端的に言えば教室で普通の会話をしたこと
練習曲を選ぼうとしたことと
マンドリルは割りと真顔でより実際のマンドリルに近い面持ちで僕の話を聞いていた。
マンドリル「割りと普通ね」
僕「だからホントに何もしてない。あと練習曲をラジカセで流してさ、途中からテンションが上がってきて、
その練習曲をノリノリで歌ってしまって後で恥ずかしくなったくらいかな。
曲は"Can’t Take My Eyes Off You"のロックカバーだよ。あれ結構かっこいいんだよ。」
その時マンドリルは、ハッと何かに気が付いた顔をした。ガッテンマンドリルである。
マンド「あんたそんな恥ずかしいこと、よくやったわね。」
意味がわからないという顔の僕を見て
マンド「私だったらあんなラブソング、誰か来るかもしれない教室で熱唱されたら恥ずかしくて顔から火がでる」
僕はお前の顔は火じゃなくてヒヒだと言いそうになったが、それを口に出す余裕もないくらい愕然としていた。
僕「やってしまった…」
マンド「…客観的に見たら多分ダサい」
僕「しかもイスに足かけたりまでしてた」
マンド「致命的ね…」
マンドリルはパフェをぱくつきながら
「下手したら告白したとでも思われてんじゃない?」
僕は机に突っ伏して返事もできなかった。
>>75
ごめんね
さっきサラリってアドバイスくれたけど
僕全然さらりじゃないよね
でもありがとう!!
暫くの沈黙の後マンドリルが訊いて来たんだ
「そんなことより、大事なこと聞くの忘れてたわ。あんたウィノナちゃんのこと好きなの?」
僕は殆ど顔も上げずに小さく頷いた。まともな精神状態じゃなくもはや取り繕うことなど忘れていたんだろう。
マンド「なーんだ。だったらいいじゃん。告白が遅いか早いかだけの違いだよ」
パフェを食べ終えて満足したのかマンドリルは急に驚く程優しくなった。
僕「いや、やり方が…」
マンド「君の瞳に恋してる!!…( ´,_ゝ`)プッ」
プッでソフトクリームの飛沫が口から飛び出したのを僕は見落とさなかったがマンドリルは気付いてなかった。
マンドリル「まぁまだわかんないよ。飽くまでその可能性があるだけなんだし。可哀想だから私がご馳走してあげるよ!!」
まぁ僕はアイスコーヒーだけでお代金の殆どは君のパフェなんだけどと思いつつ素直に厚意を受け取ることにした。
割りとイケメンマンドリルである。
良い趣味だけど今何やってんのかな
>>79
昔は天使だったよね
分かってくれる人がいて嬉しい
あと今も女優してるよ
結構前に万引きで捕まったけどね
その後ちゃんと復帰して
僕がちゃんと見たのはブラックスワンが最後だからだいぶ前になるけどね
まだやってるんじゃないかな
それからと言うもの
勉強もバンド練習も何もかも気が入らない。
ウィノナちゃんはどう思っているのか、気になって仕方がなかった。
マンドリルには頻繁にメールで相談していた。
情報としては、ウィノナちゃんに彼氏はまだいないこと、綺麗な子だからライバルが多いだろうってこと、一生懸命練習してるのか最近彼女のギターの腕前が上がってきていること、特にバンド練習などで僕の名前が出たことはないこと
この程度だった。
学校がある期間中ですらクラスの違うウィノナちゃんとは練習部屋ですれ違う程度だったが夏休みともなればまず会うチャンスはない。
悶々と日に日に気持ちが押し潰されていく感覚に耐えかね、遂に僕はウィノナちゃんにメールを送ることにした。
メールの文面はこんな感じだったと思う。
“8月になったね。ギターの練習は捗ってる?
僕は蝉が嫌いだから全然やる気出ないよ。昔、カマキリに下半身だけ食べられた蝉が最後の力を振り絞って飛んで、僕の胸に止まって死んだんだ。まるでブローチか何かのように。それでセミが嫌いなんだよね。あと、こないだの選曲はあれは変な意味があったわけじゃないよ”
もはや言わなくてもいいことだけで構成された文面だった。
暫く返信はなかった。
今思えば、それが当然に思えるよね。当時の僕は、誤解(誤解じゃないけど)を解きたくてその気がない風体を装いたかったんだ。
小学生の頃、皆も意中の子を敢えていじめたりしたんじゃないかな。ああいう感情と似たようなもんだ。
でも読み返せば読み返すほど素直に好きと言ってしまえばよかったと激しい後悔で胸が張り裂けそうだった。
返信があったのは確か3日後
僕が部屋でSlipknotかKORNかを爆音で流して引きこもってた昼下がりだ
僕の部屋もクーラーがなかったから頭がぼやっとしていたように思う。
返信の内容はこんな感じだった。
“メールありがとう!!ギターはちっとも上手くならないけどバンドのために頑張ってるよ!!
蝉さん可哀想だね。私も子供の頃、白いTシャツで道を歩いてたら、石ころに躓いて転んだの。ちょうど胸の辺りにバッタさんが居て潰しちゃったんだよね。それ以来虫が嫌になっちゃったから気持ちわかるなー。
こないだの曲も練習してるよ。また学校が始まったら教えてね?”
>>87
ダメだ
書き出したら色々思い出して余計なことまで書いてしまっている
本題はこんなことじゃないんだ
ごめんね
男子高校生の如何に単純たるか
さっき迄の重々しい気持ちはどこへやら
僕は内容を理解した途端BGMはご機嫌なレゲエミュージックに差し替えてサウナと見紛う程の灼熱の自室の中で小躍りしていた。
冷静になって彼女のメールを読み返すと中々の不思議ちゃんな気もする
でもそんなことはただ無闇に僕の恋心を駆り立てる要素の一つにしかならなかったことは言うまでもない。
>>91
ほんとに??
超嬉しいでよ
書き溜めて置くんだったなぁ
思い出しながら書いてると全然省略ができねぇんだ
話進むの遅くてごめんよ
ただし、肝心の例の“勘違い”について言えば言及もされてないし、一抹の不安は残った。
そしてもはや僕の気持ちは抑えきれなくなってしまっていたんだ。
どうせ一度は告白したようなもんだ。早く好きだと言ってしまえ、モジモジしてたらロックじゃねぇなんて声が聞こえてくるんだ。
きっと焦りもあったんだろう。何せ僕以外のバンドメンバーは所謂イケメンなんだしね。
バンドメンバーとは色恋話などそれまで一度もしたことはなかったんだ。
何通か他愛のないやり取りを、半ば僕が無理矢理な質問を繰り返すことでウィノナちゃんとは連絡が続いた。
どうしても好きな人がいる?とは訊けない。訊いたらリングに上がる前に試合が終わる予感がしていたから。
眠れないくらい暑い夏だった。寝ても覚めても何度も何度も告白の為の文面を考え直えては破棄する作業を続けた。
>>95
2話かなwww
直接告白するなんて考えもしなかったし多分顔を見ても緊張して何も話せなかっただろう。
そんな気持ちを反映してか作るメールはどれも適当な言葉が出てこない。
好きです。付き合って下さい。
これではストレートどころかスローボールではあるが、早く僕はこの苦しみから解放されたいと切迫していた。
送信ボタンに指をかけては離すそんなことを毎日繰り返していたが、とある日、小学校から愛用しているロックマンの勉強机につっぷして寝てしまったようだった。
指先で感じたバイブレーションで僕は目を覚ましたんだ。
携帯を握りしめて寝落ちしていたことに気が付きそのバイブレーションの正体を探るために携帯に目を落とす。
そこにはウィノナちゃんからのメールがやった来ていた。
>>99
ほんとだよね
書き始めてびっくりした
最後まで読んでくれる人いないかもしれないけどまぁいいんだwww
殆ど自分の為に書いてるみたいなもんだから
ごめんね見苦しいかもしれないけどご勘弁を
“結果ALLRIGHT(*´ω`*)”
メールの内容はこうだった。顔文字も確かこんな感じのどんな感情かイマイチよめないものだった。
僕は寝ぼけていて状況が把握できていない。
数日前におやすみと連絡して依頼しばらく連絡をしていなかったが、タイトルにReが付いている。
僕は送信ボックスを開いた。
感じていた悪い予感は的中した。
ご想像の通り寝落ちした瞬間に送信ボタンを押していたのだ。
とんだ間抜けだ。
大暴投だ。
そしてこの返信だ。
結果オールライトってなんだ。
悪い意味ではないことは分かる。でもイエスかノーかで答えられる質問にイエスで答えないのはノーと同義なんじゃないか?
そんな疑心暗鬼でそれからはメールを返す事ができなかった。
悶々と残された夏休みを消化して明日、2学期という日にウィノナちゃんからメールが来た。
“明日、放課後視聴覚準備室に来て?”
勿論、行った。
始業式とかんたんな授業でお昼で終わりだ。
ウィノナちゃんはすでにその部屋に居た。
暫くの気まずい空気のあと、ウィノナちゃんはあのさ…と切り出した。とても暗い表情に見えたんだ。
振られることを確信した。
残された2年半年の高校生活はきっと暗いものになると思われた。
僕は返事をしつつドラムセットの椅子に座った。
シンバルで少しでも顔が見えないようにしたかったんだ。
ウィノ「謝らなきゃいけないことがあるの。」
僕「え?(あ、終わったなぁ…)」
ウィノ「マンドリルから色々聞いちゃったんだよ、だから君の気持ちは知ってたんだよ。だからホントは私から告白するべきだった。」
僕「…?」
ウィノ「あの…歌ってくれたじゃない?
正直馬鹿みたいだと思ったけど、それ以上に嬉しかった。本意は分からなかったけど、
本気だったら嬉しいなって思ったらずっとそればっかり考えてしまって、マンドリルに色んなこと聞いてしまったんだよ。
マンドリルには話したんだよね?内緒って約束で君が喫茶店で話したこと聞いちゃったんだよ」
僕はあの軽口マンドリルめがと心の中で罵倒したが黙って聞いていた。話が自分の望む方向に進んでいることに喜びと違和感を感じていた。
ウィノ「それでね。君からメールくれたじゃない?私嬉しかったんだ。でもあんまりにも真っ直ぐすぎてすぐ答えられなかったんだよ。ごめんね?私卑怯だったと思う。でも過程なんてどうでもよくて、私が望んだようになったんだから、だから結果ALLRIGHTなのだ(*´ω`*)」
彼女はほんとに(*´ω`*)こんな顔をしていた。
僕「僕とお付き合いしてくれメシュカ?」
僕は盛大に噛んでいたが訂正する余裕もなかった。
卑怯でもなんでもないと、漢らしく僕から言いたいと急いで言い放った。
彼女ははいと答えようとしたんだろうけど、“は”が聞こえた瞬間僕は嬉しくてクラッシュシンバルを盛大にしばいた。
お陰で彼女はびっくりして“い”を言いそびれたんだけどそれでも笑っていた。
僕の興奮は冷めやらずにバスドラムをドコドコ踏みしめていた。
こうして僕たちはお付き合いをする事になったんだ。
つらつら書いてたら前フリで長くなってしまった。
ごめんなさいね。
>>109
ハッピーエンドではないです
これ以降わりと僕なりには激辛パートなんですが、現在進行形で思い出しながらつらつら書いてますんで、いざちゃんと自分で読んでみたら悲しくなる内容かもしれない
或いはそんなに悲しくも辛くもないかもしれない
その後、1年半
おそらくそんなに珍しくはない恋愛が続いた。
少し珍しかったことと言えば、キスをするのに1年もかかってしまったことくらいだ。
家にはよくお邪魔していた。
彼女のご両親にはギターを教えに来ていると言う体裁を取って付き合ってからすぐに家にあげてもらった。
彼女の家庭も僕と同じ普通の和やかな家庭だった。
妹と両親の4人暮らし。
みんな、僕に優しくしてくれたし恋愛には寛容で特にお母さんとは親しくしてもらった。
帰り道送ってもらったり、ご飯をごちそうになったり。
>>113
そうだね。
付き合ってからのことは頑張ってそんなに長くはならないようにするねwww
章分けするなら今が次につながる2章
本題の3章
後日談の4章になるかなって思う。
また余計なこと書いてしまったらごめんなさい!!
これは久々の良スレの予感んんんんんんんんんん
>>116
ほんとに?
特に誇張とか創作はしないから盛り上がりにかけたらごめんね
恋愛+音楽の昔話は前のも良かった
>>123
ほんとは音楽の話ももっと書きたいんです
僕は初めて書き込んでるから面白かった前例があるなら緊張しますね
仮に当てはめた名前でも真面目なシーンで「マンドリルに~」とか
>>117
それは僕も失敗した
書いてて違和感しかないけどもうあとに引けない
あと一応だけど全員仮名だよ
マンドリルもマンドリル以外の霊長類に似てたからある意味仮名だよ
付き合ってから知る事実も多かった。寧ろ殆どが付き合ってから知ったことだった。
・入学してから直ぐに同じクラスの子に告白されて断ったこと
・今まで恋愛はしたことがないこと
・ピアノを習っていてギターよりもかなり上手に弾くこと
・血液型はO型なこと
・学校が遠いからか同じ中学出身の子は同級生で自分を含めて2人だけだと言うこと
・その子は大の親友でボーカルの平山を好いていること
・部屋にはたくさんぬいぐるみがあって、一つずつ名前をつけて大切にしていること。ぬいぐるみはよく誕生日プレゼントにもらうらしい。
バンドの練習がない日なんかは必ず会いに行った。
それが普通になっていた。
彼女に少し精神的に不安定な部分があることも分かってきた。
高校2年生の春頃
両親とひどく喧嘩をしたらしい。理由は忘れてしまったけど、思春期ならではの大したことではない内容だったと思う。
3日も学校を休んだ彼女が心配で、バンドメンバーには練習を早めに切り上げてもらって会いに行ったんだ。
家についたが彼女はいなかった。
丁度彼女の母が帰ってきて様子を聞くと今朝、そんなつまらないことで学校に行かないなら私はもう知らないから出ていってと言ってしまったの、それでまだ帰ってないみたいと相談を受けた。
暫くお母さんと二人で待ったけど暗くなっても帰ってこないから、ようやく僕は探しに出たんだ。彼女の母親には家に残ってもらった。
電話も出ないし思い当たるところも全て回った。
もう21時も過ぎようとした頃、やっと彼女の家からほど近い海岸線で彼女を見つけたんだ。
僕は知らなかったけど彼女はこの景色が好きらしい。
特に海がきれいな地域でもなく、灰色の海水が打ち寄せる工業地帯と漁港の隙間にできたほんの少しの砂浜だった。
ぼんやりと堤防からの切れかけの電灯が明かりを灯す。
彼女はここの儚くて残酷な感じが好きだったそうだ。
僕には理解できなかった。
隣に座ってしばらく黙っていた僕に彼女はこう言った。
「君って空気みたいだね」
僕は憮然とした。
彼女にとって、そんなに存在感が薄いのかと絶望した。
だが、確かに彼女は僕に居場所を知らせなかったし、頼りにはされていないのだろうという事は薄々気がついていた。
きっと僕は泣いていたと思う。
僕の顔は暗くて見えていなかったと思う。
彼女はこんな風に続けた。
「つまらないことで、君を困らせたくないから連絡をしなかった。一番頼れる人なのにそれに気が付かなかった。でも、今気が付いたの。私、君が居なきゃ死んじゃうよ。ほら、空気みたいでしょ?」
僕は黙って彼女にキスをした。
ただぼんやりと暗くてものすごく中途半端な位置にしてしまった。
これが初めてのキスだった。
もちろんフル勃起したが、暗闇が優しくそれを隠してくれた。
彼女がこの場所が好きな理由が少しわかった。
彼女はただもう大丈夫と呟いて笑った。
初めてのキスの興奮でそれどころでは無かったけど、空気みたいだってのは彼女なりの早くキスくらいしろという揶揄だったのかもしれないと後日思い返した。
もしそうだったとしても結果オールライトだなと胸を撫で下ろした。
>>132
マジでか嬉しいなー
ちゃんと最後まで書くので良かったらゆっくり読んでってね
僕の周りの人間たちもそれぞれ進展があった。
彼女のバンドのマンドリルはいつの間にか僕のバンドのベースである飯田と付き合っていた。
口は軽いが割りと面倒見の良いマンドリルとブス専の飯田がくっついたのは必然だったのだろう。
彼女のバンドのボーカル、アユは話を聞くたびに男が変わっていた。
ベースのサユミちゃんはずっと想い人がいるんだとウィノナから聞いていた。
僕のバンドの平山は端正な顔立ちからよくモテた。ウィノナの中学からの同級生であるレナちゃん(仮名)からも想いを寄せられていた。だが今のところは誰にも惹かれていていない様子だった。
ドラムの石原にも色濃い沙汰の様子は見られない。曰くドラムに恋をしているとのことだったのだが、高校卒業後に彼は自分がゲイであることを告白した。これは本件には絡まないので置いておこう。
まぁよくある恋愛模様だ。
これもまたまま有ることではあるが、一度団体デートに出かけたこともあったんだ。
メンバーは僕とウィノナ、飯田とマンドリル、平山とサユミちゃんだった。
場所もありきたりな遊園地
ただそれでもとにかく楽しかった。
きっと一番美人な彼女だと優越感に浸っていたんだと思う。ちょっと性格悪いよね。
僕とウィノナ、飯田とマンドリルの仲は周知の事実だったし、それを隠すことも無かった。
乗り物の待ち時間に色んなことを話ししたと思う。
全部はもちろん覚えてないけど、各々のバンドのこと、特にアユが男遊びに耽りあまりバンド練習に顔を出さないということ、飯田とマンドリルの馴れ初め、サユミちゃんの想い人のこと、平山が朴念仁だと言うこと
サユミちゃんは頑なに自分の想い人のことを話はしなかった。得た情報は軽音楽部ではないとある先輩だと言うことだけだった。
平山は絶叫系が苦手で終始テンションが低かった。マンドリルはそんなにモテるのに人と付き合わないなんてゲイなの?なんて茶化していたが実際にゲイなのは石原であって、平山は全力で否定していたし実際にゲイではなかった。
僕には全然確証はなかったけど平山はさゆみちゃんが好きなのかなとか、そんなことを考えたりしたような記憶があるね。
マンドリルがまた余計なことを言い出した。
マンド「平山と同じクラスのレナちゃんはどうなのよ?あの子めっちゃ可愛いし平山によく話しかけてるじゃん」
平山「ああ、かわいいね。でも俺不思議ちゃんはダメなんだよなぁ…」
確かにレナちゃんについての印象は僕も不思議ちゃんで異論はなかった。
確かに小動物みたいで可愛らしいんだけど、語尾がゴワすだったりゴザルだったり…ずっとコンビニでコクのある食べ物はないかと探したりね。
ウィノナは少し悲しそうな顔をしていた。
他にも色んなことがあったように思う。
バンドでオリジナル曲を作るために合宿をしたり、内緒で酒を飲んでみたり、
ウィノナとはありふれたデートばかりだったけど高校生の自分にとってはそれ以上はない幸せな2年間だった。
高校も3年生になり、自分の高校では希望の進路でクラス分けをされることとなるんだ。
国立理系、国立文系、私立理系、私立文系
たしかこんな感じだったかな。
僕はウィノナが私立の文系を希望していると言うだけで同じコースを希望して、狙い通り同じクラスに入ることができた。
勿論、同じ大学に行くつもりだった。僕と彼女は学力も大きく変わらないレベルだったしね。
一時はギターの講師になろうとしたんだけど、それは大学に行ってからでもまだ間に合う選択肢だと親に止められた。それは本件には絡まない。
とにかくここまでは良かったんだ。
>>140
長くなって申し訳なかったです
同じクラスになれて、喜びを噛み締めていた矢先の5月、丁度彼女の実家にお邪魔していたとき、一通のメールが彼女の携帯を鳴らした。
当時は勿論スマホなんて無いからそもそもあまり携帯が鳴らなかった。共通の友達も多かったからよく誰から?なんて訊いたものだ。特にウィノナは僕に携帯を見せることを嫌がらなかったしね。
メールを見た瞬間、彼女の顔から血の気が引いていく気がして、僕はいつものように誰から?と開こうとした口を閉じて、携帯の画面を凝視した。
そのメールはこんなだった。
アドレス:sine-winona@docom○.ne.jp
本文:死んでしまえば良い
血の気の引いた理由はもちろんすぐ分かった。
僕には彼女がそんなに恨まれることについては全く心当たりがない。
単なる嫌がらせにしてはちょっと度が過ぎる。
真っ先に考えたことは、死ねをアルファベットにする時にshineにしてしまうと、その本意が伝わらいということ。なんなら死ねがシャインになってしまったら正反対に近い。冗談でも何でもなくそんな下らないことを考えた。
恐らく、人生経験の少ない僕にとっては気味の悪さが自分のキャパシティを大幅に越えてしまっていたのだろう。
無意識に悪い風に考えないようにしたんだ。
犯人が誰かということと、そいつに対しての怒り。しばらくはそういう現実味のある事として捉えられなかった。
>>145
当時の自分はまさにそんなリアクションだったと思う
今でこそ大人だけど
高校生の自分したら結構な衝撃だった
>>147
それはそれで素敵な未来でしたね
ウィノナは泣くかと思ったが泣いてはいなかった。
身に覚えが無いからだろうか。僕と同じように現実感が感じられていない様子だった。
漸く犯人について思考を巡らせ始めたのは大凡3時間後、その瞬間またも彼女の携帯が鳴った。
アドレス:korositeyaru@docom○.ne.jp
本文:ヤ○マンには死んでもらうしかないですね。
不幸なことに実際その日は土曜日でそういう行為をした後だった。午前中にだ。
まぁ高校生だから仕方ないよね、ら
見られているかもしれないという猜疑心、殺すと言う能動性、明らかにより攻撃的になった文面。すべてが僕達を責め立てた。
ウィノナはただ涙を流しながら何も口にはしなかった。
怖くて言葉も出なかったのかもしれない。
漸く僕も現実感が湧いてきた。死ねと殺すの違いがあったのかもしれない。
まず彼女を守るためにすることは?
