梅雨も明け暑苦しい日が続いていた。
僕は小さな小さなきっかけが元で、3年半続いていた彼女と別れることになった。
20近く年下の彼女だったが、非常にしっかりした子だった。
自分で考えて出した答えだから、もう覆ることはないんだろう。
生活のほぼ全てだったものを失い、非常に自堕落な生活を送ることになったんだ。
なんとなくインターネットで女の子を漁り、なんとなく抱く。
虚無感に苛まされながらも、寂しさを埋めるためにネットの中を彷徨った。
同じ会話のくり返し。
褒めて褒めて写メもらって褒めて。
相手は変われど常に同じことのくり返しだった。
満たされることも、隙間を埋めることも無い作業をただ繰り返した。
2ヶ月近く経ってもしていることは同じだった。
昼近くに起きて、女の子を漁り、写メをもらう。
会うのも面倒くさくなり、ただただエロ写メ集めを繰り返す日々。
よい写メをもらい自慰を繰り返す日々だった。
そんな日々の中、久しぶりにデートの約束をする。
22歳の学生。男性経験無し(自称)。
繁華街をフラフラし、手をつないで歩く。
途中なんども押し引きをしてみるが手ごたえはない。
久々にセックスの無いデートを楽しみ帰路へ。
帰宅途中に別の女の子から連絡が入る。
「今から会えない?」
もう日が暮れてずいぶん経っていた。
その子の待つ場所まで、そこから2時間近く。
帰りたい気持ちと行きたい気持ちが交差しながらのやり取り。
性欲に押され、家から遠ざかる電車に揺られていた。
尻も存分に痛くなったころ、指定の駅に到着。
トイレに入りボディーペーパーで体を丹念に拭く。
ロータリーで待ち合わせ、ラフな格好にすっぴんの初めて会う女の子の助手席に乗り込む。
特に自己紹介するわけでもなく、目的地があるわけでもなくドライブは始まる。
ぽつりぽつりと女の子が語り始める。
「先輩の家に泊まりにいったんだよね」
「遠いから疲れちゃった」
「今日は帰ってきて一日寝てたよー」
肝心な部分が見えてこない。
コンビニの隅に車を止め、またポツリポツリと話し出す。
「結局やっちゃった」
「尊敬してる先輩だったのにな」
「もうセフレとしか見てくれないのかな?」
僕はありきたりの返事をしながら、
「一日に二人と会ってどっちも出来ないとか切ないな」
なんて考えていたんだ。
「なんかもう疲れちゃったー」
と、僕の手を握ってくる女の子。
スイッチが入ったように抱きしめる僕。
もう止まらなかった。
後ろから抱きしめつつ胸をさわりながら周りを気にする。
抵抗は少なかった。
首筋にキスをしながら太ももに手をのばす。
「ダメっ」
と小さくつぶやいて、足をしっかり閉じる女の子。
優しく足のつけね部分撫でながら少しずつ外側へ力をかけていく。
閉じた足はゆっくり開いていったんだ。
下着越しに優しく触れただけで伝わる水気。
横から指を滑らせ、直接刺激を与える。
女の子は僕のひざの上で仰向けになりキスをせがむ。
指はすでに中へと進入し、軽くリズミカルに動いている。
むさぼるようなキスをしながら僕にしがみつく女の子。
「ダメだよ…昨日イってないんだよぉ…」
しがみつく力が強くなっていき、指先は中が膨らんでいく感触を伝える。
絶頂のサインがあちこちから送られてきて、僕は耳元でささやいた。
「ホテル…いこうか。」
「…ダメ」
僕の声をトリガーにして我に帰る女の子。
預けていた身体を運転席に戻しエンジンをかける。
「終電もうすぐでしょ。駅まで送るね」
「身体ばっかりなんだよなぁ…」
つぶやきながら車を走らせる。
(行動に問題ありすぎなんじゃないのかな?)
言葉を飲み込む僕。
駅に着き、迫る時間の中軽く挨拶を交わし今日2度目の帰路につく。
指の臭いを軽く嗅ぎながら。
簡単な夜食を買って帰宅。
久々に一日外出をして体は疲れきっていたが、残ったのはむなしい欲求不満だけだった。
ネットで女の子を捜す気力もなく、
帰り道に話していた人妻さんの下着姿の写メを見ながら、今日のことを思い出して自慰をして眠りにつく。
本当に疲れる一日だった。
翌朝目覚めてもやっぱりすることはない。
ネットをしながら女の子と会話し、褒めて、写メをもらう。
今日はいまいちノリのいい子と当たらない。
だらだらとアニメを見たり本を読みながら女の子を漁る。
5人ぐらいの女の子とラインを続ける。
夏休みの思い出話に盛り上がる女の子。
電話したがる女の子。
通話しながら携帯をサイレントに切り替え他の子とも話し続ける僕。
なんとなくパンツを脱いで、セクシーとは程遠い写メを見ながらイジリ続ける僕。
「夏休みどこか行った?」
「海行ったよー!!」
「水着姿見たい!」
「ダメダメ絶対ダメw」
そんなやりとりから送られてきた1枚の写真。
小ぶりながらもキレイな形の胸にしっかりくびれた腰周り。
あどけない笑顔に癒されながら、耳からは別の女の子の愚痴が入ってくる。
様々なことをだらけきった五感で受けながら、目は「ガンダム人物列伝を追う」
ハヤト・コバヤシのページを見ながら、写メを見ながら、愚痴を聞きながら、
「っっ!!」
僕は今日2度目の射精を迎えていた。
Zガンダム時代のハヤト・コバヤシは、精悍な瞳で僕のことを見ていた。
END
さて、仕事するか生活保護について調べるか死ぬかそろそろマジメに考えないとな。