・一人にしないこと
・犯人を探すこと
・携帯を彼女にこれ以上見せないこと
そんなことを考えた。
一人にしないことはなるべく僕が側に居ること。それが出来ないときは家族にいてもらうこと。これ以上続くのであれば警察に連絡するればいい。
これはそんなに難しくは無いように思えた。
彼女に携帯を見せないこと。これは叶わなかった。
ウィノナ曰く、自分の見えない所で更に追い打ちが来ているかもしれないと思うと余計に怖いから、しばらくは携帯を手放さないと言ってきかなかった。
そう望むのならば暫くはと携帯を奪うことはしなかった。
警察に頼んでも数日はもちろんかかるだろうと覚悟した自分は今日にでも犯人を見つけたかった。
まぁ可能性としては人違いだとか、ランダムな嫌がらせの可能性もあったけど、じっと待つことはできなかった。これ以上彼女を苦しませることが許せなかった。
と言っても、現段階の容疑者は彼女のアドレスを知る全員だ。
まず僕はさっき届いたアドレスに僕の携帯から返信を送ってみた。
反応次第では犯人のヒントになるかと考えた。
だが、すでにアドレスは変更されていた。
その日はお互いの両親にお願いをして、彼女の部屋に一晩いさせてもらう事にした。
僕の両親は反対したが、彼女の母親が私もそばにいますからと説得してくれた。
ちなみに彼女の父親は出張で帰ってこられなかったんだ。
殺してやるとまで言われたら家に女性だけにするのは良くない。かと言って警察に保護を頼めるほどでもないと判断したんだ。今思えばすぐにでも警察に連絡すれば苦しまずに済んだと思う。
ただ事を大きくしたくないのは彼女とその家族も同じ意見のようだった。
僕にはもう一つの思惑があった。
少なくとも彼女の家族を容疑者から外したかった。
2通目のメールで僕が家にいることを把握している人なんじゃないかと疑ったからだ。
過去に家を追い出そうとしたヒステリックな一面を見ていたこともある。
僕は彼女の母親と妹が犯人でないことを、善良だと信じたい人を疑う自分の猜疑心を1秒でも早く払拭することを望んだ。
兎に角、半ば強引に土曜日の夜は彼女の家に居座ることには成功した。
彼女の母、妹、僕とウィノナ
4人揃った段で1階のリビングに場所を移した。
彼女と妹の部屋は2階だった。
リビングの食卓に突っ伏して話さない彼女。
これからのことを相談して、足早に時間は過ぎた。時刻は23時54分だった。
食卓が携帯のバイブレーションでガタガタと音を立てた。
また例のメールである。
アドレスを変更しては同じような罵詈雑言や脅しを浴びせかける、これはこの後事件の収束まで収まることはなかった。
彼女は例のメールが来たと言うことは認識しただろうが見る気力も失っていた。
>>158
自分もこのことを忘れないようにって
覚書みたいな感覚なんだけど
面白く読んでくれてるって人がいると作業が捗ります
ありがとう!!
朗報とは言えないが、夜中のこのメールが届く瞬間、彼女の母は父親に電話で状況説明を行っていたし妹は僕と面と向かって話していたので家族は容疑者から外れた。
彼女の母の手前、僕はリビングのソファを借りることにした。
妹、母は各自部屋に戻った。
彼女はメールが来るのが怖くてか眠れない様子でずっと僕の隣に座って黙り込んでいた。
彼女には隠して彼女の携帯の電源は落としておいた。
ほとんど眠ることが出来ずに夜が明け、明け方携帯の電源を付けて追い打ちのメールが来ていないことを確認した。
最悪の日曜日だ。
彼女の母はどうしても外せない用事で外出。
妹は塾で昼には外出するとのこと。
僕は今日できること、これからすることを整理した。
今日すること
・ドコモショップへ行き、逆探知的な事ができないのか確認しに行く
・僕と彼女が共通で信頼できる人間を探す
・彼女の気を少しでも紛らわせる
これからすること
・月曜日には学校に連絡をする
・自分の分かる範囲で犯人を特定する
・次の日曜日までにメールが止まない場合、警察に相談する。状況が悪化するのであれば即座に警察に相談する
こんな感じだった。
この当たりが一般的な男子高校生の限界だった。
勿論協力者は必要だが、彼女のアドレスを知っている人は全て容疑者だった。
彼女は家から出たくないと言ったが、彼女の気分とは裏腹な雲一つない快晴だったので携帯ショップに歩いていくことを提案。
海沿いに約1時間歩けば到着する予定だ。
一人にしたくないから付いてきて欲しいと告げると小さく頷いてくれた。
海沿いをひたすら歩く。
海は相変わらず汚くて、深い灰色に波の白色が泡を立てていた。
工業地帯を抜け街についたとき、僕は少し汗ばんでいたが彼女はまるで病人のようで真っ青の唇はついさっきまで凍えていたんじゃないかと思わせる様子だった。
携帯ショップは多少混んでいて1時間程度待つように言われたのでソファに腰を掛けた。
隣に座った彼女の手に触れたとき、その冷たさは血が通っていないかのようだった。
もともと精神的に不安定だったからとは言え、人の心がこんなにも柔らかいものだとはそれまでは思いもしなかった。
ひたすらに長い時を待ち続けたような気がする。
慰めの言葉も無意味なことは分かっていたから、何かを発しようと口を開いても、言葉も思考も虚空に吸い込まれて、行く宛を失った口元だけがただ微動するだけだった。
僕は彼女の携帯を預かっていた。ポケットの中では受信を知らせるバイブレーション。それが例のメールかは分からないけど、僕は口にはしなかった。
やっと窓口に僕達の受付番号が映し出された。
窓口で聞かされたことは少なくともいいニュースではなかった。窓口のお姉さんはこんなことを教えてくれた。
相手がメールアドレスを頻繁に変える以上着信拒否はできないこと。
刑事事件及び契約者に身体的、金銭的な不利の発生する事案以外、基本的には送信者の追跡が行えないこと。逆に言えば警察に相談して、事件性が認められれば追跡できること。
未成年者の場合、一部の例外を除き、殆どが両親いずれかの名義で携帯を契約すること。これは僕も彼女もそのようになっていた。
窓口の奥から更に所謂おえらいさんが登場した。
お偉いさん曰く状況を聞かせてほしいとの事。
親身に話を聞いてくれるいいおじさんだった。
僕は彼女に同意を得て、彼に携帯を見せようとした。
彼はそれは本来はしてはいけない行為だと断った上で内容を見てくれた。
彼曰くはこうだった。
・現在のメールの合計件数は4件(土曜日2通、昨晩0時前後1通、まだ見ていなかったポケット内で受信した一通)
身体を脅かすような重大な脅迫が入っているので警察に相談するべきだと言うこと。
・メールに連続性がある場合は更に事件として取り扱われる可能性が高いので、本人が希望するなら1週間程様子を見ても良いかもしれないということ。その場合でも先に警察には相談をして必要を感じる場合保護を申し出るべきこと。
・(今はどうか知らないけど当時は)メールアドレスの変更制限が1日3回までなことと、今まで届いたメールが共通してドコモのドメインのため、このペースでメールが来る場合は犯人は1つの端末からメールを送信している可能性が高いこと。
・自社の提供するサービスの上で被害を被っているのに即座に力になれなくて申し訳なく思っていること。
>>172
お待たせしました
夕食食べてました!!
おもしろい
>>173
ありがとうございます!!
思ったより時間がかかってしまってごめんなさい!!
窓口での話は概ね理解した。
僕は彼女の手を引きその足で警察署にも出向いた。
何課が担当なのかもわからずたらい回しにされた挙句、よく分からない施設の奥の方の部屋に回された。
そこでは愛想のないおじさんが対応で、その態度は関心のできたものではなかった。
あぁ、最近多いんだよそう言うの。掲示板とかでのいじめもお宅らの高校にもあるんでしょ?それの延長に近いし、4通のメールくらいでは送り間違いの可能性もあるし取り合ってられないよ。
そんな回答だった。
当然ながら僕は激昂した。
自分の身内に同じことが起きても同じことが言えるんですか?
そんなことを訊いたと思う。
おじさんは、警察は恨まれ屋みたいなもんだからメール程度では気にしないと言ったんだ。
おじさんはこう付け加えた。
もし殺す気があるならメールなんてしないから気にすんな。ま、お嬢ちゃんも元気だせよ。
僕はどうしてもそのおじさんが許せなかった。
「じゃあおじさん、僕はおじさんに心底死んで欲しいと願ってます。本気では言ってないから気にしないでください。」
そう言って彼女の手を引いて席を立った。
背後からはクソガキが!!と叫ぶ声が聞こえたが僕達にはもうそこにいる理由はなかった。
今思えば僕も若かったんだよね。
それだけで警察ですら信用できないという思考回路に固執してしまったんだ。
こういう時、己の感情と客観的利得を天秤にかけられるようになることが大人になるということなんだろうと思う。
今の僕がもし当時の自分にメッセージを送ることができるなら
“おじさんの靴を舐めて頭を地面に擦り付けてもおじさんを味方にしろ”
そう送信したい。
そんなシュタインズゲートみたいなこと、できるわけ無いんだけど、こうして色々思い出して書いていると、当時の自分の愚かしさが歯痒い。
一層青ざめた彼女を歩かせるわけにも行かず、タクシーを拾って彼女の家に帰ったんだ。
僕は彼女に話した。
警察に正式に捜査を依頼するのはもう少し待たなければならないかもしれない事。
その間は自分がそのメールを止める為に動くこと。
例のメールに耐えられないなら即座に携帯を解約してもいいんじゃないかってこと。少なくとも内容をいちいち見るべきではないこと。
学校のことその他諸々。
彼女は概ね同意しているようだった。と言っても言葉はほとんどなく、小さく力なく頷くだけだった。
彼女が唯一口を開いたのは、なるべく誰にも言わないで欲しいと言うことだけだった。
警察沙汰にもできない方が私は嬉しいと。
軽音楽部の仲間たちにも可能ならば話したくないとのことだった。
誰も信用できないから、そう彼女は理由を説明したがそれを額面通りの意味で理解していた自分はやはりまだまだ若かったんだろう。
彼女の母親が帰ってきて今日の経緯を話した。
彼女は月曜日は学校を休むことに決めた。
それ以降はもし行くのならば母親が送迎すること。
受験で大切なシーズンだから母親はなるべく学校に行って欲しいと思っていること。
母親としてはいくら彼氏だとはいえ、僕を巻き込みたくはないと言うこと。ただ、共働きの家庭だったから僕の存在に甘えてしまうことがあるかもしれないこと。
そんな話をして、ウィノナの父親にも電話口で謝罪とお礼を謂われてその日は帰ることにした。
その後、自宅では両親にこっぴどく叱られたが、そんなことは気にも留めなかった。
事情も根掘り葉掘りと訊かれたがちゃんと話はしなかった。
両親二人は僕を心配してのことだったんだろう。気持ちが高ぶってうぜぇんだよなんて口走り父親には初めて殴られた。
ビンタじゃなくてがっつり振りかぶって頬を撃ち抜かれたのには正直面と食らったな。
帰宅後、彼女から僕が帰った直後の19時に一通、23時55分にもう一通、例のメールが届いた旨の連絡があった。
携帯ショップで聞いた様に恐らくはアドレス変更の制限で1日多くても3通、最後のメールは日をまたぐ直前に来る、僕はそんな予測をした。最後のメールを0時直前に送り直後にアドレスを変えるのだろう。
月曜日。予定通り彼女は学校を休んだ。
僕の学校は携帯の持ち込みは許されていたが、授業中の使用は携帯の無期限預かりという罰則があったし、今みたいに携帯で色々なことができる時代ではなかったから殆ど授業中に携帯を触るものは居なかった。
2限目の後、携帯を確認すると今日一通目の例のメールが届いたと彼女からメールが入っていた。
2限目は僕のクラスと隣のクラスで合同の体育の時間だったからこの授業の参加者は携帯を触らなかった可能性が高い。
僕と同じクラスの石原、サユミちゃん、隣のクラスの平山、レナちゃん、その他クラスメイトたちが犯人の可能性は極めて低くなった。
そもそも例のメールのキャリアがdocomoだっから、確実にウィノナの連絡先を知っているdocomoユーザーといえばゲイの石原と中学からの親友のレナちゃんだけだったんだけどね。
>>188
端折っちゃったけどそれも試したんだよね。しかもかなり早い段階で。
で、当時はいちいちアドレス変えましたってメール打ってたじゃない?
ランダムないたずらの線を消すために一回アドレス変えて、今こっちで電話帳登録してる全員に登録し直してもらったんだよ。
それでもすぐメールは来た。
まぁだからもともと電話帳に入っていた人間が犯人の可能性が高くなったんだよね。それで自分も犯人を見つけられるんじゃないかって思ったってのもあるよ。
その後も見ないに越したことはないから携帯解約とかはよく提案した記憶があるけど、僕と連絡が取れなくなることが怖かったのかな。彼女はそれはしたがらなかったね。
月曜日はそんな報告も兼ねて家とは反対方向のウィノナの家に直行した。
それを聞いても彼女の表情は一つも変わらなかった。
同じクラスには居ないから大丈夫と学校に行きやすくなるかと思ったのだが、被害者の当人からしたらそれは関係のないことだったのだろう。
翌日も学校を休むと僕に告げ、今日は帰って欲しいと言われた。
恐らく彼女は犯人を探して欲しいだなんて思っていなかったんだろう。寧ろ知りたくなかったのかも知れない。
その時の僕はそんな事に気がつくはずもなく、ただ犯人を見つけてやめさせれば彼女は救われると盲信していた。
帰り際、ウィノナに頼み1日だけ彼女の携帯を預かる事にした。
ウィノナは特に理由も聞かず黙って携帯を差し出した。
帰宅後、その日も当然の様にウィノナの携帯に23時55分頃メールが届いた。
アドレスは例の如く中傷文のローマ字打ち
内容はこんなだったと思う。
怖くて学校に来れないんでしょ?そのまま部屋で腐って死ね。
僕は正直少し安心した。
一つは僕が携帯を持っている事を犯人が知らない事。
ストーカーや高度な監視技術を持つ可能性が否定された。
一つは学校を休んだことを知っている事
これでかなり犯人の特定がしやすくなった。例えば中学時代の同級生ってのは可能性が低くなった。
もう一つはメールの内容で特定するヒントを与えてしまっている浅はかさ。
同じ校内に居ますよと言ってしまうような内容を送りつけるのは馬鹿としか言いようがないと思った。
併せてウィノナのアドレス変更を行ってウィノナ側の電話帳に入ってる人だけにアドレスの変更を伝えてあった。
それでもメールは届いたから犯人は少なくとも僕も顔が分かるくらいの親しい人物ではないかって考えたんだ。信じたくはなかったけどね。
或いは自己顕示なのか、特定されるリスクを無視できる程の恨みを持っている人物か、その全てか
何れにしても特定は容易いように思われたんだ。
翌日火曜日、例のメールの一通目はこの日は放課後だった。
丁度ボーカルのあゆちゃんがビッチ面でウィノナだいじょぶなのー?と訊いてきた瞬間だったことをよく覚えている。
僕はぶっきらぼうに頷くだけだった。
正直、親しくしていた人間の中だったらアユが最も怪しいと睨んでいた。
この時彼女は携帯をいじる素振りはしていなかったから、彼女も容疑者から外れた。
よく男にふられたとかで感情の起伏が激しいやつだったからそんな腹いせが同期かもとか邪推してたんだよね。
その後アユちゃんは後輩の男子高校生の漕ぐ自転車の後ろにまたがり帰っていった。
そうすると、僕の知る限り親しい人間の中ではマンドリル以外が容疑者リストから外れてしまった。
ウィノナの携帯の受信履歴を見る限り連絡を取り合うような間柄の人間はそんなに多くない。
マンドリルのキャリアはドコモだった。
ここで一つの疑問にぶち当たった。
>>196
すまんす!!
本当は今晩中には終わる予定だったんだけど微妙www
>>197
ありがとう!!
頑張って書きます!!
>>198
ごめんね
ちょこちょこ書き溜めては投下してるんだ
おまたせしてすまない
ありがとね!!
1日3回のアドレス変更制限があると言うことは
元のアドレスから嫌がらせ用のアドレスに変更して更にそれを元に戻す
これだけで2回制限を消費することになる。3回送ろうとするならば2回目から3回目のアドレスに変更するとき元のアドレスを経由しない。
それに気づいた夕暮れ時、この日2通目の例のメールが来た。
僕は急いで怪しいと思われるすべての人間にメールを送信することにした。
当時、チェーンメールなんてものが流行ったことがあった。不幸の手紙の類や鉄腕ダッシュの企画として一通のメールがどれだけ拡散するかの調査ですみたいな内容の類。
以前受信したチェーンメールの内容を改変して、電話帳内すべての人間に送信しなければいけないと言う文言を追加して各人に送信した。
電話帳内すべてに送信ってのは無理があったけど、もしかしたらあとであいつアドレス変わってたぜなんて情報があわよくば入ってくるかもくらいの気持ちだったんだね。
仮に僕から送信できないアドレスがあればそいつが犯人の可能性が高い。そう思った。
一度犯人から外した人間も含めて送信。宛先は100人は超えていた。
僕の期待とは裏腹に全員にメールは届いてしまった。
もちろんマンドリルにもだ。
そもそも当時は携帯メールは高校生たちのライフラインみたいなものだ。
そう何日も違うアドレスには出来やしない。
或いは犯人は携帯を2台持っているのか…?
携帯をウィノナの家へ返しに行ってついでに携帯を2台持っている人物に心当たりはないかを訊いた。
当時は高校生が2台も携帯を持っていることはまず無かった。あり得るとすればPHSとの2台持ち。
だが僕にもウィノナにもそんなことをする必要のある人間は思い当たらなかった。
そもそもウィノナは更に生気を無くし、ベッドから出てくることもなかった。
>>206
いいですか?
ありがとう!!
>>207
どうだろう
期待するほどの展開じゃなかったらごめんね
ありがとう
水曜日
もはや何をしていいかも分からなくなってしまった。
すべて振り出しか、はじめから意味がなかったのか。
この日も丁寧に3通、3通目は日の変わる丁度直前にメールが来たそうだ。
やはり警察に頼るしかないのか。
気乗りがしなかったが、路頭に迷ってしまった。
木曜日
軽音楽部の面々がウィノナの御見舞に行くと言い出した。
家までの道のりがしっかりわかんないからあんた案内しなさいよと、マンドリルは僕に言う。
少々まずい。
ウィノナはこの件を隠したがっていたからだ。
授業の資料なんかは俺が届けるしまだ体調が優れないから来週にしたら?などと提案をしてももはや言うことを聞いてはくれなかった。
アユ、マンドリル、サユミちゃん、暇だから行くと言い出したゲイの石原がお見舞希望メンバーだった。
ウィノナは電話に出ない。
ウィノナが会えないと言ったら或いは電話が繋がらなかったら帰るという前提で彼女らをウィノナの家まで案内することにした。
路線バスでの移動だ。
たまたま下校で乗り合わせたレナちゃんも同行したいと言う。
同じ中学出身だから家も近く、ウィノナ宅は大きな公園を挟んですぐとのことだった。
ウィノナ宅の呼び鈴を鳴らしても誰も出ない。
妹はおそらく塾で母親は仕事だ。
ウィノナは連絡を取り合う気力もなかったのだろうが、お見舞い組には昨日よく眠れなかったらしいから寝てるかもしれないと伝えた。
よく眠れていないのは昨日だけど事ではないのだが…
その間、自然な流れでレナちゃん宅にお邪魔することになった。歩いてものの3分だ。
結構立派な和風の家だ。
山本とちょっと見ない感じの楷書体の表札が目についた。
ゲイの石原は旅館かと思ったなどと宣ったが、気持ちは分からなくもなかった。
結構な人数のお見舞い組だったが全員が大手を振って寛いでも余裕のある大きな部屋がレナちゃんの部屋だった。
壁は和風なのに部屋一面におもちゃ箱をぶち撒けたようにキャラクターもののアイテムが配置してあった。
一番印象的だったのはラナバウツのポスター。あれだ、男の子が使う給食袋なんかに描かれていた丸っこいパトカーとか飛行機のキャラクターだ。いや、キャラクターというか顔はないんだけどさ。
>>215
すまないね!!
僕はもう少し書きます
また起きてからでも読んでください!!
兎に角そのポスターが浮いていたのだが、レナちゃんの不思議系のキャラクターがあってこそ、その違和感に猛烈な説得力がもたらされていたことが印象的だった。
レナちゃんの母親がお菓子と飲み物を持ってきてくれた。
レナちゃんのコップだけケロケロケロッピのキャラクターものだった。
足りなかったわけでもないだろうに、お母さんも不思議な方だなと思った。
きっとお見舞い組全員が思っただろう。
こんな状況で、丸机を囲みながら僕は結構な窮地であった。
ウィノナって結局風邪なの?
こんな他愛のない質問にもなかなか答えられない。
僕はウィノナに現状と早く電話に出てほしい旨をメールで送っていた。
うん、多分風邪だよなんてお茶を濁していたら僕の携帯が鳴った。
ウィノナからのメールだった。
“勝手なことをしないで。会いたくないよ。あなたにも。帰って欲しい。”
こんな内容だった。
僕は落胆を隠しつつ
「ダメだ、熱がすごいからうつしちゃいそうだし会わない方がいいって。申し訳ないけど今日は飯でも食って帰ろうか」とお見舞組に伝えた。
彼女ら(1名ゲイだけど)はすごく心配そうな様子で、僕の目には間違いなく完全なる善良な友人たちにしか見えなかった。
レナちゃんの母親にお礼を告げサイゼリヤでご飯を食べて帰ることにした。時刻は19時くらいだったかな。会話はそれほど盛り上がらなかったような気がする。あまり思い出せないのは多分すごく気を使って話をしていたからかな。
マンドリルと僕は帰る方向が同じでみんなと別れた後も帰路につきながらいろいろな話をした。
飯田と喧嘩したとかくだらないことだったと思う。
すっかりおセンチマンドリルだなと思っていたら急に神妙な面持ちをして僕に詰め寄ってきた。
「何かあったの…? あんた最近落ち着きないよ。ウィノナのことでしょ?風邪よりもひどい病気かなにか?」
なかなか鋭い。野生の勘だろうか。
僕は
「いや、病気じゃないから心配すんな」と答えたんだけど、これがかなり迂闊だった。
「病気じゃないなら何よ!?」
野生の気迫に押されて彼女には何も知らないふりをしてくれと言う約束の上で、経緯を話したんだ。一度行ったことのある喫茶店で話をした。もう営業時間はギリギリだった気がする。
話を聞く間、マンドリルはずっと怒った顔をしていた。ちなみに僕は心の中でマンドリルと読んでいたが、彼女は公にオコリザルと呼ばれていたことがあった。普通の女子なら怒るだろうところを平然としていたし、僕は度量のでかいサルだと感心したことがあった。
怒りの対象はメールの犯人だ。
相槌なのか怒りの鼻息なのか判然としないがずっと彼女はフンッフンッと言っていた。
さっきサイゼリヤでデザートを食べたのにコーヒーフロートを飲んでいた。
珍しく口数の少なかった彼女が発したのは「私も協力する」「ウィノナには彼女が話してくれるまで黙っておく」「飯田があんたのこと心配してたから飯田には話してあげて欲しい」
僕は正直、一人で抱えなくて済むんだったらと彼女の提案を歓迎した。
最後に全部聞いた上でマンドリルが怪しいと思う人物は居るか?と確認したが全く見当がつかないとのこと。
実際、携帯を2台持っている人物は学年で6人把握していて、その全てが男女カップルの通話料定額プランのウィルコムだという。
マンドリルも飯田と夜いちゃいちゃと長電話をする為に欲しいから色々話を聞いて回ったから、知っているとのことだったがマンドリルの情報網には本当に凄かった。
マンドリル曰くウィルコムのPHSもメール機能は一応あったがそれをメインの連絡先として使っている人間は知らないとのこと。
携帯2台持ちの可能性もだいぶと薄くなった。
マンドリルに協力をお願いすることにした。
マンドリル「犯人探しも大事だしウィノナも心配だけどさ。私はあんたが心配。現に顔色悪いよ?」
僕「そうだな。誰かに話すだけでこんなに楽になるんだな。」
マンドリル「だったら何でも話なよ。あんたの恥ずかしいとこはさんざん見てきたわけだし」
飯田はいい彼女を作ったなとしんみり思った。
飯田にはいずれ俺から相談するとも伝えて解散した。
その後何度もウィノナに連絡を試みたが一度もつながることはなかった。
僕は一睡もすることができなかった。
金曜日を迎えた。
女性というのは往々にして勘が良いのだろうか。
母親は朝食を出しながら顔色が悪いと心配してきた。2日連続顔色を指摘されるとは、多分だいぶやばい色だったんだろう。
僕は何でもないよと応えて、今日は友人の家に外泊することを告げた。
勿論ウィノナと一晩一緒にいる為の嘘である。
母親は顔全面に今にも察してますよと言い出しそうなしたり顔を貼り付けながら着替えを紙袋に詰め込んでくれた。
お昼休みに飯田を呼び出して昨日の経緯を話した。
春の陽気が心地良い屋上で飯田はお弁当をもぐもぐ頬張りながら聞いてくれた。僕の心はかなり曇天だったけどね。
「俺とマンドリルは何があってもお前の味方やで。俺に関して言えば、困ってるお前を見てられへん。でも人を恨んでも何もええことあれへんからな。人恨むくらいなら俺に愚痴せぇよ」
こんな事を言ってくれた。
つくづく漢らしい奴だ。
この二人にはすごく助けられた。
色々端折っちゃうけど友人の前でガチで泣いたのはこの二人の前だけだ。タイミングを見つけては話を聞いて、すぐ傍にいてくれたんだ。
放課後からお昼の快晴が嘘のような土砂降りになった。
昨日のメール以来、一度もウィノナとは連絡が繋がらなかったが、取り敢えず家に行けば会えるだろうと授業が終わった瞬間に駆け出した。
彼女宅の呼び鈴を鳴らすと出てきたのは母親だった。
ちょっとリビングに上がってもらえる?
そんなことを言われて少し違和感を覚えた。
口をついて出たのはウィノナは大丈夫ですか?の一言
母親の顔は曇っていた。
母親曰くは、今朝口論になったとのこと。
昨日、友人たちが折角お見舞いに来たのに断ったこと。一週間も連続で学校を休んだことを揶揄したらしい。
僕は母親を責めたかったが、ただのメールなんかに屈してはそれこそ犯人の思う壺だと言う母親の意思も分からなくはなかった。
その口論でウィノナは家族にすら分かってもらえないと嘆きながら家を飛び出したそうだ。
母親もこの状況に疲れを隠せない様子だった。
僕の知らない間でウィノナは母親にきつく当たったりもしたのだろう。
現状、父親が仕事終わりに車で探し回っているらしい。
僕にも心当たりの場所はなかったが、いても立ってもいられず探してきますと言い残し家を飛び出した。
僕は昨日から連絡が繋がらなかったからか。それとも彼女が以前割りと簡単に死という言葉を使ったからか、頭からは彼女の自死のイメージが離れなくなっていた。
今となっては人はそんなに簡単に死ねないのだろうと分かる。そもそも本当に自殺する人は唐突だ。死にたいなんて言わない。言えないから死ぬんだ。そう実感したのは大切な友人を一人自殺でなくしたから。でもこれは本件とは関係のない話だから置いておく。
まぁ兎に角、さっきの下りでもあったけど人に話すことは大切だし、人に聞いてもらえること、話したいと思える友人がいること、それはとても大切なことだ。
話がそれてしまってすまない。
兎に角、その時の僕にとっては彼女の死はとてもリアルなものに感じられた。人間の脆さ、危うさを目の当たりにしていたからなんだろうね。
目につく飛び降りられそうな建物に登っては調べる無為な行為をしているうちに僕の携帯が鳴った。
ウィノナからの電話だった。
「私もう死ぬね。人にこんなに恨まれて耐えられないや。」
嫌な予感が的中した。
慌てるという言葉では形容できない心情、心臓が焼けてしまうんじゃないかってくらいの鼓動、何か言葉を発せねばと思っても喉がぴったりと閉じて喘ぎに近い何かしか出てこなかった。
かなわない相手に対峙した時のベジータみたいな反応をしていたと思う。
「お母さんにもそんなに死にたいなら死ねばいいじゃないって言われたよ。じゃあね。」
それは知らない事実だった。
勿論僕には言えなかっただろう。
いくら衝動的とは言え、実の娘に死ねと言っただなんてね。
彼女は少し声を震わせながら電話を切った。
僕もどうしていいか分からず、土砂降りの雨の中、ただひたすらに泣きながら血眼で無作為に走り回った。
時間は必要だと思う時ほど一瞬で過ぎ去る。
何も出来ぬまま夜の23時を向かえた。
>>230
嬉しいな!!ありがとう!!
夜更かしさんですね!!
>>234
そうだね。僕もこうして書いていると当時のことが思い出されてなかなか眠れません。
特に死についての具体的なイメージは今でもはっきりと思い出せます。
>>235
そうだね。
ほんとにそんな状況になると思ってたよ。
たまたま住宅街が近くに見えて、そのどれかの屋上に人影があるんじゃないかってね。
空ほど高くもないしね
一気に書かなくても着かれたら休憩挟めよー
>>236
うん。
せっかく自分でもこんな風に思い出して書いて、反応までもらえて、眠いからって適当に書いちゃうつもりはないよ。
実際ちょっと眠くなってきた。
何も言えなかった。
そんな不甲斐なさ。
もしこのまま彼女が死んでしまったなら…
僕が何も言えなかったせいで彼女は死ぬのか?
そんなネガティブな自問自答。
並行してもし死ぬなら自分ならどう死ぬのかも考えた。
首吊り、飛び降り、刃物
真っ暗な空を見上げるたび、息を切らして目を閉じるたび彼女がそれぞれの方法で死んでいくイメージが克明に再生された。
今でもたまに夢に見るくらいの強烈な負のイメージ
彼女の母親からは何度か連絡があり、父親がまだ彼女を見つけられていないことを聞いた。
僕もまた母親がウィノナに言った死になさいという言葉には思うことがあって、半ば喧嘩腰で話をした。母親はウィノナが死ぬと軽々しく口にすることや被害者とは言え人を巻き込むことに憤っていたが反省はしているようだった。
ただ1日3通だけのメールが一週間。それだけでウィノナ、彼女の家族、僕の心は限界まですり減っていたんだ。
人によっては何ともないのかもしれないね。ウィノナにとっては耐え難いことだったんだろう。彼女の中で増幅された負のイメージがそれに関わる人間まで壊そうとしていたのかも知れない。
僕は母親に警察に連絡してくれと懇願した。
体力も精神も限界だった。
ウィノナ宅の近くの公園に戻ってきた僕はベンチに寝そべった。星も見えない宙を仰ぐように。
そんな時に僕の携帯が鳴った。
ウィノナからだった。
ほんの少しの安堵と呼応するように雨はやみつつあった。
死んでなかったってだけでもその瞬間にとっての僕には救いだった。
イメージの暴走が止められなくなっていたから。
僕が口を開くその前に彼女が話した。
「やっと踏ん切りがつきました。今までありがとう。」
おい!!と叫んだその瞬間には電話は切れていた。
電話口に波の音が聞こえた気がして僕は以前彼女と初めてキスをした海岸まで走った。
家から徒歩圏内の海ならあそこしかない。
ここからだと大凡15分くらいの距離だった。
僕はウィノナの母親に電話をした。
多分何を言っているか分からなかったと思う。
息も切れているし、言葉も出てこない。
ウィノナが死んでしまう、そんな意味合いの言葉を叫び続けていたと思う。
今その状況を文字に起こすと、まるで小学校の教科書に出てきたもちもちの木みたいだね。あれはじいさんが死んでしまうって叫びながら走る話だったと思うけど、まぁ似たようなもんだ。
浜辺に到着した。
相変わらずぼんやりとした街灯だけがその灰色の海辺を照らしていた。
波打ち際には明かりはなく、殆ど何も見えはしなかったが、何かにすがる思いで堤防から浜に降り立ちそのまま海岸線まで走ってみたんだ。
目を凝らして海を見ると腰くらいの高さまで海水に使ったウィノナを見つけた。
僕はもはや意味も成さない言葉の羅列を叫びながら海の中へ走った。
彼女も取り乱した様子で逃げ出した。
客観的に見るととてもシュールな情景だったと思われるが、本人たちは至って本気だったんだ。
>>252
ありがとう!!
でもそろそろ瞼の重さが限界かもしれない。
中断してもまた読んでくれるかな?
>>255
じゃあ話のキリが良いところまでは頑張ります!!
急に深くなったのか、足を取られたのか彼女が水面に消えた。
よく見えなかったがきっと溺れていた。
手足を振り乱してバシャバシャと水しぶきを上げていたように思う。
やっとのことで追いついたが、僕は割りと身長は高いのでまだ足はつく程度の深さだった。
暴れて死なせて、殺してなどと叫び続ける彼女を羽交い締めにして岸まで連れ戻した。
彼女は過呼吸に陥っていた。
いくらか海水を飲んだのか、ゲプゲプ言いながら口から水を吐き出したりしていた。背中を叩いて一頻り水を吐かせたら
堤防の一番下の段にとりあえず寝かせて落ち着くのを待った。以前も一度、彼女は過呼吸になったことがあったのでそれで死にはしないことは知っていたけど、見ていられないほどに苦しそうだった。実際多分死ぬほどの苦しみだったんだろう。
限りなく白に近い肌色。
ちょうど明かりが白色灯だったから余計にそう見えたのかもしれない。
それまでに何度か出た葬式で見た死体ですらこんな色はしていなかったと思った。
彼女が制服を着ているところを見ると、母親の意思に応えて一生懸命学校に行こうとしたのだろうと想像した。
彼女の母親に電話して迎えに来てもらうことにした。
収まりつつある過呼吸の彼女を眺めていた。頭に海藻が付いていた。結構大きめだ。
いつぞや、視聴覚準備室で汗かいて髪がわかめみたいになっていたなぁと思い出した。
あの時は可愛いと思ったが、この薄明かりの中の彼女は正直磯の臭いにまみれていて流石に魅力的には見えなかった。
寧ろ、死のイメージ、死体のイメージ、腐敗のイメージ
大好きな人がまるで目の前で腐っていってしまうような錯覚を覚えていた。
それに追い打ちをかけるように、体勢が苦しそうだったので彼女の体を動かすと背中の下から大量のフナムシが登場した。
現実は必ずドラマのようにはいかないことをこの時初めて知った。
虚ろな瞳で浅い息を繰り返す彼女を目の前に僕は両手をついて泣いていた。
ドラマみたいに抱きしめたり、愛してるとか叫んだり、何かしら励ましたりそういう事をする気持ちはまるで起きない。
死ななかったとは言え、まるでこのまま彼女が別の物に変わっていってしまうかもしれないっていう恐怖。
もう二度とこの子は笑うことはないかもしれない、そう思った。
もしそうならば僕は結局、彼女を失ったのも同じだから。
彼女野過呼吸がちょうどぴたりと収まった頃、彼女の父親の車のヘッドライトが僕達を照らした。
いつも出張で居なかった父親とちゃんと話をしたのはこれが初めてのタイミングだった。
とても線の細い、頼りのない父親に見えた。
父親は僕にひとしきりお礼と謝罪を繰り返しながらひとまず家に戻りましょうと提案した。
>>261
眠くなってきたって言ってから相当起きてくれてるよね。
僕は相当に嬉しいよ!!
見てますよ
>>265
ありがとう!!
明日はそんなに予定詰まってないから多分明日中には必ず終わります!!
先に僕がシャワーを借り今朝僕の母が用意したお泊り用の服に着替えた。
といってもそれも雨でぐっしょり濡れていたんだけど、彼女の父親の服は僕には小さすぎたからね。
お風呂場から急いで戻るとリビングでは家族会議が行われていた。
ざっと汚れだけを落としてパジャマに着替えさせられた彼女はソファに仰向けで寝かされていた。ハッキリと目を見開いて天井の何処か一点を見つめたいた。一種の興奮状態からまだ冷めていなかったのかもしれない。
仰向けの彼女とソファに向けて置いた食卓用の高い背もたれのイスに座った家族の風景がシュールだった。
棺桶に入れられた死体でも眺めてるみたいな構図だなと思ったんだ。
彼女に対して本当にごめんなさいと謝る母親の目が死んだ魚の目のようだったことが印象的だった。
ウィノナがお風呂に半ば無理やり入れられた後、ウィノナの家族とはいろいろな話をした。
その殆どが謝罪だった。
僕は自分で言うのもなんだけど結構温厚なタイプなんだよね。
勿論彼女の家族たちも僕が怒るところなんて見たことがなかったんだ。
話が僕に対することばかりで、娘の心配をしていないように思えてついにキレてしまったんだ。
「いい加減にしろよ。ウィノナは明日にでも死ぬかも知れないんだ。少なくとも死ぬほど辛い思いをして、死ぬ気で助けを求めてる。警察に連絡するでもなんでもいいからすぐにこの状況をなんとかしたらどうなんですか。」
徐々に言い過ぎたトーンダウンしてと思って最後に
「…すいません」
と付け加えた。
父親は僕の剣幕に気圧されたのか同意をしたが母親はまだ世間体やらなにやらを気にしている様子だった。
妹は頼りない家族で本当にごめんなさいと僕に耳打ちをして来た。
僕は妹に何かあったら連絡をくれとメールアドレスを手書きで書いて渡しておいた。
お風呂からウィノナが上がってきた頃には午前2時を過ぎていた。
彼女は持ち物と靴は律儀に堤防に置きっぱなしだったらしく水没して使えなくなったものは無かった。飛び降り自殺も靴とか置いてあるよね。あれなんでなんだろう。
あとで回収して分かったんだけどカッターナイフなんかも持ち出していた。
本当に死にたかったのか、助けを求めていたのかは分からない。多分本人もわからかい。
でも意志の有無はともあれ実際夜中の海に着衣で入って行ったら多分見つかんなかったら死ぬ。それは自分が目で見たからわかる。
言い方は変かもしれないけど、不幸なことに適切な自殺方法の一つではあったんだ。
そういう意味ではボロボロになりながらなんとか彼女を見つけた当時の自分を褒めてやりたい。
僕も携帯だけは浜に放り投げていたので水没は免れていた。
ウィノナはなかなか浴室から出てこなかった。妹に連れ戻してもらう。
ウィノナと僕、家族は会話を試みたが彼女は上の空でただごめんなさいとだけ繰り返した。
このごめんなさいが何に対するごめんなさいなのかは全くわからなかった。
心配をかけてごめんなさい。
心が弱くてごめんなさい。
死ねなくてごめんなさい。
生まれてきてごめんなさい。
“ごめんなさい”にどんな言葉をつけても彼女の心情そのもののように思えたんだ。
きっとその全ての“ごめんなさい”が混在してそれしか言えなかっただろう。
取り敢えず妹とウィノナは2階の妹の部屋で、僕はウィノナのベッドを借りることにした。
睡眠不足と体力の消耗で体はもう動かないくらいだったがいくら目を瞑っても眠ることはできなかった。色々なことがありすぎた。
1階からはウィノナの両親が口論しているのがはっきりと聞こえたいた。
急いでシャワーを浴びたからかまだ僕からはほんのりと磯の臭いがしていた。
時間も5時を過ぎたので少し眠ります。
今日も一応予定があるので、日中はそんなにたくさんかけないかもしれません。
でも今日中には終わりにします。
脈略のない冗長な文章だというのに
反応がもらえてとても嬉しいです。
どうしても書き留めておきたくて、これは自分のエゴだけど少し人に吐き出したくてここに書かせてもらってます。
全体を考えずに書き出したので分かりにくい部分もあったと思います。
興味を持ってもらえるのであれば可能な限り答えますので書き込んでおいてもらえればなお嬉しいです。
またすぐに戻ります。
>>273
ありがとう!!
なんか緊張するね。
ほんとありのまま話するから期待はずれだったらごめんね!!
おはようございます!!
またちょっとずつ書いてきます!!
>>274
嬉しいです!!
ぼくも昨日は思い出しているとここには書いていない楽しかったこともたくさん思い出して、あの頃は面白かったなぁとしみじみ思いました!!
>>275
9までは来た気がする!!
11話になったら戻って来るから呼んでな
>>292
正直、まだ書き終わってないからどのタイミングが11話なのか自分でもわからないけど、この辺ってタイミングで来てくださいって念じます!!
>>285
ありがとう!!
ちょっと今日は家を出てるから日中はそんなにたくさん投下出来ないかもしれない。
ごめんね!!
土曜日
結局眠ることもできないまま朝を迎えた。
隣の妹の部屋をドアの隙間から確認すると二人はぐっすり寝息を立てていた。本音としてはちょっと拍子抜けだった。
まぁそれに越したことはないんだけどね。
女性って多分男よりも打たれ強いよね。
僕は居心地の悪さを感じて置き手紙を書いて家をあとにした。特に彼女の母親は昨日の父親との口論ですごく怒ってるようだったからね。
警察に行くことも考えたけどこれ以上勝手な行動をすると彼女の母親も敵に回しそうだったので、素直にバスに乗った。
海水でシワシワになった千円札が2枚
運転手に怪訝な顔をされながら両替をしてバスを降りた。
自宅の玄関がとてもありがたいようなものに思えた。
僕の母親は朝から待っていたようだ。朝食が用意してあった。
僕は完全に緊張の糸が切れたのだろう。トーストをかじりながらボロボロと涙を流していた。
母親は何も訊いてはこなかった。塩水まみれの制服を見てもなお、まだパン要る?なんてことを聞いてくる。
僕は母がこんなにも優しい人間だったことを今まで知らなかった。
自室に戻ってしたことと言えば、もちろんオナニーだ。もちろんってのも変な話だけど人間は生命の危機を感じると種の保存をする為にフル勃起になるのだ。
眠い時に限って息子が起き始めたり、授業で居眠りしてたらムクムクしてきたりするよね。
極度の疲れを感じていた僕はがっつりオナニーをした。馬鹿だよね。
いや、書かないでおこうって思ったんだけどね。あまりにもはっきりと覚えていることだったからね。
3回目をしようとおちんちんを握りしめたまま寝落ちしたしまった。
夢の世界では悪夢に魘された。
この時見た夢もはっきりと覚えている。
彼女が自分の胸を両手で抉って心臓を僕に差し出したり、耳を勢い良く千切ったり、そんな夢だ。
現実世界では多分おちんちんを握ったまま、うーうー魘されてたんだろうな。
僕は夜、ウィノナからの電話で目を覚ました。
「昨日はごめんなさい。」
その後の言葉が出てこないようだった。
後には泣き声と鼻を啜る音しか聞こえてこなかった。
僕は
「大丈夫。絶対に何とかしてやるから、すぐにそこから助け出してやるからもう少しだけ時間をくれないか」
そんなことを言った。
僕にできることなんてほとんど無かったのにとんだビックマウスだ。
本当は会いに行って、抱きしめてそう言ってあげたかった。
ただこれ以上僕の家族に心配をかけて引き止められたらまずい。
父親に殴られることは構わなかったが、騒ぎ立てられては困る。まだ例のメールはしばらくは続くんだ。
また死ぬと言い出さないか、不安な気持ちを抱えたまま今日は電話で我慢することにした。
その後も泣き声が続くばかりだったが結局、僕は2時間ほど泣き声をずっと聴いていた。
日曜日
偉そうなことを宣った割に僕は土曜日の反動で日曜日はほとんど寝て過ごした。体が動かなかったんだ。
といっても寝付くとすぐ悪い夢ばかりを見てなかなか深く眠れない。
まるで瞼の裏がスクリーンになったみたいに彼女の死を上映し始める。
僕もそんなに精神的には強いほうじゃなかったんだなって改めて思った。
きっと当の本人よりも死のイメージに怯えていたんじゃないかな。
彼女の妹から、例のメールはまだ続いていると言うことと、彼女たちの母親ももともと結構ヒステリックで妹もたまに困ることがあったこと、父親は見た目通りで母親がヒステリーを起こした時は何も出来ないことを教えてもらった。
僕は明日の月曜日には警察に相談に行けるように何とかならないかと妹に相談した。
妹はうまく交渉してくれたようで、
翌日警察にもう一度相談しに行くこと、その為に両親とも仕事を休ませたことを報告してくれた。
ちなみに妹はまだ中3だったな。
すごく良くできた妹で彼女にも救われた部分は大きかった。
月曜日
僕は風邪を引いて学校を休んだ。
どうせウィノナも学校には来ないことは分かっていたし無理をする必要は感じなかった。半分ズル休みみたいなもんだったけど、確かに鏡をみると病人の顔つきをしていた。
その日はマンドリルと飯田がお見舞いに来た。おそらく僕の欠席の理由が風邪じゃないと睨んでのことだ。
土日にあった事は伏せておいた。
ウィノナが自殺未遂をしたなんて言えなかった。
でも二人は察してくれたんだね。詮索はしなくて、お前が話したいことを話せよなんて言ってくれたよ。
自室で二人と話しているうちに涙が止まらなくなった。俺もうどうしていいかわかんねぇよなんて言っていきなり泣き出したら普通びっくりするよね。
マンドリルが僕の頭をワシワシ撫でて、また元気になったらパフェでも喰おうぜなんて言う。この時は流石にマンドリルの食欲については何も思わなかったよ。むしろそんな他愛のない話をしてくれたおかげてわ少し現実に返ってきたような気がする。
僕は翌日、学校にいくふりをしてウィノナの家に行くつもりだった。2日前にあったばかりなのにもうだいぶと遠くに行ってしまったような気がしていたから。
二人には何とかうまいこと学校には風邪で引き続き休みと言うことにしておいて欲しいとお願いしたら快くOKをしてくれた。
>>290
ありがとう!!
そうだね。今となっては世界で一番のおかんだと思えるよ。
結構体もでかくてね、まるで男みたいなんだけど本当に優しい人だ。
おかんとのエピソードだけで本当はここまでの内容と同じくらいの長さの話がかけるくらいに、色んなことがあったんだ。
>>298
ありがとう!!
なるべく急いで書きますね!!
>>299
昨日からありがとうね!!
火曜日
学校には行かずウィノナ宅へ直行
彼女の両親が仕事に出ていることは確認済みで妹からは鍵の隠し場所を聞いてあった。
勝手に上がりこみ、2階へ上がりウィノナの部屋のドアの前で入るぞとだけ言った。
返事はなかったがそのまま入室した。
ウィノナはドアに背を向けて勉強机に向かって何か作業をしているように見えた。
そのまま顔を覗き込もうとして隣に立ち、状況を把握した。
僕はすっかりノートに何かを書いていると思っていたが、彼女は自分の左腕を右手で持ったカッターで切り刻んでいた。所謂リストカットだ。
僕は彼女の行為をやめさせるべくカッターを取り上げた。
嫌がる彼女にビンタをした。
僕は、お前のやっていることを分からせてやると言って彼女と同様に左腕に右手でカッターを突き立てたんだ。
こうして客観視させれば彼女が僕にどれだけ心配と恐怖を与えたのかわかってもらえると思ったんだ。
これは結果的に失敗だった。
リストカットってものはそんなに勢い良くやるもんではないことを知らなかった。
格好つけて思いっきり突き立てたことと、興奮してたこととが相まって割とやばい量の出血があった。
ここで痛いと言っては格好がつかない。カーペットも血まみれになってきた。
僕はいても立っても居られずカッターナイフを握りしめたまま黙って部屋を去った。
玄関を出てからと言うと緊張が解けたせいか痛みが何倍にも感じられて、半泣き状態で病院に駆け込んだ。
我ながら情けない末路である。
なんだかんだ緊急で数針縫ってもらった。
ウィノナからの“バカ。どこにいるの?”と連絡があった。なんだ案外元気じゃないか、ちょっとびっくりした。
当時の僕はリストカットが死ぬ為にやる行為じゃないってことを知らなかったんだな。
病院には有無を言わさず自宅に連絡をされ、母親に回収され、状況を根掘り葉掘り聞かれ、こっぴどく叱られながら自宅に戻った。
母は泣いていた。
僕は初めて母親を泣かしてしまったことを激しく悔いながら、目を離した隙を見計らって家を抜け出した。
罪悪感に押しつぶされそうになりながらウィノナに“バカはお前だろ。死ぬのも自分を傷つけるのも俺が許さない。今から行くから待ってろバカ”と馬鹿丸出しのメールを送りつけ、包帯で巻かれた左腕を隠しながらまた彼女の家に向かった。
母親には“本当にごめんなさい。今晩中には必ず戻るから”とメールをした。
“海で待ってる”との彼女の返事に海の中でないことを願いながら、彼女がフナムシまみれで寝ていた堤防まで到着した。
かなり時間がかかった。自転車は彼女の家に置きっぱなしだったからだ。
それでも彼女は待っていた。
ウィノナ「痛かった?」
僕は正直に痛かったこと。彼女に死んで欲しくない一心でやったこと。母親にバレたことを話した。
ウィノナ「バカだね。ありがとう。」
少しだけ彼女に笑顔が戻ったような気がして僕は彼女にキスをした。やはり男子高校生だ。あんなに落ち込んでいたのに隙あらばである。
今朝と比較したら彼女はだいぶ落ち着きを取り戻した様子だった。
あとで分かることだが、彼女は躁鬱病の初期症状を発症していた。
この時は恐らく躁状態に近かったのかもしれない。
その後ウィノナから話を聞くには警察には届け出た模様。
時代としてはこういった事件が丁度増えてきた頃でそういう専門の窓口があったらしい。前回のおっさんは何だったんだ。
僕は彼女にこんなことを話した。
「犯人がわかってしまうこともそれはそれで怖いかもしれない。ただ、今俺が調べた限りではそんなに親しい人ではない可能性が高いように思える。だから、もう覚悟決めよう。あと、恨みはなんの解決も産まない。冷静に解決して行こうな?」
恨みがどうのこうのは飯田の受け売りである。
彼女はただ分かったと頷いた。
僕は母親との約束を守るために彼女とのセックスは諦めて自転車をぶっ飛ばして帰った。
少し顔は怒っているように見えたがそれでめ僕の母親は優しかった。
少し夕食には遅れたが黙って温め直して出してくれた。
その後警察の調査が始まった。
飯田とマンドリルにも手伝ってもらっていたが残念なことに高校生なりの限界があった。
だが調べれば調べるほど、学校にいるとは思えない。ただいたずらに周りの人間のアリバイを増やしていくようだった。
もう少し早くにその限界に気が付けばこんな想いはせずに済んだのだろう。
皆には腕の怪我も心配されたが結局詳しくこの話をしたことは一度もなかった。
ウィノナに届くメールは更にエスカレートをしていった。
結局、当初一週間程度と目された警察の調査は実際にはその何倍もの時間が費やされた。
この間、ウィノナは一度も登校はしなかった。
それに対する彼女の母親の叱責、鳴り止まないどころかエスカレートする脅迫メール。
一月の間に彼女の人格は破壊されつつあり、何とか自我を保つために僕に依存をするようになった。
3日に1日は大切な彼女から死にたいと連絡が来る生活に僕も精神を蝕まれつつあった。
例えば1通目は大体“もう疲れた”こんな感じだ。僕は“もうしばらく我慢すれば大丈夫だから。”なんて無意味な励ましを返す。
何通かのやり取りすると“助けてくれるって言ったじゃない”と僕を責めるようになり、最後は決まって“死にたい”或いは“あの時死なせてくれたら”そんな内容になった。
そのたびに僕は出動し彼女に会いに行った。
実際に死にたかったのかと言えばそうではないのだろう。寧ろ生きたいからこそ、僕に助けを求めていたのだと思う。
時間が経つに連れてこの“死にたい”の発作間隔は短くなっていった。
何度かは以前の様に実行に移そうとしたこともあった。
ウィノナの長期休みは校内の全員が知る事実となり、病気ではない“何か”がウィノナに降り掛かったと噂されていた。
それでもバンド活動は続けたかった。高校生のコンテストみたいなのがあって、オリジナル曲で出場した所、結構いい結果が出ていたんだ。
寧ろ、そういう風に何か別のことに打ち込んで忘れたかったのかもしれない。
視聴覚準備室でバンド練習をしていた日曜日、調査が始まり大凡2ヶ月後、漸く事態は進展した。
彼女の妹から電話があった。
「イチさんですか?ウィノナの妹です。連絡したいことがあって姉の携帯から電話しました。」
若干息切れをしていた。
「実は金曜日に警察から連絡があって、例の件の犯人が母に知らされました。近くにお住いの山本家が契約しているドコモ端末より送信されていることが分かったんです。はい。姉の友人の山本レナさんのご家庭です」
まさにこんな口調だった。
僕は言葉を失った。絶句、この言葉を本来の意味で実感した。
レナちゃんと言えば早々に容疑者リストから消し去っていた人物だったしとてもそんな事をする人にも思えなかったからだ。
「それから…」
妹は続けた。
「それから、それを今日の朝、父と母から姉に伝えたんです。姉は暴れ出して手がつけられず部屋に隔離してたんですが、今部屋を飛び出して行きました。もし姉がそちらにいれば…」
僕は即座に居ないと、答えてすぐそちらに行くと申し出た。返答は聞かなかった。
すぐに視聴覚準備室を飛び出した僕だったが状況を察した飯田が僕の後ろを走ってきていた。
「平山と石原にはざっとだけ説明しちまった。すまん。取り敢えず俺も行く」
二人は予想通りだと言う反応だったようだ。
何が出来るかは分からなかった。
ただ何か良くないことが起きる予感に衝き動かされていた。
僕が真っ先に向かったのは彼女の家ではない。
レナちゃんの家だ。
やはり改めて見るとやはり大きな家で玄関の前にちょっとした門がある。
この門の前に不可解なものが置いてあったが近づいてすぐに分かった。
ウィノナの部屋にあったぬいぐるみだ。
部屋の中の一番大きいサイズの口がバッテンのうさぎのぬいぐるみだ。
あとで分かった事だけど、このぬいぐるみはレナちゃんが中学時代にウィノナにプレゼントしたものだった。
首の部分からワタがはみ出してワタが少なくなったからか、耳がしんなりしていた。
無表情なそのうさぎはいささか不気味だった。
門には私の人生を返してと書かれたルーズリーフが一枚貼り付けられていた。
門の外側についたインターホンは壊されていた。
初めから誰もいなかったのか、あるいは居留守か。
既に警察から山本家にも連絡が行っているだろう。いずれにせよ会えることはないと判断した。
幸いな事に、立派な家が例外なくそうであるように、山本家もセキュリティはしっかりとしている様子では有った。
飯田には最寄りのバス停を中心にして街を探索を依頼、僕はウィノナの家へと向かった。
>>322
そうだね。
確かにヤバさみたいなものは感じた。
僕はどちらかといえば彼女が被害者になるより加害者になる方が怖かったな。
加害者になったら、もう好きではいられなくなるかもしれないからね。
ウィノナ宅では母親と妹に会った。状況の確認をざっと済ませる。
警察にも相談済みだが各交番に通達が行く程度で捜査員などをつけたりは出来ないようだった。
母親も今日の日までずっと神経を擦り減らしてきたのだろう。自分で探し出すという気力はとても無いように見えた。
石原から電話がありウィノナらしき人を学校で見かけたとの事。
彼と平山は事件の状況を知らないが見つけたら方法は問わないから拘束してくれと頼んだ。
突飛な頼みに聞こえたのだろう、何度も聞き返されたが僕は彼女が加害者になってしまう事を恐れてこれ以上隠しては居られないと覚悟した。
急いで飯田に連絡し引き続き彼女の自宅周辺を見て回ってもらうことにした。
幸いにもウィノナはすぐに見つかった。学校最寄りのバス停に居た。
制服姿でカバンを持って。
カバンにはうさぎの胴体とワタとカッターナイフが入っていた。
小雨の降る中、バス停の屋根の下、まるで虚空に繋がる穴の様な目で時刻表を凝視していた彼女の姿は今でも克明に覚えている。
急ぎ協力を依頼していたバンドメンバー各人にメール。彼女を自宅に送り届けたあと、状況を説明したいと送信した。
ウィノナは虚ろだったが、急に笑い出したりと完全に壊れてしまった印象だった。
無理やり手を引きバスに乗り込み彼女の自宅へ向かう。
バス停に居た理由を聞いたらウィノナは「レナちゃん今日は部活の練習なんじゃないかなって。いつもバスで通って居たから…」
とすると彼女は白昼堂々、他の生徒の前でレナちゃんを刺すつもりだったのかと考えるとゾッとした。
バスを降りて、カバンからカッターナイフを即座に抜き取り畑の方へ投げ捨てた。
彼女を自宅に送り届け彼女の家族には絶対に目を離さない様に伝える。
道中彼女とろくな会話はなかった。
去り際にウィノナが「もう行っちゃうの?」と言っていたが完全に幼児退行したそれだった。
バンドメンバーは飯田宅に集まっていた。
僕は今まで隠していた事を詫びつつ状況を全て説明した。はじめてメールが届いた日のことから犯人がわかった今まで、事細かにね。
部活動外の人間の犯行だったので、少しは気が楽だった。
平山と石原はクラスが同じだったり、一緒に行動したことがあったりするレナちゃんのことは友達として認識しているだろうし、いざ犯人の名前まで言うとなるとかなり躊躇ったが…
「それで…どうやらレナちゃんからそのメールが送られてきているらしいんだ」
そんな風に僕が話した瞬間、平山が予想外のことを発言した。
>>329
すまんすまん!!
おまたせしております。
平山「つい先週のことでまだ皆んなには話してなかったんだけど、、、先週の学校からの帰り、レナちゃんに告白されたんだよね…」
石原「それで平山なんて返事した?」
平山「いいよって言っちゃったんだよな」
僕は犯人を言うべきではなかったと言う後悔と焦りで冷や汗と脂汗が吹き出していた。
飯田「いや、お前は気にするな」
そんな飯田が僕の肩を叩いてフォローをしてくれた。
平山「正直、僕も押し負けたって言うか…だから気にしないで欲しい。僕もこんなあやふやな状態は嫌だからほとぼりが冷めてから整理するよ」
あとは、みんなが僕の事を励ましてくれて、その日は解散となった。
翌日月曜日はバンド練習を無しにしてもらって放課後いつもの様にウィノナ宅へ向かった。
ウィノナは思っていたよりもずっと平静だった。曰く昨日の記憶があやふやらしい。
昨日の状況を説明した。
なんで学校に行ったのかも正直分からないと言う。嘘をついているようには思えなかった。
玄関の呼び鈴が鳴った。
妹がドアを叩き呼びに来た。
「山本さんちのご両親が来たよ…」
凄く怯えた様な表情だった。
ウィノナはまるで猫みたいに早く立ち上がり部屋を飛び出した。
その日は彼女の両親が早くから家にいたので僕と妹はウィノナの部屋で様子を見ることにした。
>>333
読んでくれてありがとう!!
日中出掛けながら書き溜めたから!!
もうすぐ終わります
夕食後にはまた書いてみます
妹はお姉ちゃんがあんなでごめんなさいと少し涙ぐんで謝ってきた。
僕が気にすんなと答えようとしたその刹那、一階からウィノナの怒声と金切声が聞こえてきた。
「私の人生、返してよ!!返してよ!!」
ひどい物音と彼女の父親のモゴモゴした口調も聞こえた。
恐らく、ウィノナを父親が抑えているのだろうな。制御できず玄関先の花瓶なんかが壊れたりしているんだろう。陶器が割れる音、壁を殴る音、何かが壊れる音。
金切声はしばらく止まらなかった。妹の涙も止まらなくなった。
山本家側は黙っているしかなかったのだろう。まだ声は聞こえなかった。
ドアは開けっぱなしにしていたのでビンタと思しき破裂音なども聞こえた。
殴ったのはウィノナだろうが、誰が殴られたのだろうか。
30分以上は確実に、呼び鈴を鳴らした客人たちは口を開く隙を与えられなかった。野球の乱闘なんかが玄関先で起こったらあんな感じだろうな。
ウィノナのそれほど大きくない体のどこにそんな力があるのか、想像だにしなかった。
脳内麻薬か何かだろうか。
あの暴れ方は、一階から聴こえる音だけを頼りに考ええも人間の限界を超えていたように思う。
ウィノナの声もようやく枯れた頃、知らない男性の声がした。
「この度は本当に申し訳ありませんでした。」
恐らくはレナちゃんの父親だ。
ここでまたドカッと言う物音がした。
これは、後で分かったことだけど、レナちゃんの父親が土下座している顔をウィノナが蹴り上げた音だった。
鼻でも折れたんじゃないかな。すごい音だった。
知らない男性の声が続ける。
「今回の件でまずお話ししたいことは、一連のメールを送信していたのはこいつだったと言うことです。本当に申し訳ありません。」
一階はしばらく沈黙している。
僕は妹が妙な顔をしていることに気がつきどうしたと聞いた。
何でもE
のんびりと待っちょるワ
がんがれ
>>337
嬉しいz!!
今晩中には終わります!!
気長にお待ち下さい!!
>>340
そうだね。
僕も気乗りしなくて例えば嫌がらせのメールの内容書かなかったんだよね。
でも相当ひどい内容だった。
そういう書いていない部分でのダメージと
母親が僕の見ていない間に結構彼女を責めていたそんなダメージとがあったと思う。
あと潜在的なメンヘラって言うのかな。
人に依存したり、感情の抑制が一点を越えると利かなくなるタイプって居るのよね。
彼女もそういうタイプだった気がするしか、彼女の母親もそういうタイプだと思う。
なるほど。
そうなるとレナちゃんの登場が楽しみなような恐ろしいようなw
ゆっくり待ってる
>>343
そうだね。
半端なところで途切れて申し訳なかった!!
ちなみに僕はその後もメンヘラに好かれるタイプだったよ。
>>342
さすがに彼女の名前を体に掘ったりはできんからねwww
妹「レナちゃんは今日来られないってさっき言ってた…」
彼女の顔つきの違和感の原因を理解した。
そうするとさっきのレナ父が言った“こいつ”が指す言葉は…と思考をめぐらした。
一人しか居ないじゃないか…
まだにわかには信じられなかった。
と今度はウィノナの母親が発言した。
「嘘言ってんじゃねーわよ。うちの娘がどれだけ傷ついたか分かってるの?アカリちゃん!!当事者を出しなさいよ」
妹が補足してくれた。
アカリちゃんってのは山本アカリの事。即ちレナちゃんのお母さんとの事だ。月に一度くらいランチかモーニングをする仲だったらしい。
家も年齢も近く、娘も同い年だ。当然の流れとも言えた。
即ちレナちゃんの父親曰くのこいつはうちの家内のアカリだったんですと言う意味だとやっと理解が追いついた。
レナちゃんの母親なら一度会ったことはある。
と言っても飲み物を出してくれただけだしよく知らなかった。
結局さらに乱闘は続き、僕の終バスが無くなるまで玄関は塞がれたままだった。
乱闘の結末はウィノ母の裁判を起こすという捨て台詞で終わった。
乱闘の原因が去った後も僕は暫く動くことができなかった。
事態の展開についていけない。
まずレナちゃんの母親が犯人だという事実。
裁判という言葉の非現実さ。
穏やかだった2つの家庭、幼馴染の友情がかんたんに崩壊したこと。
>>351
うん。ホントにこの時の僕の中での衝撃はすごかったよ。
当の1階で揉めていた本人たちも理解が追いつかなかったのか長い沈黙があったからね。
>>354
こうして書き出してみるとね
確かに意外な人物だよね
母親とウィノナは冷静に話ができる状態ではかった。ごめんなさいねと言いつつもウィノ母の眉間にはさっきまで無かった深いシワが刻まれていて般若のような顔をしていた。
ウィノナは玄関に座り込んで、いくら体を引っ張っても動こうとはしなかった。
一先ず妹に様子を見てもらいながら僕はウィノナの父親に車で家まで送ってもらった。
父親曰くは
「犯人はまだどちらかはわからないけど、昔から家が近く家族ぐるみの付き合いがあったから僕も悲しい。」
「母親があれだけ取り乱したのは犯人が自分の友人だと思っていた人物だったからだと思う。」
「一発目のビンタはウィノナから父親の僕に対してのものだった。娘に殴られて情けないよね。」
こんな事をのらりくらりとどこか他人行儀に話す父親は決して悪人ではなかったのだろうがやはり頼りなく思われた。
だからこそ僕もこの何ヶ月かでかい顔をできたのだろう。
その後事態は収束に向かった。
玄関先での乱闘の後、メールはピッタリと止んだ。
レナちゃんもその後学校には来られなくなった。平山曰くひどく病んでいるとの事。ただ、彼女は犯人ではないと断言していた。
一つはその後彼女の携帯を確認した時、一度もメールアドレスの変更はされていなかったこと。
もう一つはレナちゃんは友情を破壊した母親をひどく責め立ている現場を何度も目撃した事。
例の事件の間、レナちゃんとレナ父がレナ母と一度もメールのやり取りをしたことがなく、気が付く余地もなかったようだ。
客観的に見ても娘をかばって母親が犯人になったわけではないことだった。
その後、裁判自体は行われなかったが数百万円の慰謝料というか、示談金が支払われたこと。当然だが僕は一円ももらえなかった。割と心は傷ついたんだけどね。
警察の取り調べなどによってウィノナ側にも犯人の動機が伝えられた。
平山からの情報も加味するとこんな感じだった。
・レナ母は極端な教育ママでレナちゃんが思うように育っていないこと(恐らくレナちゃんは極端なスパルタ教育からうまく逃げるために不思議ちゃんになっていった)
・高校3年生になり演劇部の活動に没頭していたレナちゃんは舞台女優になりたいと、母親に告白。母親はこれを否定。大学進学を命令。大喧嘩をしてこれ以来親子関係がさらに悪化。
・言うことを聞かない娘へのフラストレーションの捌け口を探すレナ母。ちょうどこの頃ウィノ母とランチに行く。
順調に受験勉強が進み、模試での志望校(ちょうどレナ母が行くべきだと考える学校と合致)の判定も良かったなどと言うことを聞く。レナ母にはまるで我が子の自慢に聞こえたんだろう。
レナ母とウィノ母はちょうど同級生の娘を持ち、お互いに助け合いながら子育てをしてきた仲だったんだそうだ。でもどこかのタイミングでレナ母はウィノ母とウィノナに劣等感を覚えるようになったらしいんだ。
何をやらしてもうちの娘はウィノナちゃんに勝てない。ルックスも運動も、とりわけ勉強も。
もともと芸術家肌で勉強が苦手だったレナちゃんを半ば殴りつけながら教育したそうだ。なんとか高校まではウィノナと同じ高校に行かせることは出来たんだろうね。
レナ母は最後の大学進学で娘をウィノナよりも少しでも偏差値の高い大学へ送ることが生きがいになっていたそうだ。
そこに娘からの突然の告白。そもそも大学に行かないと言われた。もちろん殴りつけてまでそれを捻じ曲げようとした。
ただどちらにしてもレナちゃんの成績は届かなかっただろう。
ちなみにレナ母は日本でも指折りの大学出身でレナ父は地元の大手企業の3代目社長になる予定の人物だった。
二人は大学で知り合った仲らしい。
レナ母は結構歪んだ愛情の注ぎ方をしていたようで、殴りつけて教育をしてその埋め合わせに色々なキャラクターのおもちゃやグッズを与えていたらしい。
幼少期からそんな風に育てられたレナちゃんはそういうキャラクターに依存していたのか、異常な拘りを持つようになったそう。
一度家にお邪魔したときもケロッピのグラスだったことが思い出された。
平山曰くそんな風に少し歪んだ所があるレナちゃんだが不思議ちゃんキャラを装って友人たちに家庭の歪みを見せないように努めたり、本気で演劇の道を目指したりする健気な良い子なんだそうだ。
ちょっと理解しにくいかもしれない。
実際に僕もあんまりピンとこなかった。
簡単に言ってしまえば妬みなのかな。
いつの間にか、一方通行で娘を使った代理戦争をおっ始めたレナ母は娘の謀反によって敗戦した。まぁそんな感じだ。
それで怒りの矛先がウィノナに向かっていたんだそうだ。
とんだ迷惑だよね。
>>360
動機は上記の通りなんだ。
レナちゃんとウィノナが知り合ったのは5歳の頃だったそうで、本人たちはすごく気の合う親友だったんだって。
レナ母が明らかにウィノナ家をライバルとして認識したのは二人をスイミングスクールに入れたときだったみたい。
8歳くらいかな。
進級システムがあってね。レナちゃんはいつまで経ってもビート板で25メートルのバタ足すら出来なかったらしいんだけど、ウィノナはどんどん進級していったらしいんだ。
当の本人たちは気にも留めてなかったんだけどね。
レナちゃんが通いたいって言っているのに何かしら理由をつけてレナ母がスイミングスクールをやめさせたんだって。
あとから考えるとこの頃からライバル心や敵意が芽生えたんだと思うってウィノ母からは聞いたよ。
娘が勝てないのなら私が潰すまで
そんな風に考えたんだろうね。
娘の携帯を監視する癖のあったレナ母はメールで嫌がらせをすることを思い付いたんだ。
学校での様子なんかもレナちゃんから聞いたりしてね。
学校に出席したかどうかはゴミ出しなんかをしながら監視していたようだ。
外面が良かったレナ母は犯行をしながら何度かウィノナの母ともランチに行っていたようだ。
ウィノ母もまさかレナ母がそんなことをしているなんて思いもしないから、最近娘が不登校でどうしていいのかわからないなんて感じで相談までしてしまっていたらしい。
レナ母はウィノナの崩壊ぶりを聞くたびに喜んだのだろうね。
それでどんどんメールの内容はエスカレートしていったんだと思うよ。
メールの手口は至ってシンプルで制限回数の分だけアドレスを変えては嫌がらせのメールを送るだけだ。
レナ母はもともと地元の人じゃなかったから交友は少なかったそうだ。自分のプライドが高くて、表面的な付き合いしか出来なかったって警察の聴取に対して本人がそんな風に答えたと聞いた。
生まれも都会だったみたいで、田舎の生活はなじまなかったそう。
頭のいい人なんだろうに、足がつくとは考えなかったようだね。最初はちょっとした悪意だったのかもしれない。
それが思ったよりも効果があって、いつからか憎くなっていたウィノナ家の面々が目の前で崩壊していく様が愉快だったんだろう。
思っていたよりも簡単に望むものが手に入ってしまって、欲望の箍が外れてしまったのかもしれない。
残念ながらその後もウィノナは学校には出て来なかった。
僕は毎週末のように彼女の家に行き一緒に勉強をした。今までみたいにデートに出かけたり学校であったりは出来なくなったが、平穏を取り戻しつつあることに幸せを感じていた。
当初は同じ大学を目指していたんだけど、彼女は例の事件がハンディキャップになり志望校の偏差値を下げざるを得なかった。
結局は同じ街の別々の大学に通うことになる。
平山とレナちゃんについては残念ながらうまく行かなかった。
レナちゃんは身勝手な母親のせいで人生を狂わせてしまった、そういう事だろう。
ただ、あれほど興味がない風だった平山は事件のあと、レナちゃんにかなり尽くしていた。
ウィノナとレナちゃんの仲さえ元通りならばまたみんな元通りだと僕と平山で修復を試みたりもした。ウィノナと話をする場を設けるのであればいつでも連絡をしておいでと僕の連絡先も伝えておいたが一切連絡はなかった。
だがレナちゃんは心を閉ざし、次第に平山とも連絡を取らなくなった。
平山は未だに彼女を救えかったと後悔をしているようだ。
全てがドラマのようにうまくは行かない。
バンドメンバー、その他軽音楽部の面々もそれぞれ、順調に志望校に合格を決めた。
バンド活動も卒業まで続けて、卒業ライブでは同級生や後輩たちを何百人も動員することができた。
子供を親の見栄の道具にするのは一番やっちゃいけないね
エリート一族に有りがちだけど
>>372
ホントに嬉しいよ!!
冗長な文章だったからお疲れになったでしょう?
もう少しだけ書かせてもらいますね。
そうだね。
人間ってのはどっちが優れているとか比較できるもんじゃないんだよね。
でも人と比較して自尊心の為に生きている人とやりたいことをしてのびのびと生きている人を比較したら少なくとも僕は後者の人が素敵だと思う。
ホントそれだね
限度はあるけど好きなことさせるのは大事
夢を持つ人は素敵だよ
>>380
夢を追いかけた人は夢を破れても悔いない人が多いと思う。
親の敷いたレールを盲信する人生は虚しいかもしれないとは思うよ。
この卒業ライブは進学先が決まった後にやったんだ。
僕はこのライブでウィノナにプロポーズすることにしたんだ。
ウィノナ自身はだいぶ心を取り戻しライブハウスには出て来てくれた。
あの一件があって僕は彼女のことをどうしても一生をかけて守りたくなったんだ。
本音を言えば、別々の大学になってしまったことが心配で既成事実を作りたかったのかも。
普段ボーカルの平山とパートを交代して歌わせてもらった。曲は彼女とのきっかけになったCan’t Take My Eyes Off You、君の瞳に恋してるだ。
顔から火が出るほど恥ずかしい話だけど、これを歌った後、同級生でひしめき合うフロアの中にいるウィノナに向かって僕と婚約してくれと言ったんだな。
指輪はフロア最前列から最後尾のウィノナまでお客さんにリレーして渡してもらった。
ウィノナは恥ずかしがって声は出さなかったけどちゃんと指輪をつけてステージに向けてかざしてくれた。
本来はここで終わりたいんだけど、一応後日談も語りたい。
もう少しだけいいですか?
後日談お願いします!
ウィノナ幸せになれたかな
結婚したの?!
>>376
読んでくれてありがとう!!
今まとめて書いてます!!
もうしばしお待ちを!!
メールの件は大人がほんと酷すぎるけど卒業ライブの話とかキラキラしてるなあ
>>377
もう15年前の話だし
辛い思いも楽しい思い出も全部僕にとっての財産になったと思う。
でも僕を含めていろいろな人間がトラウマを背負ったし関わった人すべてが幸せになったわけじゃないこと、僕の力で幸せにはできなかったことを悔いてるって側面もあるよ
>>379
現実はドラマみたいには行かないってのは後日談も含めてすごく思うところがあった。
ただその都度味わった素敵な瞬間の光景は忘れられないものだったよ。
誰しもがそんな光景の1つや2つはあると思うんだ。忘れてしまうにはもったいないそんな景色があると思うんだよね。
中卒でフリーターやってるけど少しづつ自立して親孝行してこうと思う
>>1
この2人の高校生活だったら人はどちらを選び易いんだろうな
そりゃ10割>>1でしょw
壮絶だけどキラキラした青春なかなか送れないよ
学生時代からなんでも話せる家族のような絆の深い親友がたくさん居るってもデカイ
自分はもう一人もいないからね
元からいないかも分からんけど
>>385
僕はただただ人に支えられて生きてきた人間だからね。言い換えたら甘えて生きてるのかもしれない。
自分は両親に甘えすぎてるからなぁ
一日でも早く独立して両親を世界旅行に連れて行ったり美味しいものを食べたり家を買ってあげたいと思う
>>431
親には甘えるもんだよ。
僕もこの件以外でも死ぬほど迷惑をかけたからね。
親父は死に際に親孝行ってのは親に甘えるのと大して変わんねぇからお前は十分親孝行をしたなんて言ってたよ
親になんないとこの言葉の真意は分かんないと思った。
>>381
親孝行は本当に素敵なことだ
人に感謝することは素敵なことだ
人に感謝することを忘れないあなたはきっと素敵な人なんだと思う。
ありがとう
感謝の気持ち大事だね
レスするつもりなかったけど楽しかったので
>>384
レスするつもりは無かったけどの一文がすごく嬉しかったです。
ありがとう!!
そして、おつかれさまです!
>>396
ありがとう!!
楽しんでもらえたら何よりでした!!
レスももらってたけどまず僕とウィノナが結婚したかどうか。
やっぱり現実はドラマみたいには行かないんだ。
結論としては結婚には至らなかった。
大学に入学する前後間、2日に一回くらいは彼女の家に居たんだよ。この頃は楽しかった。そりゃそうだよね。お互い下宿で今まで出来なかったセックスもやりたい放題だもんね。
ウィノナも出会った頃のような元気を取り戻しつつあった。
二人で新しい街の観光地なんかにも出かけた。
でもそんな人生で一番楽しいと思われたときは入学から1ヶ月も立たずに終わってしまったんだ。
彼女の家にいつものように行ったある日。僕の居ない間にふと便座が上がっていることに気がついたんだ。
それで後日、電話をして、隣に男でも居るだろう?とかまをかけた。かまをかけたつもりがこれが図星で彼女泣き出してしまったんだ。
それで僕は色々な青春時代が無茶苦茶に破壊されていく感覚がして衝動的に別れを告げたんだ。
>>399
ウィノナはそこまでメンヘラではなかったと思うし浮気はしてなかったみたいだけどそれはそうだね。
その後の大学生活でメンヘラには何度も痛い目にあわされたよ。
そりゃあもう悲しかった。
自分の青春が爆散したって感じ。
電話口で絶叫したよ。
あとで分かったことだけど、隣に男がいるのは事実ではあったけどやましいことは何もなかったらしい。
サークルの顔合わせで一緒になったメンバーたちが大学からほど近い彼女の下宿に集合する所で、たまたま男が最初に来ただけだったらしい。
そのサークルの面々にも僕を旦那として紹介するつもりで、その日全員が集まったら僕のことを呼ぶつもりだったらしいんだ。
でも僕があまりにも瞬間的に怖い声で迫ったものだから彼女泣き出してしまったんだよね。それで僕の勘違いは余計に暴走してもう止まらなくなってしまった。
後々彼女がいくら否定をしても僕は聞き入れなかった。
俺がいなけりゃ死ぬんじゃなかったのか?って実際居なかったら死んでたんじゃなかったのか?って
僕はと言えば、浮気をされた(と思い込んだ)ショックで1日1キロペースで一週間以上痩せ続けたがもともと細身ではなかったので丁度よかったかもしれない。
ウィノナちゃんも幸せになってますように
>>401
そんなこともあるのかな。
その人の物語もぜひ読んでみたいね。
ただ彼女は失った青春時代を取り戻そうとしていて、僕は彼女を失うまいと以前のまま過保護にしてしまった、そんな行き違いだ。
大好きだったあの娘と結婚していたならばまた違う未来だったのだろうが、彼女がきっかけで進学した大学を出て、その大学から選ぶことのできる選択肢の中で就職して、今の僕がある。
実際、僕は今別の人と結婚したんだけどとても幸せを感じている。
この人とは今の会社にいないと知り合えなかったし、今の会社は僕の出た大学が縁で就職したし、その大学はウィノナが居なければ選ばなかったのだから。
当初望んだ未来とは違うかもしれないけど、今となってはすべてが今の幸せに導いてくれた道標だったのだろうと思う。
たまに思い出すんだ。
結果オールライトなんて訳の分からないメールが送られてきた日のことをね。
昨年、飯田とマンドリルが結婚した。
二次会は同窓会を兼ねた様相で10年以上連れ添った二人を祝福しながら昔話に花が咲いた。友人代表のスピーチもやらせてもらったし、余興って感じで新郎も含めたバンドメンバーでアコースティックライブもやった。
ボーカルのアユちゃんはすでに地元で2人の子供を授かった。所謂授かりスタイルだったから結婚式は開かなかった。SNSでその事実は知っていたんだが子供はめちゃくちゃ可愛かった。
ベースのサユミちゃんはバリバリのキャリアウーマンに変貌していた。大都会の大企業勤務だそうだ。
ウィノナは残念ながら欠席だ。
あえて連絡は取らないようにはしていたんだけど、今は海外勤務だそうだ。未婚らしいけど、まぁ多分外人のイケメン彼氏でも作って毎晩そういう事に明け暮れてるんだろうと思うとちょっと胸糞は悪かったよ。
平山はその後一度も恋人を作っていないそうだ。彼なりに思うところがあるのだろうか…少々複雑な気持ちになった。彼も堅実な職について円も縁もない地方都市で暮らしている。
石原は同棲中らしい。もちろん男とだ。
彼は高校の先生に教わったドラムテクニックを磨き続けて今は音楽に携わっている。夢を追うことは素敵だ。
飯田とマンドリルは言わずもがな幸せそうだ。
2人の子供を早く見たくてたまらない。
僕はそんな昔話を聞いてどうしてもウィノナに連絡をしたくなってしまった。
好きだとか嫌いだとかじゃない。
ホントは彼女の幸せを願っているのに酷いことを言って別れてしまったことを謝りたかった。
ラインの連絡先が分からなかったから取り敢えずほんとに久しぶりにドコモメールとやらを開いたんだよね。
中学から一度も変えたことのないアドレスだからか、受信ボックスは未読の迷惑メールだらけだ。
近頃はドメインがdocomoなどになっている巧妙な迷惑メールも多いなぁ、騙される人が居るのかなぁなんて眺めていると数年前から不可解なアドレスからメールが来ていることに気がついた。
sinesinesine@docom○.ne.jp
全てあなたのせい
正直かなり戦慄した。
1年以上僕が気が付いていない間にこんなメールが頻繁に届いていた。
最後のメールは飯田マンドリルの結婚式の半年ほど前
こんなメールを最後に終わっていた。
never-mind@docomo.ne.jp
あなたは私を助けられなかった
一体どういう意味か
誰からのメールかも実はわかっていない。
特にメールアドレスなんかもあんまり意味のある言葉には思えなかった。
なんとなく無作為なイタズラには思えないが…何せもう届かなくなったんだから掘り返すこともしたくない。
現実はドラマみたいにはうまくいかない。
助けられなかった人は何人も居たと思うし、そんな人たちの想いを踏みにじってこんな風に面白おかしく文章にしてしまう卑怯者の僕にはこれくらいのことは当然の報いなのかも知れない。
もう忘れてしまおうと昨日そのメールを全部消して、一切変えてなかったアドレスを変更したんだ。
なんだか意地で変えてなかったんだけど、もう全部ラインで事足りる世の中になったしね。
実際アドレス変更の旨は誰にも送っていない。
素敵だった思い出と辛かった思い出が渾然一体だったんだ。忘れたいこと、忘れたくないこと色んなことがあった。
だからもう一度だけアドレス変更をきっかけにして文章に起こしてみることにした。
どうしても人に読まれるって気概で書かないと最後まで書けない気がしたからね。
それがこのスレで読んでもらった文章です。
現実は恋愛ドラマみたいにはうまくいかないし、サスペンスやホラーみたいに落ちもつかないから
なんだかせっかく読んでもらった人がいるのに不完全燃焼な気持ちにさせてしまったかと思います。
でもこれで僕の物語は終わりです。
終わりにしないとダメなんだ。
読んでくれてありがとう!!
たくさんの反応をもらって嬉しかったからそれにレスをしておねんねしますね!!
乙
最後の最後でゾッとしたわ
結局最後のメールは誰から、何の意図で送られてきたかわかってないのか
>>420
そうなんだよね。
ちなみにメールが途絶えた期間に誰かが亡くなったとかはなかったよ。
ウィノナたんは躁鬱病だったんだよね?
ちゃんと通院してたの?
>>421
ありがとう!!
そうだね。
通院もしてたね。
その辺の詳しい病名なんかはよく覚えてないけど、簡単に言うと大きなショックがきっかけで始まる躁鬱病の初期症状って言われていたね。
まぁ精神病と言えるまでじゃなかったのかもね。人に言わせたら只のメンヘラって言われてしまうかもしれないし。
傷つきやすい女の子だと説明できずにパニクってしまうんだね
なかなか付き合うのが難しいね
>>422
そうだね。
あとから色々聞かせてくれたのも本文中のマンドリルだったんだよね。
ほんとケチョンケチョンに怒られて復縁しなさいって言われたんだけど、なかなか気持ちに整理がつかなくてね。
そんなこんなしてるうちにウィノナは長期海外留学に行っちゃってもうそのままみたいな感じだったね。
大概こういうのは当たるもんだ
そう考えると半年前までずっと幸せになれてないんだなぁ
刺されないようにな
そこだよね
誰にでもある勘違いのすれ違いだけどもっとコミュニケーション取るべきだった
ウィノナさんかなりボロボロで>>1さんのこと恨んでるかもね
>>1さんの幸せな姿観たら殺されると思うよ……気をつけてね
>>424
どうなんだろうね。
共通の友人を介して聞くところによるとウィノナは何人かとは付き合っていたらしいよ。
闇に墜ちたなんて話も聞かなかったし不幸ではなかったはずなんだよ。
本文には書けなかったけどいろんな人とのやり取りがあったし、ウィノナ以外の人だったとしても全然不思議じゃないんだよな。
ありがとう 靄靄が一つ消えたよ
その言葉覚えておくねw
普段まとめしか見ないから気付かない所で粗相があったかもしれない
>>440
いえいえスレ汚しなんてとんでもない!!
とっても嬉しかったです!!
もやもやを漢字で使う人は珍しいねwww
書いてから漢字にするとアイアイになることに気がついた
カナカナにするべきだったw
>>445
いや普通に関心したよwww
そっかw
書きたいことがなかったら、良ければ今の嫁との馴れ初めとか聞きたいんだけど大丈夫かな??
>>454
うんなかなか居ないね
聞いてくれてありがとう!!
後日談の後日談みたいになってしまうけど、嫁との馴れ初めや結婚にも聞いてもらえるなら聞いてもらいたい話があるんだ
仕事が終わったら少し、本文の続きとして書いて見るから良かったら読んでみてよ!!
>>442
そうだね。多分そんなにたくさん書いたら面白くはないと思うwww
面白かったことといえば…
そうだね。それこそ彼女が例の一件で精神的に落ちこんでて眠れないって言うから3時頃会いに行って朝方まで散歩してたんだよ。
海岸線をブラブラとね。
そのときに海側300~500メートル先くらいかな
UMAがいたんだよねwww
いやほんとに
さっき迄死にたいって言ってた彼女が僕の手を引いてネッシー!!ネッシー!!って
思わずギャップで笑ってしまった
僕も急いでそっちを見たら確かに結構大きな黒い塊、ちょっと小さいけどネッシーの背中に見えなくもないものの浮かんだり沈んだりしてたんだよ。
断続的に1分沈んでは1分浮かぶみたいな。
朝焼けの中ほんとに不思議だった。
結局これも何かわかってないんだけどね。
多分クジラから何かなのかなぁ…
>>443
そうだね!!
思い出ねー
書き出したら止まらないかもしれないね
今、営業の移動中でゆっくりは思い出せないけど
丁度僕が高校生だった頃、愛・地球博があったんだ。まだ例のメールが来る前だね。
僕らの地元からは結構遠かった。高校生にとっては結構な距離だったんだよ。
普段ウィノナにはわがままな印象はなかったんだけど、その時は万博行きたい!!万博行きたい!!って顔を見るたびに言ってきたんだよ。
後々考えたらきっとお泊りデートがしたかったんだろうね。
なんとかお互いの家に言い訳をつけて、別々のグループとして行くってことにしたんだよ。
お互いのバンドメンバーにも口裏を合わせてもらってさ。
お金なかったから特急すら使えない貧乏旅でね。1泊目は名古屋近辺に泊まった。
格安のビジネスホテルだね。見た目は幽霊屋敷みたいな市街から離れた宿でさ。
廊下なんかは今にも幽霊が出そうな雰囲気だったよ。ペイチャンネル用のカード自販機だけがまるで後光に包まれるかのように輝いていた。
もちろんすることはして、ペイチャンネルの何秒かだけ見れるお試し時間の分とかもしっかり見せてガッツリ殴られた。
翌日は予定通り愛・地球博に行ったよ。
といっても帰りの時間も早かったから全然見て回れなかった。
どの国のパビリオンか忘れたけど(確かにオーストラリアだったかなぁ)なんか30人くらいの団体に分けられてコースをぐるぐる回るタイプの展示だったんだよ。
そのコースの最後の方、急に電気が落ちて真っ暗になる演出があった。
ものの5秒くらいかな。
その瞬間に30人くらいがすし詰めになってるど真ん中でキスをしてもらったな。
その後すぐ耳元でこのパビリオンつまんないねって言われたwww
パビリオンを出てすぐこれだったらホテルでペイチャンネル見てたほうがマシだったなってでかい声で言ったらガッツリ腹を蹴られて蹲っちゃったんだな僕。
そのパビリオンに並んでる人たちにすごい白い目で見られたよ。
まあ高校生のカップルって感じで可愛いな
全部読んだけど地元近いか同じな気がするわ
>>449
痛いよねwww
もういい年になったからほんとに恥ずかしい話ばっかりだった思うよwww
地元近いかな?
愛知県まで鈍行で行けなくはない距離で海と工業地帯と山があった。
僕んちが山側で中腹に高校、海側にウィノナ宅があったよ
何をするにしても自転車が多かったし行きは良くても帰りはしんどいみたいな
中途半端な街だけど僕は地元が大好きだよ
お幸せに!!
>>450
ありがとね!!
完結したのに今更だがSweet Child O’ Mineか
昔イントロのリフを練習したのを思い出した
今はどんなの聴いてるの?
>>455
最後まで読んでくれてありがとう!!
僕の音楽遍歴を少しだけ
小学校時代
とあるきっかけでエレキギターを購入
この頃はBeatles一色だった
小学校時代5年生でMetallicaに出会ってBeatles以上の衝撃を受ける
hideなんかも聴いていたね
彼の曲が下手くそだけど弾けるようになってすぐに彼は天国に旅立ったから印象に残ってるよ
好きな曲はMiseryだ
ウィノナの件でどうしていいか分からなくなったりしたときはこの曲を聞いて一人で泣いていたりしたね
中学時代
hide、Metallicaの影響でより激しいものがかっこいいと思うようになる
ガンズ、MOTLEY CRUEあたりのHRHMの大御所もこの頃一生懸命コピーした
いわゆる厨二病の発症だね
SLAYERから始まってグラインドコアやらブラックメタルにまで手を出した
NuMetalあたりもまだまだ全盛期だったから最終的にはMudvayneとかよく聞いていたよ。
>>455
高校時代が一番練習したね。
もうジャンルは何でも良かったんだよ。
でもウィノナが喜ぶ曲ばっかり聞いていた気がする。
彼女はべただけど椎名林檎とかL’Arc~en~Cielとか好きだったね。
それまで糞だと断じてたのに掌返しでよく聞いたよwww
大学時代はポストロックのバンドをやってたからtoeとかenvyあたりだね
今はギターからベースに持ち替えたからリチャードボナとかSnarkyPuppyとかわりとジャズよりの音楽が好きだ
まぁ要するに音楽ならなんでも好きなんだ
>>455のオススメがあったら是非
仕事終わったらそれ聴きながらあと少しだけ話の続きを書きたいなって思ってね!!
お勧めか、おっさんになると大体なんでもアリになるよね
中学の頃にBOφWY、ブルーハーツから始まりガンズ、レッチリ、RATMなんかはよく聴いたな
Metallica、SKID ROW、OASIS、Linkin Parkあたりも好き
ちょっと前に話題になった http://rocketnews24.com/2016/11/23/828059/ は最高にクールだw
今はぐるっと回ってEDMやら日本のロック・ポップスやらディーヴァ系じゃない女性ボーカルやら雑食だな
>>1には心穏やかに書いてもらいたいから、ColdplayかU2あたりにしておこう
あと子供はいる?いると音楽の趣味がちょっと変わるかも
>>464
レスありがとう!!
Metallicaのそれは知らなかったよ!!
家についたら早速見てみる!!
挙がってたバンドの中で一番僕が反応したのはスキッドロウ!!18 and Lifeをカラオケで熱唱してウィノナにドン引きされたことを思い出したよwww
帰ったら早速Fix youあたりを聴こうと思う!!
ジ・エッジのギターも大好きなんだよね!!
久し振りにCD引っ張り出すね!!
>>464
あ、子供はいないよ!!
欲しいけどね!!
青春時代にBOOWYは通んなかったんだけどベース弾くようになってから松井恒松の凄さが分かるようになったよ!!
>>456
結局読んでくれたのかwww
書きながら今何話なのか考えてたよ
よくあるバッドエンド
次も楽しみにしている
>>463
ありがとう!!
正直僕もありきたりな話だとは思う!!
後日談の後日談も楽しみに待ってます
>>465
ありがとう!!
いま会社から帰りながらつらつら書いてます!!
またお時間があれば是非とも!!
リクエストを貰ってあまりにも嬉しかったので駄文ではありますが後後日談を少しだけ語らせてください。
嘘つきました。
少しではありません。
ちょっと書き始めたら止まらなくなりました。
また冗長な駄文になってしまうかもです。
それでもお付き合い頂けましたら、私めは大変嬉しゅうございます。
先に断っておきたいこととしては
本文を楽しんで読んでもらった方がもしいらっしゃれば、これは蛇足になる可能性もあるってこと
あと昨日までに書いた文章と多少時系列が重なる部分があって分かりにくい部分があるかもしれないこと
もし良ければ読んでみて下さい。
まず本文中でも登場した僕の両親をもう少しだけ紹介したい
以下はスペック
母親
身長172CM
人としても物理的にもデカい人物で僕の自慢の母親なんだ。
顔は布袋寅泰に似ている。
文中でいちいち僕の母親なんて書くと長ったらしいのでホテイトモヤスと母親をひっつけて母ヤスとでも呼称しよう。
父親
身長158CM
本人曰くは猫背なだけで背筋を伸ばすと170CMは越えるらしい。
寡黙だけどたまにそんな冗談を言う気のいい親父だ。
結構厳格なところがあって、ウィノナの一件では僕の頬をガッツリ振りかぶってグーパンチで撃ち抜いた人物だ。
良くも悪くも古風な人間で母ヤスが亭主関白なので、体は小さいけど家では一番偉かった。
ちなみに兄弟も居るが特にお話に絡まない人物だ。
まず本文中でも登場した僕の両親をもう少しだけ紹介したい
以下はスペック
母親
身長172CM
人としても物理的にもデカい人物で僕の自慢の母親なんだ。
顔は布袋寅泰に似ている。
文中でいちいち僕の母親なんて書くと長ったらしいのでホテイトモヤスと母親をひっつけて母ヤスとでも呼称しよう。
父親
身長158CM
本人曰くは猫背なだけで背筋を伸ばすと170CMは越えるらしい。
寡黙だけどたまにそんな冗談を言う気のいい親父だ。
結構厳格なところがあって、ウィノナの一件では僕の頬をガッツリ振りかぶってグーパンチで撃ち抜いた人物だ。
良くも悪くも古風な人間で母ヤスが亭主関白なので、体は小さいけど家では一番偉かった。
布袋寅泰にはちっとも似ていないけど父ヤスとでもしておこう。
ちなみに兄弟も居るが特にお話に絡まない人物だ。
あ、ごめん。
電車で立ちながらだから間違えてしまったよ!!
続き↓↓
物語は僕の失恋から始めよう。
本文中でもお話したとおり僕は3年間、身を焦がすような恋をして婚約までしたウィノナと別れることになってしまった。まぁ婚約なんてもんはなんだ、おままごとに毛が生えたみたいなもんだな。
ただそれでも大学1年生。
地元よりもずっと都会の街に出てきた僕にとっては本当に辛い出来事だった。
毎日のように嘔吐を繰り返し体重はみるみる減っていった。
実際自業自得ではあるんだが、この時期はかなり一番辛かった。
必修単位の授業を一発目からおサボりするレベルだった。
ここからはよくある話なんだ。
蒟蒻ゼリーくらいは摂取できるようになった僕は、それからと言うもの酒、タバコ、更に良くない何か、そんな摂取しなくても良い物をどんどん摂取するようになった。
授業のスタートも出遅れた僕にとって救いは音楽だけだった。
軽音サークルには顔を出したり、ライブハウスで知り合った人間とバンドを組んでライブに出たり、とまぁありきたりな話だよね。
音楽をするにはお金と時間がかかる。学費や生活費も必要だった。
効率よく稼ぐためにギャンブルも覚えた。
主にはパチ、スロ、麻雀だった。実際、普通にバイトするよりは多少なりとも稼げたんだよ。まぁ麻雀自体は勝つためにイカサマも覚えたりした。麻雀は今でも大好きだ。
僕から拒絶しておいてめちゃくちゃ勝手な話なんだけど、ウィノナが恋しくて仕方なかった。今のウィノナじゃなくて、高校の頃のウィノナが恋しかった。毎日のように彼女の夢を見た。
そんな淋しさを埋める為に音楽とギャンブルに明け暮れた。
僕がいなきゃ生きていけない、そんな風に言ってもらわないと愛してもらっていると実感できなくなったいたんだ。
すっかり対メンヘラ人型兵器の出来上がりだ。
もちろん1年目の取得単位は1桁だった。
当然のことながら女にも溺れた。
最初は学費に回すぞと貯めていたギャンブルの勝ち分(その発想の時点で誇れたものではないけど)は女遊びのために消えていった。
僕はイケメンでは無いけど、ちょっとやさぐれた雰囲気と多少のお金があれば高望みしなければ割りと女の子には不自由しなかった。
風俗にも足繁く通った。
何度も言うようだけどホントによくある話だよね。
少し別の話をするね。
僕の家は地元の小さな店舗で居酒屋をやっていたんだ。10人も並んだらもう満員みたいな隠れ家的居酒屋だ。
僕は店をやったことがないから分からないけど地方の小さなこの店舗だけで家族全員を養っていた父ヤスは今思えば途轍もない人物のような気がする。体は小さいけどね。
僕はウィノナと同じ大学に行くというただそれだけのめちゃくちゃ不純な動機で大学を選んだ。
母ヤスなんかはそんなこと百も千も承知だったろうに何も言わなかった。
父ヤスもお前が選んだ道なら文句はない。出せるだけの金は出してやるから俺たち夫婦が見られなかった世界を見てこいと背中を押してくれた。
本当にいい両親だ。今思い出しても涙が出るほどだ。
無利息の奨学金と自分でこれだけは稼げると提示した金額を足して
大学でかかる学費、生活費を足した金額から差し引いたら、結構な金額が残った。
親父は利息のある奨学金を使うくらいなら俺が出してやるからと申し出てくれたんだ。
きっと将来稼いで返そうって高校生だった僕は誓った。
が、上記の通りの自堕落っぷりだ。
その上、両親には大学生活はうまく行ってるなんて嘘で塗り固めた報告まで差し上げていた。最低の人間にまで落ちぶれた。
当時の自分が今の目の前に至ら殴るくらいじゃ済まさないね。
ただ、本当にウィノナが恋しくて仕方なかったんだ。
1年はあっという間に過ぎ去り実家の方にも残念ながら大学から取得単位が明記された成績表が送られてしまった。もちろんなんとか阻止しようとはしたんだけどね。
僕はそんな放蕩っぷりだったから1年間実家には帰らなかったんだけど、遂に父ヤスから怒りの電話があって招集されてしまった。店に来いとだけ言われたんだ。
母ヤスもお客さんも居ない父ヤスの店で1年ぶりに僕は父親と対峙した。
幼い頃から慣れ親しんだ店だ。暖簾をくぐるたびにそこにはいつもの景色があった。
地震が来たらきっと真っ先に潰れてしまうようなボロボロの店舗のはずなのに父ヤスの絶え間ない努力で保たれた清潔感と優しいおでんの匂い。
招集に応えて舞い戻ったバカ息子はこの日も暖簾をくぐると能天気に同じ感覚になっていた。
所謂ノスタルジー。
を感じたのも束の間、目の前には父ヤスの拳があった。
人生二度目の鉄拳制裁だ。
僕は鼻血をぶちまけた。
父ヤスは多くを語らなかった。何をしていたんだなんて余計な詮索は全く持ってしなかった。
僕を殴りつけたあとはいつものように店の調理場に佇むばかりだ。
僕は鼻血を拭ったが拭っただけで新たな鼻血が出るばかり。何も言葉は出てこなかった。
僕いつもは地元の人々で賑わう座席に腰掛けて項垂れるばかりだ。
いつも父ヤスがお客さんとそうしているようにカウンター越しの対峙だった。
カウンターの木目をなぞりながら
「親父、ごめん」
とだけ告げた矢先だった。
目の前にはキンキンに冷えたビールとおでんが差し出された。
厳格な父親でかつ酒の怖さも知っている父ヤスは絶対に目の前で酒を飲むことを許さなかったはずだ。
僕はまだ未成年だ。
「1年ばかし早いが、まぁ飲めよ。母ヤスには内緒やぞ」
父ヤスは無表情にそう言った。
こんな状況だ。
言えるはずがない。
父ヤスが汗と涙を流して稼いだ金で買ってもらった時間をすべて女とギャンブルとロックに使い果たしました。
そんなこと言えるはずがない。
たった一年前、これは自分の責任だと高らかに宣言した目標金額の達成率は0%です。
そんなこと言えるはずがない。
僕はこの時、大学を辞める覚悟をした。
ただ一言、親父…と呟いただけなのにそれを制した親父はこんなことを言った。
「全部わかっとる。皆まで言うな。はよに飲めや。」
背伸びをして無茶をして飲む酒では感じたことのない死ぬほどうまいビールがそこにはあった。
「俺は大学なんていったことないから知らん。ただ一回言うたことや。男やったら卒業せえよ。」
やめるなんてまだ一言も言っていないのにな。
父ヤス「金のことはええ。気にすんな。」
なんでわかったんだろう。
だいぶ後になって母ヤスから聞いたことだがこの時僕の実家はかなり無理をしていたらしい。
兄弟もいたしね。
その後は静かに夜がふけていった。
もう一杯だけだぞなんて言いながらビール樽が空なろうかと言うほど酒を注いでくれた。
まるで両親が僕に注いでくれた無限の愛情のようにね。
>>488
本文よりは短いはずだ!!
ベロベロに酔っ払って、父ヤスの激しい嘔吐音に始まった人生最大の二日酔いの朝、僕は更生を決意した。
ぼくの人生の転機はいつも春だった。
そんな風に思い返した。
まずはウィノナを取り戻す。
あれだけ可愛らしかったんだ。彼氏の一人や二人居るだろうが、構いやしない。
だが人生はドラマのようにうまくは行かない。
彼女はどこぞの国に長期留学に飛び出した後だった。彼女の学校には2年生の1年間、単位の交換留学ってのが有るらしいと知ったのはその後だった。
正直やっぱ外人には勝てないって思ってしまう。
自分よりもおチンチンが二倍くらいデカい人に抱かれてるかもしれないって思うとそれだけで怖気づいた。
ドラマだったら僕も留学するんだろうけど、もう最初の1年間を棒に振ってあとには引けなくなっていたんだ。
ホント格好悪いよね。
この帰省でかつてのバンドメンバーや軽音楽部の面々とも再会したんだ。
それぞれの進学先でうまくやったりやらなかったり。
相変わらず飯田とマンドリルのいちゃこきぶりには閉口したけどね。
良くもそんなにも長く一人の霊長類を愛せるものだ。
2年生
ドラマならここで生まれ変わる所だが、割りとうまく行かなかった。
無茶な酒やタバコetcは鉄拳制裁でやめられるものだ。
だが女性関係はそうも行かなかった。
しこたまルーズに結びつけた人間関係は早々断ち切れるものじゃあなかった。
別れるなら死ぬなんて言われて高校生の頃の情景がフラッシュバックすることもあった。
バンド遠征から久々に帰宅すると鍵をかけたはずの家が何故か空いていて、住所も教えていないはずの女性がそこにいた事もあった。
いつぞやに撮ったプリクラがわざわざ木工用ボンドで玄関のドアに貼り付けられていたこともあった。
来るもの拒まずどころが進んであさり尽くしたメンヘラの方々の復讐は結構大変なものだったんだ。
恐らく、高校時代にウィノナが受けた攻撃と同じくらいの攻撃力はあったと思う。
それも各人に。
ただこの件に関しては僕に責任があるという点で全く別物ではあった。
残念ながら、どのメンヘラの方もその魅力はウィノナの足元にも及ばなかった。少なくとも僕にとってはね。
その後卒業までの時間ほぼ全てをそんな関係の精算、取りこぼした単位の回収、そしてその抑圧から解放されるためのバンド活動に費やした。
父ヤス、母ヤスは単位さえ取れていれば卒業さえできるのならと口出ししなかった。
当の僕といえばそんな時間の使い方をしていたものだからすっかり就職活動はおざなりになっていた。
ちなみに父ヤスは僕にも兄弟にも店を継がせる気はないようだった。
この時の僕は知らなかったけど、仕事が原因で母ヤスに苦労をかけることが多かったから継がせたくなかっただとか、そんな風に父ヤスは母ヤスに語ったことがあったらしい。
就職氷河期でもあり、まともに学校に通っていた人間ですら仕事が決まらないと嘆いていた。
3年以上本気でやっていたつもりだったバンド活動も芽の一つも出やしなかった。
まぁ途中で抜けて別のバンドやったりとかインディーズレーベルに搾取されたりとかそんなありきたりなドラマがそこにはあった。
まぁ所詮親に言われてるから大学の単位が大事だとか言う奴は根本的にはロックじゃないんだろう。僕には向いていなかった。
音楽業界は極端な世渡り上手とほんの一握りの常識の範疇外の天才と音楽以外のすべてを投げ出してそれに賭けて勝った人間しか食っては行けないんだと実感させられた。
そんなこんなで卒業までもう半年を切ってしまった。
>>494
あっざす!!
僕のベースとセッションしたいね!!
俺もノニー大好きだった
リアリティバイツとシザーハンズは自分のオールタイムベスト映画ランキング常に上位です
>>498
楽器で食える人なんてめっちゃ少ないぜ
プロじゃ無かったら皆一緒よ!!
シザーハンズの金髪もいいんだよね。
映画としてもその2本は素晴らしいよね。
あとエイリアン4の頃のめっちゃ髪短い彼女も好きなんだ。
僕の就職は絶望的だと思えた。その日も二次募集に落ちた連絡が入り落ち込んで飛び込んだとあるバーで知らない男性と古いロックの話で意気投合した。
見た目はフランクザッパにちょっと似ている。ザッパさんと呼ぼう。
お前就職困ってんのか?
お前の為に面接を開くから受けに来いよ。
社長に会わせてやる。
そんな感じであれよあれよと面接の日取りが決まった。
まぁこの辺もよくある話かもしれないね。
当時の追い詰められた僕にとっては神か何かに魅入られたんじゃないかって疑うほどのありがたい話だった。
支店も何もない小さな会社
社員は30人に満たない。
約束の時間に面接に行くとバーで知り合ったザッパさんと小さめのジャバザハットって感じの社長が待っていた。
普通はオフィスでやるよね。
二人が設けた面接会場はボロボロの喫茶店だった。
僕は大事な話はだいたいこんなボロボロの喫茶店だったなだなんて思い返した。
注文したコーヒーが届く前にまず訊かれたのは出身大学。
このおじさんそう言えばロックの話をするばかりでそんなことも聞いてなかったなぁと思った。
僕は自分の大学名を告げると、目がほとんど黒目みたいな顔をした社長は目をキラキラ輝かせた。
どうやら同じ大学の出身らしい。
それでその社長は
「君!!校歌を歌ってくれないか??」
そんなこと言った。
僕は大学の校歌など、もののワンフレーズも歌えやしない。
沈黙の中、二人のおじさんは期待している目つきでこちら見ていた。
仮にも歌えたとしてだ。
他の客もいる喫茶店のど真ん中で歌えだなんてそれだけで酷じゃないか。
何、目輝かせてんだって正直悪態をつきたい気持ちは山々だったが僕には他の就職先なんてもう見つかりっこないってのは分かっていたんだ。
僕はもう自暴自棄になって
「メロディも歌詞のワンフレーズも知りません。申し訳ないです!!」
机に頭を擦り付けて謝った。
社長の落胆或いは憤慨のリアクションを予想したが、存外穏やかな表情をしていた。
社長
「ふむ。なら大学で、引いてはその人生で君は何を得てきたのか話して御覧なさい。1時間あげよう。但し面白くなかったらその時点で終了にします。」
そりゃあもう僕は死にもの狂いだったよ。
面白くというフレーズが異常なまでのプレッシャーを放っていた。
僕は
「僕は人生で2回、それはそれは優しい父親に頬をぶたれました」
そんな切りだしで始めたことだけは記憶に残っている。
インパクトが必要だと思ったんだ。
あとはまるでこうしてここに書き殴った内容をつらつらと話をした。
もちろんウィノナの話も出てくる。というかほぼそれが全てだった。
社長も昔はスケベものだったらしく、ウィノナをはじめとした女性関係の話のときの方が楽しそうにしていた。
緊張して気が付いていなかったが、腕時計を見ると1時間は軽く超えていた。僕はそれって合格なんじゃないかな・・・と思いつつずっと話つづけたんだ。
話がやっと父ヤスに殴られたあの日まで戻ってきたころ、それまで腕組みをしながら聞いていた社長がアイスコーヒーに手を伸ばして切り出したんだ。
社長
「条件付き採用!!」
もし条件が無給とかだったら手放しでは喜べないはずだ。
ましてや業務内容もザッパさんからちらっと聞いている程度で殆ど知らない。
でも僕は焦りと喜びのあまり「ありがとうございます!!頑張ります!!」なんて叫んでいた。
さっきまでかしこまっていた社長は急にべらんめぇ口調みたいなしゃべり方に変貌した。猫をかぶっていたようである。
実際ザッパさんから説明される雇用条件は並以下だった。
それでもこの申し出は僕にはカンダタにとっての蜘蛛の糸みたいなものだった。
この日は一度家に帰ったがもう心は決まっていた。
面接があまりにも急で履歴書の用意も間に合わなかった僕は、履歴書をへたくそな字で書き纏め、まず自宅にあった10冊の本の感想文をA4用紙にびっしりと書き殴り、面接でもらった入社に際しての必要書面を全て署名して翌日、会社に持参した。
社長曰くは、「おめぇ字、きったねぇな」だけだった。
あとあと聞くにはやはり一社会人として面接ではちゃんと大人な対応をしなければと猫をかぶっていたらしい。あ、こいつうちに来るなーちょろいなーと思ったから猫をかぶるのをやめたそうだ。
校歌については社長も歌えないらしい。
僕が歌えないと告白した時は内心やっぱりぃ~~~?なんて思っていたらしい。
僕はただなんとなく自分が必要とされているって気がして嬉しかったんだ。
ウィノナの一件からずっとそんな感覚が染み付いているんだろう。
結局100冊の読書感想文と共に僕は入社することになった。
社長は本当に熱心にいい年こいた人間の読書感想文を読んでくれた。
営業の9割はアウトプットだ!!短く分かりやすく!!だとか
お前の文章は冗長だ!!
よく説教されたものだ。
ただ説教をしながらも社長は何か楽しそうだったっけな。
僕もそうして自分の書いた文章に反応をもらえることが嬉しかった。
そう。だから今こうしてここに書き殴ってしまうんだ。
兎に角、僕はまた人に人生を救われたんだ。
会社の話は特に楽しくはないから割愛をする。
普通の商品を普通に営業する会社だ。
ドラマだったらここで社長やザッパさんがすげぇ有能だったりするんだろうが、彼らはどちらかと言えば無能だ。僕が言うのも何なんだけどね。
社員全員がそんな感じで、のらりくらり、多くを望まずやっている会社なんだ。
ただ社長と同様にみんないい人柄なんだ。
給料は全然上がらないけど、僕を救ってくれた恩はまだまだ返せていないと思うから、もっとこの会社で頑張らなきゃねって思うんだよね。
ちなみに入社後の僕は社長とザッパさんと会社の経理のベテラン社員と麻雀仲間だったんだ。
社長は最近の若いやつは麻雀もできねぇって怒っていたし、多分麻雀が出来るだけで僕のことを気に入ってくれていた。もちろん、彼らと卓を囲むときは僕はイカサマをしていた。給料安いから仕方ないね。
話がそれちゃったね。
先日、このジャバザ社長が亡くなったからついつい書いてしまった。
“社長見てますか?僕の文章はまだまだ冗長ですよ。”
なんて言ってこのスレを見せたい。てんめぇこの野郎なんて言って怒るだろう。
ちなみにザッパさんが社長業務を引き継いだ。
やっと嫁との出会いについてです。
ホントに冗長でごめんなさいね。
お前、そろそろ死ぬのか?
なんか、死を目前にした人間の悲壮感のような
吐き出し方だ。
>>510
死なねぇ死なねぇ
まぁこんなにグダグダ脈略なく吐き出すんだ
死ねと思われることはあるかもしれないけど
なんか心配かけてすまんなwww
まぁ最近色々思うことがあった
ただそれだけです
僕の嫁さんもほんとによくある話だ
会社の先輩なんだ。
入社してからもずっとウィノナのことを引きずっていた僕は彼女のことなんて恋愛対象としてみた事はなかったんだ。
見た目はウィノナと全然違う。
特攻服を着せたなら似合いそうな茶髪のネーチャンだ。
まぁそれでも実際僕にはもったいない美人だとは思うけどね。
メンヘラの方々との精算も時間が解決してくれつつあり、真っ当な社会人になりつつあった2年目くらいに会社の飲み会で酔っ払ってしまった彼女がもう一軒いこうって誘ってきたんだ。
それまでの僕と言えばちゃんとした恋愛はウィノナとのだけだったんだ。
それ以降はメンヘラさんばかりだった。
嫁さんは竹を割ったような性格で
多分高校のときのあの事件が彼女に降り掛かったとしてもきっと一人で解決してしまえそうな強さを持っていた。
全く正反対の人種だったんだよ。
僕の常識にはない女性だった。
会社でもわりとぶっきらぼうで男みたいな人だな、と思っていた。
たまたま二人で酔っ払った日
普段、ぶっきらぼうだったこの女性は少し頬お赤らめて初めて僕の目に女性らしく写ったんだ。
月に一度くらい
どちらともなく誘っては飲みに行って
ちょうど一年くらいになろうとしたとき
当時の嫁はいつになく神妙な面持ちでこんなことを言ったんだ
「あんたさ、運命って決まってると思う?」
僕は素直にわからないと答えたんだ。
自分で切り開いてきたつもりの人生、振り返れば人に助けられてばかりだった。
「どうしてそんなことを聞くんですか?」
そう訊くと当時の嫁は
「私ね、お父さんがヤクザなんだよね…」
そんな感じで切り出した。
そこからは雪崩のように彼女は崩れた。
いつも気丈に振る舞ったり、少し人を近づけさせないオーラを纏っていたことも全部その事実を悟られない為だったこと
人並みに恋愛をしたりもしたけど昨日5年も連れ添った人にその事実が原因で別れを告げられたこと
そんなことをつらつらと語っていた。
ウィノナとは正反対の女性を1年かけて少しずつ好きになっていっていたんだ。
僕はまるで運命に従うように、人に助けられてばかりだった人生の何かを変えたいと思った。
出来るはずだった努力もしないで失ったことを嘆くばかりだった今をこの人と一緒なら変えられるんじゃないかって感じたんだ。
自分の手で誰か一人を最後まで救いたいって思ったんだ。
それでこんなことを言ったんだ。
「仮に先輩が生まれだとか家系だとか、そんな障壁を運命だって謂うのなら、僕がそんな運命を変えたい。仮にその運命があなたと言う人格を作り上げたと言うなら、僕が先輩を好きになるのもまた運命です。」
安い居酒屋のボックス席だった。
ロマンチックさのかけらもない場所で僕は厨二病を再発した。
彼女は今までに見せたことのない表情で泣いて、笑った。
付き合いましょうなんて言葉はどこにもなかったけど、この日依頼この女性は僕の特別な存在になった。
ちなみに付き合って下さいと申し込んだのは、何回目かのセックスをしている最中だったね。
運命なんてどうのこうの宣っておいて
僕はそんな運命に4年間も翻弄された。
まず彼女の生まれの運命
父ヤスは職業柄、ヤクザの悪い部分をたくさん知っていた。勿論いい部分もあるんだろうけど。
彼女との結婚を申し込みに行った時は人生三度目の鉄拳制裁を食らった。
彼女の父、当のヤクザの本人にも会いに行った。自分勝手な人物でよく彼女が生まれてきたなと驚いたよ。まぁ反面教師ってやつだろうね。
彼女の父は自分が結婚式に出席できないならば結婚は許さないと言った。
僕は二人の父親の間で板挟みだった。
そして寿命という名の運命。
こんな揉め事の最中に父ヤスには癌が見つかった。
見舞いに行った病室でも俺は結婚を許さない、出ていけの一点張りだった。
陰ながら母ヤスは僕の結婚を応援してくれていたようで、反対する父ヤスの前では言えなかったがなんとか父ヤスに僕達の結婚式を見せたいと泣いていた。
それはもう今までに見たことないくらいに。
ちゃんとした解決方法じゃないかもしれない。
何年も苦悩する僕達をみてなのか。
僕達を困らせる旦那の姿を見てなのか。
彼女の母は自分勝手なヤクザの父と離婚することを決意した。
戸籍上は僕の奥さんはヤクザの娘ではなくなったんだ。
ただ父ヤスに残された時間は長くはなかったし、彼は最後まで頑固者だった。結局、結婚については好きにしろとだけ言ったが母ヤスの望むように結婚式に出るということについては拒否を続けた。
結局、僕たちはどちらの父親も出席しない形で結婚式をあげることになったんだ。
勿論、結婚式自体はとても幸せなものだった。
会社の人、軽音楽部の人、大学で世話になった人、僕の運命を彩ってくれたすべての人が出席してくれた。
たった一人、本当に晴れ姿を見せたかった父親を除いてね。
入部のときに先輩がいなかったのはなんでですか?
廃部になりそうな部活だったんですか?
疑っているわけじゃなく、個人的に事情があって知りたいです
>>521
あ、そりゃあ居たよ。ただでさえ冗長な僕の文だからね。
先輩たちの話まで書いてたら多分えらいことになってたんじゃないかな。
助かった、
ありがとう
>>524
いえいえ!!
でももう僕の母校の軽音楽部はなくなってしまったよ。顧問の先生が学校変わっちゃったからね。
その代わり新しい軽音楽部がまた何処かで生まれたはずだ。
結婚式の時期としては丁度去年だ。
去年と言っても秋頃だからつい最近のことだね。
飯田とマンドリルの結婚式の直後にあたる。
実際は飯田とマンドリルの結婚式の一週間後、先代の社長が亡くなった。
その一週間後が僕達の結婚式だったんだ。
結婚式で僕達の馴れ初めのスピーチを寝る間も惜しんで考えてくれていた矢先の出来事だった。
僕は自分の結婚式の喜びも、本来スピーチする人の不在の悲しみも、一番見せたかった人に晴れ姿を見せられなかった不甲斐なさも
全て一気に受け止めなければならなかった。
そして僕達の結婚式のおおよそ一週間後、父ヤスは逝ってしまった。
結婚式の翌日、母ヤスに式の写真を見せられた父ヤスは泣いたらしい。
母ヤスは彼が泣くところをはじめて見たそうだ。
もう言葉もそれほど発することが出来なかった父ヤスは自分の頑固さを悔やんで泣いたそうだ。
新婚旅行のための休暇を使って僕と嫁は父ヤスの側に居ることにした。
最期の一週間、父ヤスはほとんど言葉も発せなかった。
僕はいつぞやの自分みたいにただ「親父、ろくな恩返しも出来ずにごめんな」としか言えなかった。
父ヤスが最期に残した言葉はそんな僕の謝罪に対して
「親ってものは子供に甘えられるのが本分や。お前には十分甘えてもらった。甘やかした甲斐あってお前は立派に育ったこと。俺は親として幸せだった。」
だった。
僕は結局運命に振り回されて何もできなかった自分が不甲斐なくて何も言えなかった。
その日の夜、父ヤスは二度と話さなくなった。
もう一度、本気で頬をぶち破るくらいに殴ってほしい。
そう思ってももうそれは二度と叶いはしない。
この間に続いた極度の感情の起伏で僕は数ヶ月、精神を病んでいたんだろうね。
やっと元の精神状態を取り戻したのはつい一月前のこと。
母ヤスに父ヤスの遺書を見せられてのことだった。
こんなことが書かれてたんだ。
お前がこの人生で得た最も大切な物は“人”だ。俺も人に助けられてばかりだった。
死を目の前にして思うのは、それは自分の作り上げたかけがえのない財産だったということだ。
特にお前が貰う嫁さんはその中でも一番の財産だ。死ぬまで守りなさい。
俺みたいにつまらない意地を張る人間にならずにあの嫁さんを大切にして、人に感謝をして死になさい。
いつまでも泣いていないで人に笑顔を与えなさい。
そんな激励だったんだ。
それでだ。
僕の過去にあった一番大きな後悔。
本文に書いたあのメールの件だ。
それをどうしても整理したかったんだ。
先代の社長が教えてくれたようにアウトプットする事によって整理をしようと思ったんだ。
ここにレスをくれた人はそれを手伝ってくれた。
一週間くらい頭を整理して、過去に繋がるメールを消し去ってから思い切ってここに書き出してみたんだ。
人に説明をしようと色々思い出すたび少しずつ分かった。
すべてが繋がっているって。
全然ここには説明出来なかったけど、僕は今の奥さんが本当に大好きなんだ。
付き合ってから結婚までの間、ここには書ききれない想い出がいっぱいなんだ。
だからこそ、もう一人の大事な人、ウィノナとある意味決別したかったんだ。
こんな風に掲示板の中の一つのつまらないスレッドとして。
この一ヶ月で自分を取り戻したように思う。
顔も知らない人にはなおのこと気丈に振る舞えるし、僕にとっての青春に興味を抱いてくれる人がいたことは驚きもしたし感謝もしてる。
>>533
ありがとう。
面白くもないものに付き合ってくれて本当にありがとう。
こんな風にここを利用して本当に申し訳ありませんでした。
どうしても、自分があの本文を書いた真意まで語りたくなってしまったんだ。
その後の本当の自分のことまで語りたくなってしまったんだ。
後後日談を楽しみにしてると書き込んでくれた人には本当に申し訳ない。楽しませる気のないものになってしまった。
でもこうして全てをここに吐き出せて僕はただ一人満足してます。蛇足ではありましたが、もしもここまで読んでくれた人がいたらその人には本当に感謝しないといけないですね。
3日間付き合ってくれた方本当にありがとう。
>>510にそろそろ死ぬのかと指摘されたときは焦った。
死にはしないけどさw
改めて心配してくれたことにお礼したい。
まだ新婚さんなんだね
そしてお父様、ご愁傷様です
立派な方だね
>>536
面白かったかなぁ
なんだかそういう風に優しいレスをくれる人たちが沢山いたから
聞いて欲しくなってしまったんだ。
ごめんね
いつまでも落ち込んでいられないよね
僕に子供ができたら僕の両親みたいに無限の愛を子供に注ぎたいなって思うよ
子供は可愛いよー!
それでも自分を犠牲にするのは大変
経済的に厳しくても進学させてくれたご両親は立派だね
俺も高校の時、同級生でちょっとウィノナに似てた子が好きだったし、音楽も好きで低レベルな文化祭バンドやったりしたから、なんか共感しまくり
>>542
ほんとに子供は可愛いよね。人の子ですらあんなに可愛いんだ。
自分の子になったら一体どれほど可愛いのだろう。
うん。
父親がもう一つ立派だったのは、店のお客さんには保険を扱う人もたくさんいたんだ。
彼らへの付き合いってのもあるだろうけど、母親に苦労させないようちゃんとそんなにいらないだろって生命保険に入ってたことだ。
お陰で母親は経済的に困窮せずに済んでるよ。
僕もお金として借りた物は全て返すことができた。
でも親から貰った愛情とか恩ってのはなかなか返すことができないね。
そうだね。
あの手の顔の子ってたまにいるよね。日本人でも。
自分で気付いてなかったけど多分、共感してもらうってのが僕は嬉しいんだと思う。付き合ってくれてほんとにありがとう!!
>>546
そうだね。疑われるくらい結構幅は広いと思う
趣味も含めてここに書いたことは個人を特定できる情報以外は全部ホントだよ。
当時はL’Arc~en~Ciel派とグレイ派がいた時代だったね。
俺はNirvana直撃世代w
おかげでギターは上手くならなかったよ
>>549
じゃあちょっと世代が上なのかな??
NIRVANAは僕も大好きだよ。
カートコバーンに憧れて27歳で死のうとしたくらいにねwww
私自身が大好きな作家に言われた言葉です。
ウィノナのことが気になってるかもしれないけど、別れたらウィノナはウィノナの人生。1は目の前の奥さんと家庭を大事にしてね。
ウィノナのことは過去のこととして整理して幸せを祈ってるくらいの方がウィノナはウィノナとして幸せになろうって思えるようになりそう。
いいスレでした、ありがとう。
>>548
すごく嬉しいレスをありがとう。
あなたの言うとおりで僕はそんな風にこだわり過ぎていたと思う。
過去は過去のことだって思わなきゃね。
書いててなお思ったんだよ。
この今も過去が僕にくれたものなんだって。
だから自分の過去も愛せるように、笑って思い出せる事実になるようにあなたの言うように今の幸せのために精一杯生きようと思うよ。
本当にありがとう!!
飯田とマンドリルの式のあと、僕がウィノナに送ろうと思ったのは自分の結婚報告だったんだ。
結局送れないまま、いろんな感情の波に飲まれてしまったけど
送れないほうが良かったのかもね
いろんな意味でね
気付けばまた深夜だねww
ホント体調には気を付けろよ!
>>555
ありがとね!!
色々なことがあって、まだよく眠れないんだ
だから時間気にせず書き込めるここはすごくありがたかったよ
深夜まで付き合ってくれてありがとうね!!
ウィノナがそれ聞いて素直に祝福できるなら多分結婚式に来てただろうし送れなくて良かったんじゃない?
男は答え合わせしたがるけど本当の正解なんてないよ
共通の友達も居るし、神様とか運命とかよくわからないけど、機が熟したら再会する事もあるさ
その時お互い幸せならいいね
>>556
そうだね。
幸せになった彼女との再会があると信じたい!!
リアリティバイツは大学だったな
奥さんと仲良くね(^ ^)
俺もかみさんもっと大切にしようと反省
1とセッションして酒飲みたいよ
>>553
そのネバーマインドが僕に届いた最後の謎メールのアドレスだったんだよ。
どういう意味だったんだろうか…
そうだね。
僕もだいぶ復調したし、家庭に迷惑をかけない趣味の範囲でまたライブハウスに立てたならって思ってるんだよ。
今は家でまた練習生活なんだ。
セッションは叶わないけどお互い嫁にバンバン楽器をきかせよう
こればかりは受け取り手の主観に依るからなー
それに仮に仮に万が一にも恨みメールの送り主がウィノナだった場合(考えたくは無いけど)ノロケと捉えられる可能性もあるから恨みが増幅するかも・・・
って書きながら思ったんだがウィノナよりもレナorレナ母の方が送り主説は強いかもな
当時と手法が似てるってのがメンヘラの特徴でもありそうだ
>>554
そうなんだよね。
僕が一番最初に疑ったのはレナ母だったよ。今もそうだと思ってるしメールが止まってたのは単純に諦めただけだったらいいのにって思う。
でも、もしかしたらウィノナかもって思うと結婚報告はできなかったんだよ。
"気にすんな"
正解なんてわかりっこないさ
>>561
そうだね!!
ネバーマインドにしておくよ!!
お疲れさん!
楽しかったぜ!
>>563
それってすごい嬉しいこと!!
だけど僕
おっぱいも好きです!!
うpは出来ないけどwww
明日から頑張るよありがとう
>>564
ほんとにそうだったとしたらすごくごめんなさい。
うん!!
僕も頑張る活力をもらえたよー!!
今から遅めのお昼ごはん食べて今日も頑張るよ!!
ありがとね!!
聞かせてくれて感謝です。
>>565
いえ、感謝するのはこちらの方です。
ある種のセラピーみたいな感覚でした。
正直2ちゃんねるに期待はしていなかったから尚の事嬉しかったよ。
本当にありがとう!!
おつかれさま♪
>>567
人生って生きてるだけで疲れてしまうこと多いよね
お互いお疲れ様だと思います。
こうしてレスをもらえただけで
僕には今日頑張る気力がもらえました。
ありがとう!!
未練がましくスレに残って申し訳ありません。
このスレ中にもあったように僕はこの件を過去のものにしたいので、この書き込みを最後に去りたいと思います。
僕がこの書き込みをする迄
僕に対しての中傷が全くなかったこと。
本当に驚いています。
もっと殺伐としているものだと思っていました。
見えない所で不快にさせてしまった方も居たかもしれないし、レスを返しそこねた方もいたかもしれないです。
もう一度改めて謝罪とお礼を。
最後にもうレスだけ書き込みさせて下さい。
僕はきっと泣き虫で、スレにも書き込んだけど人生でたくさんの涙を流して来ました。
人生で僕が一番涙を流したのは
このスレの文中にはなかったけど
父親の体調が悪化して、店をたたむことになって、最後の営業日の翌日。
母親と店の片付けが完了した時でした。
普段たくさんのおばんざいが並んだネタケースが空になったのを見た時。
店内に立ち込めていた出汁と人情の匂いを洗い流した業務用洗剤の匂いを嗅いだ時。
そんな時でした。
その時の涙はそれはもう厨二病的に言えば“慟哭”でした。
僕が実感したのは人は死という一つの終わりよりもモノの消失の方がより現実味を感じるということ。
特に僕にとっての父の店は普遍性の象徴みたいなものでしたから、一層そう感じたのだと思います。
たくさんの優しい人が僕を励ましてくれたこのスレもの、きっとそういう“モノ”と同様に過去の“モノ”になっていきます。
それを象徴として僕の中にあった靄靄を過去の“モノ”にしていければなんて思います。
馬鹿にされるかもしれない。
たかだか2ちゃんねるの一つのスレじゃねぇか。
書き込んでるの殆どお前じゃねぇか。
でも僕は確かに顔も見えない人たちの優しさを感じたんだ。
大げさだよと馬鹿にされても構わないからもう一度だけお礼を言いたい。
そして、また僕が“今”とこれからを語ることができるようになったら
またいつかこんな風に僕の独り言を聞いて欲しい。次は過去の話じゃなくて、未来の話をしたい。そう思った。また皆さんの優しさに甘えてしまったらごめんよ。
まだまだ先になるような気がするし、それは永遠に来ない可能性もあるけど。
またいつか
どこかの未来でお会いしましょう!!
それでは!!
左様なら!!
>>1
乙でした!